ガルウィング 300SL Gullwing【シリーズⅢ】

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    Impression

    私たちは、
    クルマは走らせて楽しむものと考えている。
    それは、
    このガルウイング300SLという稀代の名車でも変わりが無い
    いや、歴史的な名車であるからこそ
    オーナーが、このマシンを日常的に脚として使う
    ライフスタイルが素敵では無いだろうかと思う
    たとえば外苑前の並木道を優雅に流し
    帰りに高級食材店に立ち寄る、
    そんな生活にガルウイング300SLを選んで貰えればと。

    たとえば、小径ステアリングは
    フェラーリやジャガー、ポルシェなどのクラシックカー用品を
    作成するEZEP社の作品を選択している。
    それはクラシカルなステアリングの先に、
    使いやすい電動パワーステアリングを供えているからだ。

    インテリアも抜かりがない。
    ブラックレザーシート、ブラックレザーダッシュボードに磨きをかけ、
    レトロな空間にエアコンとETCを装備し
    VDOスピード・レブカウンターを備えている

    もちろんエンジンを載せ替え
    さらにレースのビルディング手法で耐久性に疑問のあった配管・配線をメルセデス・ベンツらしく信頼できるものに組み直すなど
    出来る事を全て行い
    耐久性ある「普通のクルマ」と呼べる水準まで押し上げたのだ、

    そのために、
    まるまる一台のクルマをすべてパーツに戻して組み直したような作業となった。
    私たちは、
    時間や費用という合理性を超えた次元で取り組んだ。
    このガルウイングを
    優れたマイスターとリベラーラの手によって
    本当に公道を自由の翼として走らせるという、
    夢を実現するために。

    ガルウイング300SLの流麗でボリュームのある背後を眺めて
    想像していただきたい。
    たったひとつの不快音も無く、安定したサウンドを奏でるマシンであることを。
    日常的に使って、壊れないマシンであることを。
    そのマシンが歴史的に奇跡と言える一台であることを。
    私たちは
    稀少なマシンを世界で唯一無二の一台に仕上げるという
    高い志で、取り組んだ。

    このガルウイングは
    今、リベラーラのストックヤードに佇んでいる。
    私たちは
    このガルウイングだけでなく、
    すべてのマシンを日々整備点検し
    さらに整備メカニックから
    「もう手を入れるところが無い」と言われるまで、
    とことんコンディションを維持し続けている。
    それはクルマを深く知る方が、
    そのマシンの最高の状態でステアリングを握ることができるように
    その時が、いつであっても
    そして唯一無二のガルウイングであっても
    私たちの志に変わりは無い。

    【シリーズⅢ】・・・完結