SUVは、徐々に純ガソリン車が減り、ハイブリッド車の比率が高まっている。現在の主流はハイブリッド車だが、徐々に注目を集めているのがPHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)だ。
そこで、PHEVのパイオニアである三菱アウトランダーPHEV(GN系)と、プレミアムブランドであるレクサスの中古車、NX450h+(PHEVの20系)を比較する。
NX450h+は、中古車であれば新車のアウトランダーPHEVと同等レベルの価格で手に入るようになってきている。レクサスブランドに憧れているファンにとっては、大きなチャンスの到来といえる。
今回はアウトランダーPHEVとレクサスNX PHEVを徹底比較し、両車の特徴や魅力をわかりやすく解説していく。
※レクサスNX PHEVの正式グレード名は「NX450h+」。本記事では「NX PHEV」と表記する。
アウトランダーPHEV(GN系)がおすすめな人
- アウトドアシーンで使いたい
- 降雪地域で、悪路を走ることが多い
- 子どもの送迎など、7名乗車の必要性がある
NX PHEV(20系)がおすすめな人
- 高級SUVに乗りたい
- 燃費を重視したい
- リセールバリューに期待したい
- 大幅改良によって、航続距離アップに加え、乗り心地と静粛性が大幅に向上
- 国内レクサスの中核モデル
- EV航続距離はアウトランダーPHEV、燃費性能はNX PHEV(20系)が優勢
- アウトランダーPHEVの新車価格で人気グレードNX 450h+ Fスポーツも狙える
- 新車値引きに期待大なアウトランダーPHEV
- SUVらしい逞しさを両車が表現しているが、先進性も強調する2代目NX
- ラゲッジ容量は2代目NX PHEV(20系)が上回る
- ドライバー異常時対応システムを搭載するなどNX PHEVが充実
- 同じSUVでもキャラクターは大きく異なる
- ブランド力の違い!? 高めのリセールバリューとなったNX
- 都会派か? アウトドア派か?
- 三菱アウトランダーPHEV(GN系)新車価格帯
- レクサスNX PHEV(20系)新車価格帯
- 三菱アウトランダーPHEV(GN系)スペック
- レクサスNX PHEV(20系)スペック
大幅改良によって、航続距離アップに加え、乗り心地と静粛性が大幅に向上
三菱アウトランダーPHEV(GN系)の特徴
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の全景
2021年12月に販売を開始した2代目にあたるアウトランダーPHEV(GN系)は、三菱・日産・ルノーのアライアンスによって新開発されたプラットフォームを採用している。
さらに、エンジンルームやキャビン周りには連続した環状構造を採用。従来車よりもボディの曲げ剛性とねじり剛性を大幅に向上させ、上質な乗り味を実現している。
アウトランダーPHEVは、2.4Lプラグインハイブリッドシステムを搭載。前後のタイヤをそれぞれモーターで駆動する電動4WDを採用した。
そして、三菱独自の車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。ブレーキ制御「ブレーキAYC」を後輪にも採用することで、前後輪の分散制御を可能とし、優れた操縦安定性を実現している。
先進安全装備では、高速道路での同一車線運転支援技術「マイパイロット」を搭載する。
アウトランダーPHEV(GN系)は、2024年10月に大幅な改良を実施した。リチウムイオンバッテリーを刷新し、バッテリー容量を約13%増の22.7kWhとした。その結果、全グレードでEV走行可能距離が約20km延長され、約100kmの走行が可能になった。
さらに、PHEVシステムの最高出力が約20%向上。よりスムーズで力強い加速性能を持続できるようになり、高速道路での合流や追い越し時のストレスを軽減している。
装備面では、スマートフォン連携ナビゲーションシステムのモニターサイズを、従来の9インチから12.3インチへ大型化した。
オーディオシステムにもこだわっている。ヤマハと三菱自動車がアウトランダーPHEV専用に共同開発した「ダイナミックサウンドヤマハアルティメット」と「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」という2つのオーディオシステムを設定している。
2025年9月には、アウトランダーPHEVが一部改良を実施した。踏み間違い防止アシストでは、後退時に従来の超音波センサーに加えて、新たにリアビューカメラも活用。これにより、歩行者の検知も可能となっている。
国内レクサスの中核モデル
レクサスNX PHEV(20系)の特徴
