物価が高騰している昨今、ランニングコスト(燃料費)を抑えられるハイブリッド車の人気が高まっている。その代表格ともいえるコンパクトカーが、トヨタ アクア(MX系)だ。一方で、物価高騰の影響は新車価格にも及んでいる。アクア(MX系)の上級グレードは280万円を超える価格となり、コンパクトカーとしては高価な部類に入る。そこで注目したいのが、同じトヨタのハイブリッド車で、1クラス上のボディサイズを持つカローラスポーツ(210系)だ。中古車であれば、新車のアクア(MX系)と同程度の予算で購入できる車両も増えてきている。
今回は、新車のアクア(MX系)と中古車のカローラスポーツ(210系)を、燃費性能や価格、機能、デザインの観点から徹底比較する。アクアはハイブリッド専用車であるため、カローラスポーツについてもハイブリッド車を中心に解説する。
*アクア、カローラスポーツ共に画像はマイナーチェンジ前のもの
アクア(MX系)がお勧めな人
- とにかく、燃費性能を重視
- ハンマーヘッドデザインのフェイスが好き
- 最新コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオで楽しみたい
カローラスポーツ(210系)がお勧めな人
- 実用性だけでなく、走る楽しさも欲しい
- 同じ価格なら、より室内が広いクルマがよい
- なるべく燃費性能が良いことも重要
- アクアは「バイポーラ型駆動用バッテリー搭載」で質の高い走りを実現
- カローラスポーツは中古車なら3種類のパワートレインから選択できる
- 排気量とボディサイズに差あり。燃費は1.5Lハイブリッドのアクアが圧勝!
- アクアの新車価格以下で、高年式のハイブリッド車上級グレードが狙えるカローラスポーツは魅力的
- 人気コンパクトカーゆえに、アクアの新車値引きは厳しめか?
- 両車、スポーティなデザインを採用
- アクアのパッケージング技術は秀逸だが、ボディサイズが大きいカローラスポーツが優位
- 「Toyota Safety Sense」は、ほぼ互角。しかし、高度な運転支援機能をもつアクアがリード
- 走行安定性ではワイドボディのカローラスポーツが優位
- リセールバリューは両車とも高水準。長期的な安定感ではアクアが優勢
- まとめ
- アクア(MX系)の価格帯とスペック
- カローラスポーツ(210系)価格帯とスペック
アクアは「バイポーラ型駆動用バッテリー搭載」で質の高い走りを実現
2代目トヨタ アクア(MX系)の特徴
※上図:MX系アクアの全景
2021年7月に登場した2代目トヨタ アクア(MX系)は、ハイブリッド専用のコンパクトカーだ。コンパクトカーのベストセラーモデルであるヤリスと同じTNGA GA-Bプラットフォームを採用している。5ナンバーサイズのボディを維持しながら、ホイールベースは2,600mmと先代より50mm延長された。これにより、後席の居住性は大幅に改善されている。
アクア(MX系)のハイブリッドシステムは、最高出力91ps、最大トルク120Nmを発生する1.5L直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせたものだ。システム用バッテリーには、世界初採用となる「バイポーラ型ニッケル水素電池」を採用している。
駆動方式は、先代が2WD(FF)のみだったのに対し、現行モデルではE-Fourと呼ばれる電気式4WDを設定した。燃費性能はWLTCモードで30.0~34.3km/Lを実現しており、クラストップレベルの低燃費性能を誇る。
2025年9月の一部改良では、アクアブランドの「先進・上質」なイメージをさらに高めるため、フロントデザインをハンマーヘッドをモチーフとしたデザインへ刷新した。あわせて基本性能を向上させたほか、最新の安全装備やマルチメディアシステムも採用している。
カローラスポーツは中古車なら3種類のパワートレインから選択できる
トヨタ カローラスポーツ(210系)の特徴
※上図:210系カローラスポーツの全景
カローラスポーツ(210系)は、2018年6月に新世代ベーシックカーとして登場した。最大の特徴は、全車に搭載された車載通信機による「コネクテッド」と、クルマ本来の走る楽しさを融合させた、新しいモビリティライフを提案している点だ。
カローラスポーツ(210系)は、TNGAのGA-Cプラットフォームを採用することで、低重心かつワイドなスポーティシルエットを実現した。トレッドを拡大し、タイヤを車体の四隅に配置することで、安定感のあるスタイリングに仕上げられている。また、サスペンションはフロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用し、走行性能と乗り心地を高いレベルで両立している。
