Ferrari 458 Italia

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    488GTBがアンヴェールされ、仕様を明かされたことで、
    フェラーリV8自然吸気のラストモデルとなった、458イタリア。
    それは、この傑作モデルにとっては
    伝説の道がスタートしたときでもある。
    すでにオーダーストップしているこのモデルで、
    走行距離2,700kmというマシンが現れた。
    ビアンコアブースの2011年である。

    ボディラインを細部まで際立たせるビアンコ(イタリア語で白)。
    新車の輝きを放つ車体、
    フロントフェースにはピニンファリーナが描いた、
    流麗なラインとエッジの切れ味が美しいオーラを放っている。

    脚元には5本スポーク鍛造ホイール(ダイヤモンドポリッシュ)と、
    イエローのカラード・ブレーキキャリパーが存在感を示している。
    エンブレムもイエローと、
    ワンポイントのカラーコーディネートがセンス良く施されている。
    サイド後方に輝くピニンファリーナのロゴは、
    フェラーリV8で見るのはこれが最後になるのだろうか。

    このマシンには、AFSヘッドランプシステムと
    フロントサスペンションリフター、
    そしてリアパーキングセンサーが備えられている。
    この装備は、何台かフェラーリ車歴を重ねてきたオーナーが
    セレクトしたものだろう。
    日常的に458イタリアのステアリングを握りたい、
    という意思が見える。

    インテリアはブラックを基調とし、
    落ち着いたコーディネイトをしている。
    シートはフル電動シートで、
    新車の革のむせるような匂いがまだ残っており、
    白のスペシャル・カラード・ステッチが
    大人の演出をしている。
    また天井には、
    ブラックのアップホルスタートップをセレクトしている。

    ボディカラーとコーディネイトしたビアンコのレブカウンター、
    まだ新車の香りを残すステアリング、
    パドルシフトを使い、
    実質上ゼロ秒でシフトチェンジする7速DCTを操る、
    幸福なオーナーは誰だろう。

    F40へのオマージュといわれる3本出しのエグゾースト。
    それも488GTBには継承はされなかった。
    たった一台、ほぼ新車のようなコンディションで
    オーナーを待っている、奇跡の一台。
    自然吸気を愛し、
    ピニンファリーナに畏敬の念を持つフェラリスタにとって、
    このマシンはラストチャンスになるかも知れない。