※上図:NX 450h+の全景
2021年に登場した20系のNX PHEV(450h+)は、「生命的な躍動感と先進技術が融合したスポーツギア」を意味する「Vital×Tech Gear」を開発コンセプトとしている。走り、デザイン、先進技術を全面的に刷新した、次世代レクサスの第一弾モデルだ。
NX PHEVはGA-Kプラットフォームを採用し、軽量で高剛性なボディと低重心なパッケージを実現。さらに、駆動力をしっかりと受け止めるため、サスペンションメンバーなどに補強ブレースや補強パネルを追加している。
アッパーボディも構造から見直した。エンジンフードには、レクサス初となるツインロック構造を採用している。
搭載されているのは、2.5L PHEVシステムだ。総電力量18.1kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、駆動方式は4WDのみとなる。燃費性能はWLTCモードで19.6km/L。また、満充電時のEV走行可能距離は約87kmだ。
NX PHEVは、運転支援機能として「Lexus Safety System+」を標準装備。さらに、高度運転支援技術「Lexus Teammate Advanced Park」を搭載し、安全・安心でスムーズな駐車を支援する。
スマートフォンからリモート操作で駐車できる機能も搭載。加えて、ドアのアンラッチを電子制御で行うeラッチシステムと、後側方の車両などを検知するブラインドスポットモニターセンサーを連動させた「安心降車アシスト(ドアオープン制御付)」も採用している。安全・安心な降車をサポートしてくれる。
EV航続距離はアウトランダーPHEV、燃費性能はNX PHEV(20系)が優勢
1. 燃費性能
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は4.5
アウトランダーPHEV(GN系)の燃費やEV航続距離などのスペックは、下記の通りだ。
- 燃費(WLTCモード):17.2~17.6km/L
- EV航続距離(充電電力使用時走行距離):102~106km
- 駆動用バッテリー容量:22.7kWh
- 車重:2,070~2,180kg
NX PHEV(20系)の燃費やEV航続距離などのスペックは、下記の通りだ。
- 燃費(WLTCモード):19.6km/L
- EV航続距離(充電電力使用時走行距離):87km
- 駆動用バッテリー容量:18.1kWh
- 車重:2,010~2,030kg
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の給電口
アウトランダーPHEVは、EV航続距離でNX PHEVより15~19km長い。一方、燃費ではNX PHEVに対して2.0~2.4km/L低い数値となった。
EV航続距離は、主に搭載された駆動用バッテリーの容量によって大きく左右される。アウトランダーPHEVは、NX PHEVより4.6kWh容量の大きいバッテリーを搭載している。そのため、EV航続距離も長くなっている。
ただし、1kWh当たりの走行距離を見ると、アウトランダーPHEVは約4.5~4.7km/kWh。対してNX PHEVは4.8km/kWhとなっている。わずかな差ではあるものの、NX PHEVが効率面で勝っている。
こうした差は、システムの違いというより、車重の差による部分が大きいと推測できる。アウトランダーPHEVは、NX PHEVに対して60~150kg重い。
とくにアウトランダーPHEVには3列シートモデルが設定されているため、車重がやや重い傾向にある。
アウトランダーPHEVの新車価格で人気グレードNX 450h+ Fスポーツも狙える
2. 価格比較
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は4.5
※中古車相場は2026年8月調べ
アウトランダーPHEVの新車価格と、中古車NX PHEVの中古車相場を比較した。
- アウトランダーPHEV Pエグゼクティブパッケージ7人乗り4WD(GN系):670万100円
- 中古車NX 450h+ Fスポーツ 4WD(20系)2023年式中古車相場:540万円~640万円
上記のように、あのプレミアムブランドで最も人気の高いスポーティグレードであるNX 450h+ Fスポーツでも、3年落ち(2026年比)の2023年式なら、アウトランダーPHEVの新車価格を大きく下回る中古車相場となっている。
NX 450h+ Fスポーツは、当時の新車価格が約754万円という高額車だった。それだけに、中古車ではかなり買い得感が出てきている。
運転支援機能を比較すると、アウトランダーPHEVは高速道路での同一車線運転支援技術「マイパイロット」を搭載している。
