日本人にとってアメリカでの食べ物は、量が多い、野菜が少ない、そしてあまり美味しくないという食の三重苦、というイメージの方も多いかと思います。

渡米して最初のころは良くても、徐々にハンバーガーやステーキ、ピザや揚げ物などの食事にはだんだんと嫌気がさしてきて、少しでも日本らしい食事を追い求めて日本食スーパーや日本食の料理店に足繁く通うようになるのが駐在員の歩む王道です。

よく知られている通りアメリカは世界一の肥満大国で、一説によれば国民の30%以上が肥満に分類されるそうですが、ファストフードなどの外食レストランの利用率の高さや一食あたり量の多さ、日常的に摂取する炭酸飲料などが主な原因と言われています。

もともとはヨーロッパの狩猟民族であるアメリカ人は、食料となる獲物が取れない日が続く可能性に備えて脂肪を蓄える力が遺伝的に強くなったため、必要以上にカロリーを摂取してしまうとすぐ太る、という説もあるようですが、現代のアメリカ人というのは白人だけではなく様々な人種や民族、ルーツの人がいますので、どちらかといえば食品業界全体が、長年にわたりアメリカ国民に対して食を大量消費するように”教育”してきたのが要因ではないかと思います。このおかげなのか、米国では安いことよりも量が多いことの方が良いこと、という考えが浸透しており、2 for $4 とか Buy One and Get One Free など、とにかく量が多いほうがお得、という風潮を作っているのが現在の大手ファストフードチェーンでもあります。

子供の頃からピーナッツバターとジャムを塗ったパンやチーズたっぷりのピザ、ハンバーガー、フライドポテトなどばかり食べて大人に育ってしまえば、それ以外のものはあまり美味しく感じないでしょうから、結婚して子供ができても同じような食事を我が子に与える、という負の連鎖が繰り返されているのではないでしょうか。食べ物に限らず、すべてのものがどこにでも溢れている現代のアメリカでは、余ったものは捨てれば良いといった考えが一般的なようですので、目の前の食べ物に感謝をするとか、残すのは罰当たりという “もったいない” 感覚は無いようです。まさに大量生産・大量消費の国と言えますね。

歴史を振り返ればもともと資源に乏しく貧しい国だった日本はアメリカとは真逆で、季節に応じて取れる限られた食材に対して、貴重だからこそ大地や自然の恵みに感謝するという思いが生まれ、食材をいかに美味しく味わえるかを考えて調理し、食べる方もよく味わってありがたくいただく、という基本精神があるからこそ、日本中どこに行っても美味しい料理が味わえるのではないないか、と思います。

日本人でよかったですね(笑)

 

瀬尾俊之