現在販売されているカローラスポーツ(210系)のパワートレインは、1.8Lエンジン+モーターを組み合わせたハイブリッドシステムのみだ。一方、中古車では、デビュー時に設定された1.2Lターボや、モデル途中で追加された2.0Lガソリンエンジン搭載車も選択できる。1.2Lターボ車には6速MTも設定されていた。なお、4WDは前期型の1.2Lターボ車のみに設定され、それ以外のパワートレインは2WDのみとなる。
先進運転支援システムは、2022年10月の改良で第2世代へ進化した予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備した。従来の機能に加え、夜間の歩行者や昼間の自転車運転者の検知にも対応している。
また、全車に車載通信機(DCM)を搭載し、遠隔で走行アドバイスや車両診断を受けられる「eケアサービス」や、「LINEマイカーアカウント」などのコネクテッドサービスも利用可能だ。
排気量とボディサイズに差あり。燃費は1.5Lハイブリッドのアクアが圧勝!
1.燃費性能
アクア(MX系)の評価は5.0
カローラスポーツ(210系)の評価は4.5
アクア(MX系)とカローラスポーツ(210系)の燃費は下記の通り(WLTCモード)。
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2WD |
4WD |
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アクア 1.5Lハイブリッド |
33.6~34.3km/L |
30.0km/L |
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カローラスポーツ |
27.2~30.0km/L |
― |
アクアのハイブリッドシステムは、カローラスポーツ(210系)より排気量が300cc小さい。さらに、ボディサイズは全長だけでも295mm短く、車重も約250kg軽い。そのため、当然ではあるが、カローラスポーツ(210系)の燃費性能はアクアに及ばず、燃費値は約81~87%の水準となる。
燃費性能だけで比較すれば、アクアが大きく優位だ。そのため、室内空間よりも燃費性能を最優先するのであれば、アクアがおすすめといえる。
一方、カローラスポーツ(210系)も、このクラスではトップレベルの燃費性能を備えている。室内空間の広さや走行性能と燃費性能のバランスを重視するのであれば、カローラスポーツ(210系)は有力な選択肢となる。
アクアの新車価格以下で、高年式のハイブリッド車上級グレードが狙えるカローラスポーツは魅力的
2.価格比較
アクア(MX系)の評価は3.5
カローラスポーツ(210系)の評価は4.0
※中古車相場は、2026年6月調べ
アクアとカローラスポーツ(210系)の最量販グレードの新車価格と中古車相場を比較したのが下記の表だ。
- アクア5Z 2WD:282万4800円
- 中古車カローラスポーツ(210系)ハイブリッドG“Z” 2WD中古車相場(2023年式):約230万円~280万円
カローラスポーツ(210系)の上級グレードであるハイブリッドG“Z”は、中古車の高いコストパフォーマンスが魅力だ。2022年10月の大幅改良後モデルであれば、Bi-Beam LEDヘッドランプをはじめ、運転席・助手席シートヒーター、LEDフロントフォグランプ、8インチディスプレイオーディオなどが標準装備されている。
一方、アクア(MX系)のZグレードも装備は充実している。Bi-Beam LEDヘッドランプやETCユニット、10.5インチディスプレイオーディオなどを標準装備しており、標準装備の違いとしては、運転席・助手席シートヒーターの有無が大きな差といえる。
ただし、アクア(MX系)1.5Zの新車価格は約282万円だ。一方、中古車のカローラスポーツ(210系)は、2023年式の高年式・最上級グレード「ハイブリッドG“Z”」でも、中古車相場は約230万~280万円となっている。
中古車価格が250万円以下の車両であれば、1クラス上のカローラスポーツ(210系)を購入でき、さらに予算を抑えることも可能だ。コストパフォーマンスで比較すると、カローラスポーツ(210系)がやや優勢といえる。
人気コンパクトカーゆえに、アクアの新車値引きは厳しめか?