NX PHEV(20系)は、交差点衝突回避(出会頭)機能を追加したプリクラッシュセーフティをはじめ、7つの機能をパッケージ化した「Lexus Safety System+」を標準装備。さらに、ドライバー異常時対応システムや、安全運転をさりげなくサポートするプロアクティブドライビングアシスト(PDA)を採用している。
さらに、高度運転支援技術「Lexus Teammate Advanced Park」を搭載し、安全・安心でスムーズな駐車を支援する。スマートフォンからリモート操作で駐車できる機能も搭載している。
快適装備を比較すると、アウトランダーPHEVは高級素材のセミアニリンレザーをシート表皮に採用。フロントシートは運転席、助手席ともにパワーシートを標準装備しており、ヒーター&ベンチレーション機能も備えている。
リアシートの座面と背もたれ部にもヒーター機能を装備。12.3インチのディスプレイを採用したスマートフォン連携ナビゲーションを標準装備するほか、12スピーカー+デュアルアンプの「ダイナミックサウンドヤマハアルティメイト」という高級オーディオも標準装備している。
バッテリーの充電ポートは、普通充電と急速充電の両方が利用できる。
NX PHEV(20系)は、フロントシートにFスポーツ専用の本革シートを標準装備し、フロント&リアシートにヒーター機能を備えている。さらに、フロントシートにはシートベンチレーション機能を装備している。
14インチのディスプレイオーディオ(コネクテッドナビ対応)Plusを標準装備。家庭用電気機器が使用できるアクセサリーコンセントは、センターコンソール後部とラゲッジルーム内に設置されている。
スマートフォンなどを充電できるおくだけ充電はオプションとなり、バッテリーの充電ポートは普通充電のみとなっている。
アウトランダーPHEV(GN系)に標準装備され、2代目NX PHEV(20系)に装着されていない主な装備は以下の通りだ。
- 3列目シート
- 急速充電ポート
- 高級オーディオ
- おくだけ充電
一方、NX PHEV(20系)に標準装備され、アウトランダーPHEV(GN系)に装着されていない主な装備は以下の通りだ。
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
- ドライバー異常時対応システム
- Advanced Park(リモート機能付)
- e-ラッチシステム(電子制御ドア)
- 安心降車アシスト(ドアオープン制御付)
アウトランダーPHEV Pエグゼクティブパッケージでは、ヤマハ製高級オーディオが標準装備されている。一方、NX 450h+ Fスポーツにはハーマンカードンサウンドシステムがオプション設定されている。
中古車でハーマンカードンサウンドシステムが装備されているのであれば、積極的に選びたい車両といえる。
豪華装備を比較すると、オーディオ面ではアウトランダーPHEVが優位だ。一方、予防安全・運転支援機能ではNX PHEVが優勢となる。
一長一短があるものの、中古車NX PHEVは中古車相場がアウトランダーPHEVの新車価格を大幅に下回っている。その点も含めれば、中古車NX PHEVのコストパフォーマンスは高いといえるだろう。
新車値引きに期待大なアウトランダーPHEV
3. 購入時の値引き術
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は3.0
アウトランダーPHEVは、大幅改良が施されたとはいえ、2021年12月に登場したモデルだ。すでにモデル後期に入っていることから、新車値引きのガードは緩め。20~30万円程度の値引きが出ているようだ。
ただし、何もしなければ10万円程度で終了となる可能性が高いため、直接的なライバル車であるトヨタRAV4 PHEVなどの見積もりを取り、競合させることが重要だ。積極的に競合車の見積もりを活用して、少しでも有利な条件を引き出したいところだ。
NX PHEVは中古車での購入となるため、基本的に値引きはゼロと考えたい。ただし、お店によっては、数万円程度の値引きは可能だろう。
値引きが行われにくい理由は、中古車検索サイトが総額表示となり、より薄利になっているからだ。こうした状況なので、容易に値引きに応じてくれるお店には注意したい。「値引きしてでも、すぐに売らなくてはならない理由があるのでは?」と、慎重に判断する必要がある。
また、「ローンでないと販売できない」「高額なボディコーティングのオプションを選択してくれないと販売できない」など、抱き合わせ販売を提示してくるお店にも注意したい。こうした条件を提示する販売店は、慎重に判断した方がよいだろう。
