運転ルールに慣れない米国において、ふと油断してしまった瞬間にポリスから違反チケットを貰ってしまうということは少なからずあります。

とはいえ、ポリスも人間ですから完璧ではありませんので、誤った判断で取締りをしてしまうこともあります。これを是正するためにあるスモールコート(Small Court:簡易裁判)の存在をご存知でしょうか?

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今回は実話を元に違反切符の異議申し立てについてお話し致します。

 

 

Oさんは「Uターン禁止区域での違反(Uターンをしてしまった)」を取られてしまいましたが、Uターン禁止の標識は交差点よりもかなり後方の中央分離帯の柱に設置してあり、赤信号で2番目に停車していた自身の位置からは確認できませんでした。加えて、前方の車両も同じ交差点でUターンをしたので、OさんもUターンをしてしまいました。

2211931405_bfde256a1dそこへ待ち構えていた(であろう)ポリスカーに止められ、あとは状況や経緯をどう説明しても、ただ事務的に違反チケットを切られてしまいました。

 

ただし、ポリスも一度に二台は止められなかったので、後方で止めやすかったOさんのクルマのみ停車させられました。

Oさんは後日、この事実を元に簡易裁判(異議申し立て)を行ったわけですが、当然、Oさんを捕まえたポリスの言い分は「違反区域でUターンを行ったのでチケットを切った。」というものです。これはこれで理解できます。これに対し、Oさんの言い分は「①赤信号で停車している位置から交通標識が十分に確認できないのは、設置した取締り側の落ち度で、②事実、前方の車両もUターンをしていた。」という主張に加え、チケットを貰った後日、現場の写真を携帯のカメラで撮影したものを印刷して、証拠資料として裁判官に提出しました。(この写真には信号で二台目に停車しているクルマの運転席からは標識が見えないことが写っていました。)

 裁判官はポリスにOさんの説明が正しいかと確認し、ポリスもそれを認めました。(ちなみに、お互い主張する前に、真実を語ると神の前で誓うわけですが、そこは流石というべきか秩序を守るというポリスの誇りにかけて、公正に事実を語るようです。)さて、裁判官の判決はというと、

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「標識設置への落ち度は否定しきれず、加えて前方車両は取締りを受けていないにもかかわらず、当人(Oさん)だけが処罰を受けるのは不平等として、無罪(Not Guilty)とする。」でした! 減刑ではなく完全無罪!! 

「裁判」など日本ではなかなか経験することがないですが、簡易裁判とはいえ、アメリカでは非常に身近に裁判制度が存在します。

※違反チケットを貰ったら、そのまま罪を認める(Guilty)のではなく、認めずに簡易裁判に持ち込む(Plea Not Guilty)ことが出来ます。方法は、チケットの選択欄と署名欄を埋めて所定のオフィスに郵送するか、オンラインでの選択もできます。簡易裁判の日程は後日郵送またはオンラインではそのページまたは指定したEメールに返信が届きます。

※裁判を有利に進めるために、弁護士を雇うこともできます。