「コーポレートブログ」の記事

クルマでしか行けない VOL.1 天性の蕎麦職人が打つ田舎蕎麦とは?

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クルマでしか行けない、
クルマ以外でなんとか行けたとしても、
わざわざクルマで行きたい。
このコーナーではそんな素敵な場所をご紹介します。

富士山の麓にひっそりと佇む、遠くから客足が絶えないお蕎麦やさんがあります。
その名は「蕎仙坊(きょうざんぼう)」。

鮎沢PAから見る富士山

蕎仙坊は足利の「一茶庵」の流れを継いでいます。
オープンまでは千葉県の市川と船橋の間で「中山一茶庵」という名で営業。
蕎麦屋を始めるきっかけとなった叔父さんの3周忌が過ぎてから
以前からの夢だった、富士山の麓で移築民家での開業へと動き出し、現在に至ります。



店主の齋藤さんの前職は証券マン。
齋藤さん自身は本業の株の取り扱いより、蕎麦屋にいることが好きだったといいます。
20歳過ぎから平日は証券マン、
週末だけ叔父さんの営む蕎麦屋で手伝いという日々が続いていましたが、
半年後にひょんなことから転機が訪れます。
それまでは夏場にクーラーのない厨房で、叔父さんを団扇で扇ぎ、
汗を拭くといった雑用しかさせてもらえなかったのが
急な叔父さんの不在時にあたり「ずっと見ていて覚えているからやってみるよ」と、急遽齋藤さんが蕎麦を打つことに。

叔父さんが店に戻ると、以前よりもお客さんが増えているという結果に。
食べた叔父さんの感想は「自分が打った蕎麦より美味しい」とのこと。
齋藤さんはそれから週末になると足利の「一茶庵」に通い始め、
証券マンから蕎麦屋への転職が決まり、蕎麦職人の道が始まります。

外看板

看板はあちこちに出した方がいい、もっとネオンをつけて派手にした方がいいと周囲からアドバイスもされつつ、そういったことはしたくないという意を貫き、今に至ります。



入口の暖簾

暖簾をくぐるとつい「ただいまぁ」と言ってしまいたくなるような、和みの古民家。



開店当時は店までの舗装された道もない状態での商売スタート。
地元の方には半年や1年で潰れるんじゃないかと噂されたといいます。
しかし開店後1カ月もすると「東京から移転した蕎麦屋がありませんか?」と地元の人に尋ねる人が増え近くのコンビニから「うちは蕎仙坊の案内所じゃない!」とご迷惑をおかけするほどのことも…

餌付けされた野鳥 めじろ

冬の景色にメジロの鶯色が映える。



野鳥がのびのびと遊びまわる庭の景色も素敵で、ここの名物になりつつあります。
齋藤さんが毎朝の仕込みの後に餌箱にひまわりの種や果物などを置いてまわると、
鳥が集まってくるようになったそうです。

おしながき

ここに来たら、まずは変わりそばはやらないと決めていた。
せいろと田舎を軸としてお客様に理解してもらいたかったからだ。
それがお客様に理解されたので、ここに来て4年目くらいに次の向上心として、
変わり蕎麦も出すことにし、三色そばとして商品になった。



年に何回かお客様にさえ出したくなくなってしまうくらい
すごいお蕎麦が打てることがある(!)といいます。

「そういう蕎麦は『こね、のし、包丁』が三位一体となって初めて生まれます。
かつ、ストレスがなく、天候も良く、ベストな体調、ベストな粉の状態など、
すべてのバイオリズムがそろった時に生まれるのではないかと思っています」とのこと。

太い田舎そばがこのお店独自の看板メニュー。
「蕎麦の皮をむいたところにある薄皮が、蕎麦の甘みを一番感じられる部分で、細く打ったのでは意味がない。
噛んで初めてうま味や甘みを感じることができる」
甘皮の配合は試行錯誤しながら今の味に。

鴨焼き

ご主人おすすめサイドメニューのひとつ 鴨焼き



そばどうふ

ご主人のおすすめサイドメニューその2 そばどうふ



三色そば

こちらが「三色そば」。「今はそばの殻が入った粗挽きが人気ですが、私たちが教わったのはその殻をいかに取り除くか、でした」。蕎麦の粉はナマモノ。四季を通じて粉の状態も違うので、経験を積まないと出せない味があるとのこと。



齋藤さんにとっておいしい蕎麦を提供するというのはどういうことかを聞いてみると
「お客様の喜ぶ顔はもちろんですが、自分自身の満足感、達成感。常に最高のものを追い求めています」
と言葉が返ってきました。
「今後も変わらず、今と同じことをやっていきます。終わりはないです。終わりは命が尽きる時だと思います。最後まで向上心は捨てません。50年やっても毎日新しい発見があるから、日々研究です」

ご主人と奥様

左が奥様、右が店主の齋藤 親義さん。奥様は四谷出身で田舎暮らしはできないと思い「あなただけ山にこもりなさい、仙人になりさい」と、伝えたそう。今では二人仲良くお店を切り盛りされています。



「おいしかった、また来ます」が一番の褒め言葉。
お腹の中にいる時からお母さんが食べていて、
6歳の子がせがんで食べに来てくれることも。
大晦日も営業するが15時以降は予約のみで、もう何十年も訪れる家族の顔ぶれは変わらない。
「また頑張らないといけないな、と思います」

蕎仙坊 入口

店名の由来は蕎麦の「蕎」、上記のエピソードから仙人の「仙」、富士山の懐でお蕎麦という精進を召しあがっていただく「ささやかなる場所」=「宿坊」→「坊」、という意味が込められている。



変わりそばメニュー一覧(予定)
1月:富士のしらゆき
2月:青海苔
3月:桜切り
4月:よもぎ切り
5月:茶切
6月:青柚子
7月:けし切り
8月:桜海老切り
9月:ごま切り
10月:卵切り
11月・12月:黄柚子切り

蕎仙坊(きょうざんぼう)

住所:静岡県裾野市須山1737
電話:055-998-0170


アクセス:東名高速「裾野インター」から須山方向へ。
トヨタを過ぎてT字路を右折し須山街道を富士山方向へ上がる。
裾野きのこ園前の案内板「蕎仙坊」を右折。
インターからクルマで約7分。


営業時間:11:30~18:00
定休日:月曜・第2第4火曜
*冬場は天候によって営業している日が異なるので、お越しの際はご確認ください。
また毎年1月中旬にお休みをいただくのでお問い合わせください。

■アクセスマップ

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