SUVらしい逞しさを両車が表現しているが、先進性も強調する2代目NX
4. デザイン比較
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は4.5
「威風堂々」を具現化した逞しさと安心感を演出するデザイン
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の後景
アウトランダーPHEV(GN系)の商品コンセプトは、「威風堂々」だ。そのコンセプトを実現するため、ボディデザインには「BOLD STRIDE(ボールドストライド)」を掲げ、パッケージから大きく見直している。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のフロントフェイス
フロントからリアへと伸びる水平基調で、力強くスタンスの良いプロポーションを実現。張りのある豊かな面と、エッジの利いたシャープなキャラクターラインのコントラストも特徴だ。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のリアエンド
さらに、大径の20インチタイヤとワイドボディを強調する張り出したフェンダーによって、堂々とした佇まいを演出。存在感と安定感を表現している。
躍動感と先進技術が融合したオリジナリティあふれるデザイン
※上図:NX 450h+の後景
NX PHEV(20系)は、次世代レクサスのデザインランゲージ確立に向けた挑戦として、運動性能や機能に寄与するプロポーションに根差した「独自性」と、テクノロジーに根差した「シンプリシティ」の追求を目指した。
※上図:NX 450h+のフロントフェイス
外観では、スピンドルグリルを起点に大きく張り出しながらリアフェンダーへ向かう立体で、「スピンドルアーキテクチャー」を深化させ、リニアな走りを表現している。
※上図:NX 450h+のリアエンド
加えて、フロントフェンダーからキャビンに駆け上がる立体と、リアフェンダーに向かう立体を交差・融合させた造形とすることで、レクサスならではの独自性を追求している。
ラゲッジ容量は2代目NX PHEV(20系)が上回る
5. 室内空間と使い勝手
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は3.5
アウトランダーPHEV(GN系)とNX PHEV(20系)のボディサイズ・室内サイズを比較した。
2代目アウトランダーPHEV(GN系)
- ボディサイズ:全長4,720mm×全幅1,860mm×全高1,750(一部1,745)mm
- ホイールベース:2,705mm
- 室内サイズ(5人乗り):室内長1,920mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mm
- 室内サイズ(7人乗り):室内長2,450mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mm
- 最小回転半径:5.5m
NX PHEV(20系)
- ボディサイズ:全長4,660mm×全幅1,865mm×全高1,660(一部1,675)mm
- ホイールベース:2,690mm
- 室内サイズ:室内長1,805mm×室内幅1,520mm×室内高1,195mm
- 最小回転半径:5.8m
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の運転席
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の2列目シート
両車の全幅はほぼ同じだが、全長は60mm、全高は90mmアウトランダーPHEVのほうが大きい。
また、室内の広さを判断する目安となるホイールベースは、アウトランダーPHEV(GN系)のほうが15mm長い。このサイズを生かし、2代目アウトランダーPHEVでは3列シートをレイアウトできる。
室内の広さを見てみると、アウトランダーPHEVの2列シート仕様車は、室内長1,920mm×室内幅1,520mm×室内高1,220mmとなっている。
※上図:NX 450h+の運転席
※上図:NX 450h+の後席
対してNX PHEVは、室内長1,805mm×室内幅1,520mm×室内高1,195mm。ボディサイズと同様に、室内長と室内高ではアウトランダーPHEVがリードしている。
しかし、ラゲッジスペースの容量を見てみると、5人乗車時のNX PHEVは約520L。対してアウトランダーPHEVは約463~469Lで、NX PHEVが上回っている。
