Ferrari California 30 フェラーリ カリフォルニア30
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Impression 自然吸気とFRの藝術、カリフォルニア30。
レースに勝つことをめざし、
ピュアスポーツの性能を追求するフェラーリにおいて、
GTを追求したモデルがある。
フェラーリストなら、ベルリネッタやスカリエッティ、
あるいはFFなどを思い浮かべることだろう。
しかもオープントップでと、申し上げたい。
カリフォルニア30である。
この30というペットネームは、
通常のカリフォルニアより30kgの軽量化と、
最高出力を30PSアップさせたことに由来する。
しかし、そんな数値は
フェラーリにとって些細なことかも知れない。
それよりも高めた性能を
どのように味付けしたかがマラネッロの天才職人たちらしい。
トルクカーブを改良し、全回転域で高トルク化させ、
さらに最高速をメーカー公称値で312km/hに
0-100km/h加速を3.8秒に高めている。
通常なら、オープントップでそのようなことは目指さない。
乗り心地を快適にするための余力として使うだろう。
彼らは、GTということを前提にして、
扱いやすく快適なマシンに
最上のスポーツを用意してくれたのだ。
つまりカリフォルニアの基本コンセプトを
さらに突き進めたのが、
この30というマシンである。
それは、すべてを手がければ、
マセラティとは異なるフェラーリだけのGTの道がある、
ということだろうか。
20インチ・ダイヤモンドポリッシュスポーツホイルを履いた、
俊敏な脚が駆け抜けるそのストリートに、
エンツォからモンテローゼに受け継がれた志を感じる。
4.3リッターV型8気筒直噴ユニットを搭載し、
FRというナチュラルなハンドリングを持つカリフォルニア。
30として高められた性能は、
ピュアスポーツを謳う458シリーズにも
決して負けないドライビングプレジャーを秘めている。
この次元においてGTを称するマシンは、
スポーツカーを作り続けてきた
歴史あるフェラーリにしか成し得ないだろう。
最新のAFSヘッドライトシステムを装備しながら、
あえてヴィンテージフェンダーエアインテークグリル、
そしてGTOスタイルフロントグリルをセレクトしたマスクに、
深い自信が満ち溢れている。
さらにこのマシンは、電子制御式の磁性液体ダンパーを装着した
ハンドリング・スペチアーレとなっている。
そのため減衰のレスポンスが50%短縮され、
よりハードなスプリングを採用しているが、
メーカーアナウンスによれば、
GTとして快適性を損なうことなく、
正確なボディコントロールを確保するためにと言う。
また環境に配慮するHELEシステムも搭載している。
インテリアは、エクステリアカラーを引用した
スペシャルカラード・ステッチ(ロッソ)であしらった
フル電動シートとカーボンファイバー・ドライバーゾーンをメインに、
センターブリッジ、LEDステアリングをカーボンで
コーディネートしている。
またフルオプションミラー(自動防眩)を装着し、
カラード・レブカウンターはイエローを、
カラード・セーフティベルトはロッソをチョイスしている。
エクステリアカラーは、
フェラーリ伝統のロッソコルサに包まれている。
そしてスクーデリア・フェラーリシールドとカラーコーディネートした
イエローのカラード・ブレーキキャリパーが、
20インチ・ダイヤモンドポリッシュスポーツホイールから覗いている。
心憎い配色だ。