Ferrari F430 Spider

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    Impression

    跳ね馬で、スポーツを始める。
    と言うと、カリフォルニアを思い浮かべる御仁が多いことだろう。
    しかし、腕に覚えがあり、
    主流であるV8シリーズにこだわれば、
    このマシンが似つかわしい。
    主役の系譜を458/488へと継承した
    フェラーリF430スパイダーである。
    それは、このフェラーリF430が、
    フェラーリの公道車開発において分岐点となるマシンだからだ。

    このF430までのV8シリーズは、
    ある意味公道のレーシングカーだった。
    しかしこのF430以降の458や488は、
    最新のマシンになるほどに、
    乗用車としてのマナーが大きく改善され、
    より扱いやすく洗練されたマシンとなっている。
    それは、公道も走れるレーシングマシンを開発するのか、
    公道を主として最新のレーシングの性能を提供するのか、
    その歴史的な分岐点に立っているのがF430である。

    フェラーリにとって
    コンテンポラリーマシンデザインの中興の祖たるマシン。
    F430から、進化したフェラーリ哲学が始まったと言っても
    いいだろう。
    それ故に、フェラーリF430スパイダーで
    跳ね馬のオープンスポーツを始める。
    純然たるレーシングカーの性能と快適な乗用車との、
    絶妙なるマリアージュを味わうために、あえて。

    このマシンは、スパイダーながらスパルタンだ。
    カーボンセラミックブレーキを備え、
    カラード・ブレーキキャリパーとした脚元には、
    純正19インチのアルミホイールを履いている。
    そのうえで
    フロント・リアパーキングセンサーと
    社外バックカメラを備えている。
    七宝焼き仕上げの
    スクーデリア・フェンダーエンブレムが、
    ビアンコアブスのボディに映える。

    イエローのカラードステッチと
    シートパイピングで飾られたパワーシート。
    ヒップ位置は458より低く、
    レーシング気分を煽る。
    オーナーの目の前には、
    イエローレブカウンターがある。

    エンジンに火を入れ、
    官能のエキゾーストサウンドを愉しむ。
    ノーマルもいいが、
    まずは手始めにエンジンの潜在能力を呼び覚まし、
    F1マシンと同じ恍惚を奏でる
    エキゾーストに交換するなど、
    さらにマシンをレーシングに仕上げる楽しみが待っている。
    さて、このマシンのオーナーは、 どんな調教をするのだろうか。