このように、室内スペースはややアウトランダーPHEVが優勢だ。一方、荷室スペースではNX PHEVがリードする結果となった。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の荷室
※上図:NX 450h+の荷室
両車ともに十分な室内スペースを確保しているが、より広さを求めるのならアウトランダーPHEV。荷室スペースを重視するのならNX PHEVということになる。
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)の3列目シート
ただし、アウトランダーPHEVには3列シートをもつグレードがある。3列目シートは広くはないものの、いざというときに便利だ。3列目シートが必要という人にとっては、アウトランダーPHEVがやや優勢になる。
大きな差となったのが、狭い駐車場などで小回り性能の指標となる最小回転半径だ。アウトランダーPHEVは5.5mと、CセグメントのコンパクトSUVに匹敵するレベル。車体は大きいが、取り回しやすい。
一方、NX PHEVの最小回転半径は5.8mとやや大きめ。タイトな道や狭い駐車場での取り回しの良さという点では、アウトランダーPHEVに軍配が上がる。
ドライバー異常時対応システムを搭載するなどNX PHEVが充実
6. 安全装備&運転支援機能の比較
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は3.5
NX PHEV(20系)の評価は4.5
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のメーター
アウトランダーPHEVは、「e-Assist」と呼ばれる9つの運転支援機能パッケージを全車に標準装備。さらに、高速道路での同一車線運転支援機能「マイパイロット」も全車に標準装備している。
コネクテッドサービスの「MITSUBISHI CONNECT(ミツビシコネクト)」も、Mグレードを除いて標準装備している。
※上図:NX 450h+のインパネデザイン
NX PHEVは、交差点衝突回避支援(出会頭車両)を追加したプリクラッシュセーフティをはじめ、7つの機能をパッケージ化した「Lexus Safety System+」を標準装備している。
なかでも注目したいのが、ドライバー異常時対応システムだ。レーンレーシングアシスト(LTA)制御中にドライバーの無操作状態が継続した場合、音や表示、緩減速による警告でドライバーに操作を促す。
※上図:NX 450h+のメーター
それでも操作がない場合は、ハザードやホーン、ストップランプで車内外に異常を報知しながら自車線内で減速・停車。自損・加害事故の回避や事故被害の低減を支援する。
さらに、運転状況に応じてリスクを先読みし、ドライバーの運転操作をサポートするプロアクティブドライビングアシスト(PDA)も採用している。
加えて、高度運転支援技術「Lexus Teammate Advanced Park」を搭載し、安全・安心でスムーズな駐車を支援。スマートフォンからリモート操作で駐車できる機能も搭載している。
「安心降車アシスト(ドアオープン制御付)」も採用。ドアのアンラッチを電子制御で行うeラッチシステムと、後側方の車両などを検知するブラインドスポットモニターセンサーを連動させた安全・安心な降車をサポートしてくれる。
予防安全・運転支援機能では、NX PHEVが優位だ。NX PHEVにあって、アウトランダーPHEVにない主な機能は以下の通りだ。
- プロアクティブドライビングアシスト(PDA)
- ドライバー異常時対応システム
- Advanced Park(リモート機能付)
- e-ラッチシステム(電子制御ドア)
- 安心降車アシスト(ドアオープン制御付)
同じSUVでもキャラクターは大きく異なる
7. 走行性能の比較
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は4.0
NX PHEV(20系)の評価は4.5
アウトランダーPHEVとNX PHEVのパワートレインのスペックは、以下のとおりだ。
アウトランダーPHEV
- 2.4L直4ガソリンエンジン:最高出力131ps、最大トルク195Nm
- フロントモーター:最高出力114ps、最大トルク255Nm
- リアモーター:最高出力134ps、最大トルク195Nm
- システム最高出力:約300ps(非公表)
NX PHEV(20系)
- 2.5L直4DOHCエンジン:最高出力185ps、最大トルク228N・m
- フロントモーター:最高出力182ps、最大トルク270N・m
- リアモーター:最高出力54ps、最大トルク121N・m
- システム最高出力:309ps
アウトランダーPHEVのパワートレインフィール
