車の窓枠(ウィンドウモール)の劣化補修、交換について整備士が解説

車の窓枠(ウィンドウモール)の劣化補修、交換について整備士が解説

車の窓枠(ウィンドウモール)はゴムでできた部品のため、経年劣化は避けられません。
劣化によって変色したりゴムが硬化することもあり、車種によってはパワーウィドウの動作に支障をきたすものもあります。
この記事では、ウィンドウモールの役割や劣化したらどうなるのか、また交換に必要な費用などについて解説します。

ウィンドウモールの役割

ウィンドウモールの持つ役割をフロント/リヤとサイドに分けて解説します。

フロント/リヤウィンドウモールの役割

フロントガラスとリヤガラスのウィンドウモールは、ガラスの外縁に沿って取り付けられています。素材はゴム製、または樹脂製が採用されています。フロントガラスと接する部分はゴム製となっていることが多いです。
モールにはガラスとボディの隙間を埋めることで、主に風切り音などを低減する役割があります。また、ガラスを衝撃による割れから守る役割もあります。
そのほかの役割として、雨漏れ予防やガラスとボディの隙間に異物が入り込むことを防いだりしています。
フロントウィンドウモール、リヤウィンドウモールがそれぞれ無い車も中にはあります。

サイドウィンドウモールの役割

サイドウィンドウモールの役割も基本フロント/リヤウィンドウモールと同じですが、開閉できるガラスの縁にあるウィンドウモールは、ガラスとモールが密着することで車内に水の侵入を防ぐ役割や、ガラスのガタつきを抑えたり、開閉するガラスがスムーズに動くための役割を持ったりもしています。
素材はゴムや樹脂製となっており、車種によってはメッキ装飾が施されていたり、ピアノブラック化などされていたりと、ドレスアップの意味を合わせ持つものもあります。
サイドウィンドウモールは、開閉しないガラスには備わっていないこともあります。

ウィンドウモールが劣化するとどうなる?

ウィンドウモールが劣化すると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • モールが白化する
  • 風切り音の発生
  • 雨の後の黒ジミの原因になる
  • ボディとガラスの隙間にゴミなどが入り込む
  • ボディとガラスの隙間に水垢などが発生しやすくなる
  • モールが加水分離してボロボロになる
  • ガラスの開閉時に異音がする(キュー音)
  • 車内に水が侵入する
  • 錆びの原因になる

特に気になることは、モールの白化や劣化によって黒い汚れが付着するといった見映えに関する問題でしょう。車の機能面で大きな問題になることは、余程のことがない限りはありません。

劣化した車の窓枠のゴムの復活のさせ方

見映えが気になり出したウィンドウモール(窓枠のゴム)の白化による見た目のヤレ感を復活させる方法を解説します。

市販の艶出し剤を使う

カー用品店やホームセンターなどで販売されている、ゴムモール専用のコート剤・艶出し剤を使うことでウィンドウモールの見た目を復活させることができます。

劣化したウィンドウモールを復活させるための手順

市販の艶出し剤やコート剤を使うときの大まかな手順は以下のとおりです。

  1. 洗車をして埃や汚れを洗い流す
  2. 水分を乾燥させる
  3. ガラスなどほかの部分にコート剤が付着しないようにマスキングテープなどを使って養生する
  4. コート剤を塗布する
おすすめのゴムモール専用のコート剤

こちらの商品は未塗装部品の中でも、窓枠などのゴムモール専用となっており、手軽に使えるコート剤です。
ゴムモールの黒い艶感を取り戻すだけではなく、UV吸収剤が配合されていることから劣化防止の効果もあります。
ウィンドウモールが劣化していなくても、数ヶ月〜半年ごとに定期的に施工することで、モールの劣化を抑制することができます。

シリコンスプレーを使う

専用品でなくともシリコンスプレーが手元にあれば、代用することができます。
ウィンドウモールの白化の原因はいくつかありますが、主な原因は紫外線による退色です。この見た目を復活させる方法は、元々あった黒い艶感を出せば良いので、そのために艶出し効果のあるシリコンスプレーが有効です。
ほかの部分にハミ出さないようにマスキングテープなどで養生をして、スプレーしてみましょう。
ただし、専用品ではないためあくまで効果は一時的で持続性はあまり期待できません。

メラミンスポンジを使う

身近なものを使う例として、メラミンスポンジを使ってウィンドウモール表面の研磨をする方法もあります。
上記で紹介した復活させる方法と同じく、モールに近接する部分はマスキングテープで養生したうえで、水をメラミンスポンジに含ませてモールを磨きます。
あくまで研磨しているので、磨き過ぎると余計にモールを痛めてしまい、取り返しのつかないことになりかねないので、慎重に作業をおこなう必要があります。
磨いた後は持続性を持たせるためにも、ゴムモール専用のコート剤を併用することをおすすめします。

ウィンドウモールの交換・補修にかかる費用の目安

ウィンドウモールを復活させることが難しい、そもそもボロボロになって劣化が進んでいる場合には、該当箇所の部品の交換をしなければきれいな状態に戻すことはできません。

ウィンドウモールの交換にかかる費用はフロントの場合で3万円~5万円、リヤ・サイドの場合で5千円~3万円が目安です。ただし、脱着やエーミングが必要な場合があるのでそれぞれについて解説します。

フロントのウィンドウモールの交換費用

フロントのウィンドウモールを交換する場合、ガラスの脱着を伴うケースがほとんどになってきます。
モールの部品代と工賃を合わせた交換費用は3〜5万円ほどです。
ただし、車種によって費用は大きく前後する可能性があるので、正確な見積もりは整備工場に問い合わせて出してもらうことをおすすめします。
また、フロントガラスに自動ブレーキなどに使われているカメラが装備されている車だと、フロントガラスを脱着した場合にカメラのエーミング調整が必要となるケースがあります。エーミングにかかる費用は、これも車種や整備工場の設備などによって異なりますが、追加で1.5万円〜ほどかかります。

リヤ・サイドのウィンドウモール交換費用

リヤ・サイドのウィンドウモールを交換する場合、ウィンドウモールだけを脱着して交換できるケースや、内装部品やガラスの脱着を伴うケースもあるので、特に工賃の面で費用が大きく異なります。
以下は、1パネル(ドア1枚分)あたりの部品代も含めた交換費用の目安です。

  • ウィンドウモールのみを脱着する…5,000円〜1.5万円
  • 内装部品やガラスの脱着を伴う…1万円〜3万円

フロントガラスのモール交換と同じく、車種によって費用が大きく異なることが考えられるので、正確な見積もりは整備工場に問い合わせて確認するようにしましょう。

整備士のまとめ

ウィンドウモールの劣化はどんな車でもかならず発生します。
洗車しているときにその劣化が目に留まり、それ以降気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
樹脂部品やゴムモールの劣化や白化が目立つと、一気に車がヤレて見えてしまいます。
メンテナンスをして艶感を復活させてあげることで雰囲気は改善しますが、今後も長く今の車に乗り続けるつもりであれば、思いきって部品を交換してリフレッシュしてみるのも良いでしょう。

Supervised by 整備士 ヒロ

ヒロ 2級整備士

保有資格:2級整備士。国産ディーラー整備士、輸入車ディーラー整備士の経験がある、現役の整備士。 整備士経験は10年以上で過去にはエンジニアとして全国規模のサービス技術大会に出場。 車の整備に関する情報をtwitterで発信している。