3.購入時の値引き術
アクア(MX系)の評価は3.0
カローラスポーツ(210系)の評価は3.0
アクア(MX系)は、2025年9月にフロントフェイスのデザインを刷新するなど、大幅なマイナーチェンジを実施した。その後は人気がさらに高まり、新車の値引きは厳しい状況が続いている。加えて納期も長く、販売店は比較的強気な商談姿勢となっているため、10万円前後の値引きを引き出せれば十分といえるだろう。
一方で、何も交渉しなければ値引きはほぼゼロで、数千円程度の端数調整のみで終わるケースも珍しくない。値引きを引き出すには、ライバル車であるホンダ フィットや日産 ノートの見積もりを事前に取得してから商談に臨みたい。「価格次第ではアクアも候補」という姿勢を見せることで、販売店側も他車からの乗り換えを意識し、より積極的な条件を提示しやすくなる。
見積もりで注意したいのが、下取り車の査定額だ。たとえ10万円の値引きを獲得しても、下取り価格が10万円低ければ、実質的なメリットはなくなってしまう。値引き分を下取り価格で調整するケースもあるため注意が必要だ。ディーラーで査定を受けた後は買取専門店でも査定してもらい、愛車の適正な買取価格を把握したうえで、最も条件のよい業者へ売却したい。
一方、カローラスポーツ(210系)は中古車のため、基本的に車両本体価格の値引きは期待しないほうがよい。もし大幅な値引きを提示された場合は、「早期に売却したい事情があるのではないか」と、その理由を確認しておくと安心だ。
また、中古車販売店では、下取り車の売却と中古車の購入を同じ店舗で行うことで、実質的な負担額を抑えられるケースもある。車両価格の値引きが難しい分、下取り価格を上乗せしてもらえる可能性があるため、中古車選びでも下取り車の査定は重要なポイントとなる。
両車、スポーティなデザインを採用
4.デザイン比較
アクア(MX系)の評価は4.5
カローラスポーツ(210系)の評価は4.0
アクア:一部改良でトヨタ車のアイコンであるハンマーヘッドのフロントマスクを採用
※上図:MX系アクアの後景
アクア(MX系)は、「Harmo-tech(知性・感性を刺激し、人に寄り添う先進性)」をコンセプトに開発された。コンパクトカーでありながら、上質さやシンプルさ、クラスレスな存在感を追求したデザインが特徴だ。前後に伸びやかなモノフォルムシルエットのキャビンと、左右へ張り出したリアフェンダーを組み合わせることで、アクアらしいスマートさとエモーショナルな躍動感を表現している。
※上図:MX系アクアのフロントフェイス
フロントフェイスは、当初、シャープなヘッドランプシグネチャーと立体的なグリルによって精悍さと親しみやすさを演出していた。2025年9月の一部改良では、トヨタ車のデザインアイコンである「ハンマーヘッド」をモチーフとしたフロントデザインへ刷新され、よりシャープでスポーティな印象を強めている。
※上図:MX系アクアのリヤエンド
サイドビューは、フロントフェンダーからルーフを経てリアハッチまでがひとつの大きな塊に見えるモノフォルムシルエットを採用し、シンプルかつスマートな印象を演出している。さらに、後方に向かって絞り込まれたキャビンと張り出したリアフェンダーのコントラストにより、クラスを超えた安定感のあるスタンスを表現している。
カローラスポーツ:ロー&ワイドなフォルムでスポーティさを強調
※上図:210系カローラスポーツの後景
カローラスポーツ(210系)は、TNGAのGA-Cプラットフォームを採用することで、低重心かつワイドなスポーティシルエットを実現している。トレッドを拡大し、タイヤを車体の四隅に配置することで、安定感のあるスタイリングに仕上げられているのが特徴だ。
※上図:210系カローラスポーツのフロントフェイス
フロントは、低く抑えたフードと、アッパーグリルから連続する切れ長のヘッドランプによって、ワイド&ローなプロポーションを強調している。サイドからリアにかけては、ダイナミックな造形により躍動感あふれるスタイルを表現している。
※上図:210系カローラスポーツのリヤエンド