※上図:アウトランダーPHEV(GN系)のエンジンルーム
アウトランダーPHEVは、大幅改良によってパワーアップしたこともあり、EV走行できる領域が広くなった。一般的な通常走行では、ほとんどエンジンが始動することはない。
ただし、アウトランダーPHEVのシステムにはエンジン直結モードがある。車両が、モーターで走行するよりもエンジンの出力を使ったほうが効率がよいと判断した場合、エンジンの出力で走行するモードだ。主に、中・高速域でエンジン負荷が低いときに作動する。
また、アウトランダーPHEVは大出力のリアモーターを使用している。そのため、加速時には後輪駆動車のように、やや後ろから押されるような加速フィールが魅力だ。
NX PHEVのパワートレインフィール
※上図:NX 450h+のエンジンルーム
パワートレインフィールは、同じNXでもハイブリッド車とはまったく異なる。PHEVなので、とにかくモーターの存在感が強い。
モーターはアクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発揮できる特性もあり、アクセルレスポンスに優れている。グイグイとスムーズに加速する。
NX450h+という車名には、自然吸気4.5Lガソリンエンジン相当のパワーという意味もある。システム出力は309psもあるため、全開加速時の速さは爽快だ。
アウトランダーPHEVよりも少し車重が軽いことも影響し、瞬発力はNX PHEVがやや上回る。
アウトランダーPHEVの乗り心地と静粛性、ハンドリング
アウトランダーPHEVの乗り心地は、しっとり系。硬さはなく、滑るように走る。
さらに、大幅改良によって静粛性がかなり高められているのも特徴だ。よほど注意していないと、エンジンが始動したことにも気が付かないほど静かだ。
この静粛性を生かしているのが、ヤマハと共同開発したオーディオだ。共同開発ということもあり、海外系オーディオメーカーを上回る臨場感のあるサウンドが楽しめる。
ハンドリングは、三菱独自の4WD制御技術「S-AWC」により、大きな車体ながらよく曲がる。
ドライブモードは、ノーマル、エコ、パワー、グラベル、ターマック、スノー、マッドの7つを設定。かなり悪路走行を重視した仕様となっている。ドライブモードによっては、滑りやすい路面でドリフトしながらカーブを抜けるような走りも可能だ。
NX PHEVの乗り心地と静粛性、ハンドリング
NX PHEVは、グレードによって乗り心地が異なる。ラグジュアリー仕様のバージョンLは、しなやかな乗り心地を重視したタイプだ。
Fスポーツは、パフォーマンスダンパーや減衰力可変式のAVS-AIダンパーを装着。やや引き締まったスポーティな乗り心地となっている。
走りを楽しみたいのであれば、操舵に対してリニアで、適度な機敏さをもつFスポーツがおすすめだ。
静粛性は、レクサスブランドということもあり、とても高いレベルにある。エンジンの存在感をほとんど感じないのは、アウトランダーPHEVと同じだ。
ただし、エンジンが高回転域に入ると、存在感をややアピールしてくる。それでも、基本的な静粛性が高いため、それほど耳障りではない。
ブランド力の違い!? 高めのリセールバリューとなったNX
8. リセールバリュー比較
アウトランダーPHEV(GN系)の評価は3.5
NX PHEV(20系)の評価は4.0
※中古車相場は2026年8月調べ
アウトランダーPHEV P
- 中古車相場(2023年式):約350~410万円
- 当時の新車価格比:約61~72%
NX 450h+ Fスポーツ
- 中古車相場(2023年式):約540~640万円
- 当時の新車価格比:約72~85%
2023年式の中古車相場に対する新車価格比は、NX 450h+がアウトランダーPHEVに対して約11~13%高くなっている。中古車相場に対する新車価格比は、リセールバリューの高さに比例する。そのため、リセールバリューではNX PHEVが優位ということになる。
また、両車とも人気SUVだが、ハイブリッド車などと比べるとリセールバリューがやや低めになっている。これには、PHEVに対する補助金が大きく影響している。PHEVには、国からCEV補助金が支給されている。2026年8月現在では、アウトランダーPHEVが84万円、NX PHEVが85万円だ。
リセールバリューは、補助金分を新車価格から差し引いた実質価格をベースに算出される傾向がある。そのため、単純な新車価格比では、やや低めの数値となっている。
実質価格をベースに考えれば、NX PHEVは他のレクサス車と同様に、高めのリセールバリューを維持している。アウトランダーPHEVも、NX PHEVほどではないものの、良好なリセールバリューといえるだろう。
都会派か? アウトドア派か?
