米レンタカー大手、ハーツの倒産は経済紙を読まれる方にはとても印象的なニュースだったと思います。チャプターイレブンと呼ばれる、法的な破産申請手続きに至るまでの概要を、今回は、アメリカで生活する者として、そしてもちろん利用者としてもハーツとは接してきましたので少し密な視点で触れてみたいと思います。

一言で表すと?

今回の経緯を一言でまとめるとハーツは、ダラー、スリフティーという中堅のレンタカー会社を傘下に入れた矢先に、競合であるエンタープライズレンタカーや、エイビスレンタカーは人気のSUV中心のラインナップにシフトしている中で、セダン中心でかつ値上げを行なった結果、顧客獲得、価格競争の面で後手に回りました。そこに、UberやLiftなどにレンタカー需要を少なからず奪われてしまい、今回、コロナの影響で渡航が制限され空港でのレンタカー需要がなくなってしまった。まさに、八方塞がりの状態になってしまい、大量に新車メーカーからリースしていた車両の支払いが滞り、今回のチャプターイレブンに陥ったという流れです。

格安の中古車が大量に出回る?

ただし、債務整理が必要となるため在庫処分で格安で車が市場に出回るのでは?とニュースでは言われています。しかし、その恩恵に与れるかどうかは私は懐疑的だと思います。なぜなら、格安で売却するとさらに債務が膨らむため相場以下での売却が現実的では無いということ、そして当時凍結されていた卸売市場が想定以上に復活してきたことが挙げられます。

つまり、市場に出回る値段は相変わらずという見込みです。

競合のエンタープライズの高級車レンタル

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今後どうなる?「レンタル」への不安?

ハーツのみに関わらず、レンタカー業全体にとってこの状況は苦境であることには間違いありません。

これによって我々個人の生活への影響があるかというと、レンタカー利用者としては大きな変化は無いと感じています。会社自体はなくならないでしょうし、今まで通りレンタカー事業を営業しています。

ただし、目に見えないウィルスのせいで、「レンタル」という不特定多数のユーザーで使い回すことへの抵抗が生まれてしまいました。これをどのように乗り越えていくのかという課題解決が今後のレンタカー業界の将来を左右すると言えるでしょう。

担当:森部