リアには、ヘッドランプと統一感のある切れ長でシャープなリアコンビネーションランプを採用。精悍でスポーティなリアビューを印象づけている。
アクア(MX系)、カローラスポーツ(210系)ともに、精悍でスポーティなデザインが魅力だ。一方で、カローラスポーツ(210系)は2018年に登場したモデルということもあり、最新モデルと比較するとデザインにやや年代を感じる場面もある。この点は購入前に確認しておきたいポイントといえる。
アクアのパッケージング技術は秀逸だが、ボディサイズが大きいカローラスポーツが優位
5.室内空間と使い勝手
アクア(MX系)の評価は4.0
カローラスポーツ(210系)の評価は4.5
アクアとカローラスポーツのボディサイズ・室内サイズを比較した。
アクア
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ボディサイズ |
全長4,080mm×全幅1,695mm×全高1,485mm |
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ホイールベース |
2,600mm |
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室内サイズ |
室内長1,830mm×室内幅1,425mm×室内高1,190mm |
カローラスポーツ(210系)
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ボディサイズ |
全長4,375mm×全幅1,790mm×全高1,460mm |
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ホイールベース |
2,640mm |
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室内サイズ |
室内長1,795mm×室内幅1,510mm×室内高1,155mm |
アクア(MX系)とカローラスポーツ(210系)は、ともに5ドアハッチバックだが、ボディサイズの違いからクラスが異なる。アクアはBセグメント、カローラスポーツはCセグメントに属する。
※上図:MX系アクアの運転席
※上図:MX系アクアの後席
ボディサイズを比較すると、全高はアクア(MX系)の方が高い。一方、全長はカローラスポーツ(210系)が295mm長く、全幅も約95mm広い。このサイズの違いは、室内空間やラゲッジルームの広さに大きく影響している。
※上図:210系カローラスポーツの後席
カタログ上では室内長はアクア(MX系)の方が長いものの、実際の後席居住性はボディサイズに余裕のあるカローラスポーツ(210系)が優勢だ。後席に人を乗せる機会が多いのであれば、カローラスポーツ(210系)の方が快適性は高いだろう。
※上図:MX系アクアの荷室
※上図:210系カローラスポーツの荷室
ラゲッジルーム容量も、アクア(MX系)が205~291Lであるのに対し、カローラスポーツ(210系)は352Lと大きな差がある。アクアは荷室開口部を低く設計し、デッキボードを上下に調整することで荷室容量を拡大できるなど、使い勝手にも配慮されている。
アクア(MX系)はBセグメントのコンパクトカーとしては、室内空間と荷室容量に優れたモデルだ。しかし、ボディサイズで勝るカローラスポーツ(210系)には及ばない。後席の居住性や荷室の積載性を重視するのであれば、カローラスポーツ(210系)が有力な選択肢となる。
狭い道や駐車場での取り回しは、ボディサイズの大きいカローラスポーツ(210系)が不利と思われがちだ。しかし、最小回転半径を比較すると、一部グレードではカローラスポーツ(210系)の方が小回り性能に優れている。
- アクア(MX系):2m
- カローラスポーツ(210系)G“Z”グレード:3m
- カローラスポーツ(210系)G/G“X”グレード:1m