9. まとめ
両車をざっくりと分類すると、アウトランダーPHEVは、キャンプやアウトドアスポーツが似合うアウトドア派だ。最低地上高も200mmと十分に確保されており、悪路走破性を高めるドライブモードも豊富に設定されている。
一方、NX PHEVは、レクサスブランドということもあり、都会派のラグジュアリーSUVだ。2024年2月に投入されたアウトドアテイストの「オーバートレイル」を除けば、最低地上高は185mmと必要十分なレベルとなっている。また、ドライブモードもオンロード向けが中心だ。
このように、両車はクルマとしてのキャラクターが明確に異なっている。どちらを選ぶかは、普段どのようにクルマを使いたいかによって変わってくる。より自分の使い方に近いほうを選ぶとよいだろう。
|
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アウトランダーPHEV(GN系) |
NX PHEV(20系) |
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総合得点(40点満点) |
31.0 |
33.0 |
|
1.燃費 |
4.0 |
4.5 |
|
2.価格 |
4.0 |
4.5 |
|
3.購入時の値引きしやすさ |
4.0 |
3.0 |
|
4.デザイン |
4.0 |
4.5 |
|
5.室内空間と使い勝手 |
4.0 |
3.5 |
|
6.安全装備 |
3.5 |
4.5 |
|
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
|
8.リセールバリュー |
3.5 |
4.0 |
三菱アウトランダーPHEV(GN系)新車価格帯
- M 5人乗り:5,369,100円~Pエグゼクティブパッケージ7人乗り:6,791,400円
レクサスNX PHEV(20系)新車価格帯
- 450h+バージョンL:7,495,000円~450h+オーバートレイル:7,725,000円
- レクサスNX450h+Fスポーツ中古車相場(2023年式): 約540万円~640万円
三菱アウトランダーPHEV(GN系)スペック
|
代表グレード |
P エグゼクティブパッケージ 7人乗り |
|
ボディサイズ |
4,720mm×1,860mm×1,750mm |
|
ホイールベース |
2,705mm |
|
最低地上高 |
200mm |
|
車両重量 |
2,180kg |
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エンジン型式 |
4B12 |
|
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
|
総排気量 |
2,359cc |
|
最高出力 |
131ps(98kW)/5,000rpm |
|
最大トルク |
195N・m(19.8kgm)/4,300rpm |
|
燃費(WLTCモード) |
17.2km/L |
|
フロントモーター形式 |
S91 |
|
フロントモーター最高出力 |
114ps(85kW) |
|
フロントモーター最大トルク |
255N・m(26.0kgm) |
|
リアモーター形式 |
YA1 |
|
リアモーター最高出力 |
134ps(100kW) |
|
リアモーター最大トルク |
195N・m(19.8kgm) |
|
駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
|
サスペンション |
前:マクファーソンストラット式 後:マルチリンク式 |
|
タイヤサイズ |
255/45R20 |
|
最小回転半径 |
5.5m |
レクサスNX PHEV(20系)スペック
|
代表グレード |
450h+ Fスポーツ |
|
ボディサイズ |
4,660mm×1,865mm×1,660mm |
|
ホイールベース |
2,690mm |
|
最低地上高 |
185mm |
|
車両重量 |
2,030kg |
|
エンジン型式 |
A25A-FXS |
|
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
|
総排気量 |
2,487cc |
|
最高出力 |
185ps(136kW)/6,000rpm |
|
最大トルク |
228N・m(23.2kgm)/3,600~3,700rpm |
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燃費(WLTCモード) |
19.6km/L |
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フロントモーター型式 |
5NM |
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フロントモーター最高出力 |
182ps(134kW) |
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フロントモーター最大トルク |
270N・m(27.5kgm) |
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リアモーター型式 |
4NM |
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リアモーター最高出力 |
54ps(40kW) |
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リアモーター最大トルク |
121N・m(12.3kgm) |
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駆動方式 |
四輪駆動(4WD) |
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サスペンション |
前:マクファーソンストラット式 後:ダブルウィッシュボーン式 |
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タイヤサイズ 前後 |
235/50R20 |
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最小回転半径 |
5.8m |