18インチホイールを装着するG“Z”グレードは最小回転半径が5.3mとなり、アクア(MX系)よりやや大きい。一方、16インチホイールを装着するG/G“X”グレードは5.1mとなり、アクア(MX系)より小回りが利く。
もっとも、この結果はカローラスポーツ(210系)が特別に優れているというより、アクア(MX系)の最小回転半径がBセグメントのコンパクトカーとしてはやや大きめであることも影響している。Bセグメントのコンパクトカーでは、最小回転半径は4.9m前後が一般的だ。
「Toyota Safety Sense」は、ほぼ互角。しかし、高度な運転支援機能をもつアクアがリード
6.安全装備&運転支援機能の比較
アクア(MX系)の評価は4.5
カローラスポーツ(210系)の評価は4.0
※上図:MX系アクアのインパネデザイン
※上図:MX系アクアのメーター
アクア(MX系)とカローラスポーツ(210系)は、ともに予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備している。カローラスポーツ(210系)であれば、2022年10月の一部改良後モデル以降は機能が大幅に向上しており、アクア(MX系)と比較しても大きな差はない。一方、2022年10月の改良前モデルは、安全装備の内容がやや見劣りする。
両車とも、自動ブレーキは右左折時の対向歩行者や自転車の検知に対応しており、衝突回避や被害軽減をサポートする。検知性能は高く、予防安全性能はどちらも高いレベルにある。
※上図:210系カローラスポーツのインパネデザイン
※上図:210系カローラスポーツのメーター
差があるのは、高度運転支援システム「Toyota Teammate」の設定だ。アクア(MX系)は最上級グレード「Z」に、約8万1,400円のメーカーオプションで、ほぼ自動で駐車できる「Toyota Teammate アドバンスト パーク」を設定している。一方、カローラスポーツ(210系)には、この機能は用意されていない。
そのため、基本的な予防安全性能はほぼ互角だが、高度な運転支援機能の充実度ではアクア(MX系)がややリードしているといえる。
ただし、中古車を購入する際は注意が必要だ。アクア(MX系)、カローラスポーツ(210系)ともに、グレードや年式によっては予防安全装備や運転支援機能がオプション設定となっている車両もある。中古車は装備内容が車両ごとに異なるため、購入前に希望する安全装備が備わっているかを必ず確認したい。
走行安定性ではワイドボディのカローラスポーツが優位
7.走行性能の比較
アクア(MX系)の評価は4.0
カローラスポーツ(210系)の評価は4.5
アクアのパワートレイン、スペックは以下のとおり。
- 5L直3DOHCエンジン:最高出力91ps、最大トルク120N・m
- システム最高出力:116㎰
カローラスポーツのパワートレイン、スペックは以下のとおり(2022年10月改良後)。
- 8L直4DOHCエンジン:最高出力98ps、最大トルク142N・m
- システム最高出力:140㎰
両車ともハイブリッド車だが、排気量やシステム出力に違いがある。
アクアとカローラスポーツのパワートレイン性能
アクア:モーターの力強さを活かした軽快な走りが魅力
※上図:MX系アクアのエンジンルーム
アクア(MX系)の車重は1,120~1,140kgと軽量で、システム最高出力116psでも十分な加速性能を発揮する。
また、駆動用バッテリーには一般的なリチウムイオン電池ではなく、「バイポーラ型ニッケル水素電池」を採用している。このバッテリーは従来のニッケル水素電池より充放電性能に優れ、先代モデルよりEV走行領域を大幅に拡大した。
さらに、モーターのトルクを素早く立ち上げられるため、低・中速域では力強くスムーズな加速を実現している。特に市街地では、モーターを生かしたキビキビとした走りが魅力だ。
カローラスポーツ:2022年10月の改良で走行性能が大きく進化
※上図:210系カローラスポーツのエンジンルーム
カローラスポーツ(210系)は、2022年10月の一部改良を境に走行性能が大きく向上している。
改良前のシステム最高出力は122psだったが、改良後は140psへ向上し、18psの出力アップを実現した。数値以上に体感性能の向上は大きく、モーターのトルクが大幅に強化されたことで、より力強く滑らかな加速が味わえる。
また、モーターのみで走行できる領域も広がり、実燃費の向上にも貢献している。中古車でカローラスポーツ(210系)を選ぶのであれば、予算に余裕があれば2022年10月の改良後モデルを選びたい。
アクアとカローラスポーツの乗心地/ハンドリング
アクア:高い静粛性と快適な乗り心地が魅力
アクア(MX系)は、市街地でモーターのみで走行できる場面が多く、エンジンの始動頻度が少ない。そのため静粛性は非常に高く、状況によってはロードノイズの方が気になるほどだ。
高速道路ではエンジンが始動する機会は増えるものの、不快なノイズは少なく、高い静粛性を維持している。急加速時などにエンジンを高回転まで回すとやや音が大きくなるが、そのような場面はそれほど多くない。
乗り心地は、市街地での快適性を重視したややソフトなセッティングだ。高速道路では、やや物足りなさを感じる場面もあるが、大きな不満につながるほどではない。
カローラスポーツ:スポーティな走りと快適性を両立
カローラスポーツ(210系)も、アクア(MX系)と同様にモーター走行できる領域が広く、静粛性は高いレベルにある。
その名のとおりスポーティな走りが特徴で、やや引き締められたサスペンションにより、ステアリング操作に対してリニアに反応する。コーナーでは軽快に向きを変え、気持ちのよいハンドリングを味わえる。
リアサスペンションにはダブルウィッシュボーン式を採用しており、路面追従性に優れるだけでなく、乗り心地の向上にも貢献している。
また、メーカーオプションのAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)装着車は、走行状況に応じてダンパーの減衰力を自動制御し、乗り心地と操縦安定性を高いレベルで両立する。装着車を見つけたら積極的に検討したい装備だ。
実用性を重視するならアクア、走る楽しさも求めるならカローラスポーツ
走りのキャラクターは、アクア(MX系)とカローラスポーツ(210系)で大きく異なる。
アクア(MX系)は、市街地での快適性や低燃費を重視したモデルだ。毎日の通勤や買い物など、実用車として使うのであれば十分満足できる性能を備えている。
一方、カローラスポーツ(210系)は、実用性に加えて走る楽しさも追求したモデルだ。軽快なハンドリングや高速道路での安定感を重視するのであれば、カローラスポーツ(210系)が適している。
街乗りを中心に経済性を最優先するならアクア(MX系)、実用性と走行性能をバランスよく求めるならカローラスポーツ(210系)がおすすめだ。
リセールバリューは両車とも高水準。長期的な安定感ではアクアが優勢
8. リセールバリュー比較
アクア(MX系)の評価は4.5
カローラスポーツ(210系)の評価は4.0
*中古車相場は2026年6月調べ
アクアとカローラスポーツの中古車相場と、当時の新車価格比は以下のとおりだ。
アクア(MX系)Z(2WD)
- 中古車相場2023年式:約180~230万円
- 当時の新車価格比:約75~96%
カローラスポーツ(210系)ハイブリッドG“Z” (2WD)
- 中古車相場2023年式:約230万円~280万円
- 当時の新車価格比:約82~97%
アクア(MX系)は非常に人気の高いモデルであり、中古車相場は約180万~230万円と高値を維持している。中古車相場は当時の新車価格の約75~96%に相当し、高いリセールバリューを誇る。Bセグメントのコンパクトカーとしても高水準で、短期間から中期間で乗り換える場合は、ライバル車と比べて経済的なメリットが期待できる。
また、トヨタ車は総じてリセールバリューが高い傾向にあるため、アクア(MX系)も今後大きく価値が下落する可能性は比較的低い。資産価値を重視して新車を購入したいユーザーにとって、有力な選択肢といえる。
一方、中古車のアクア(MX系)は、リセールバリューの高さが中古車価格にも反映されているため、お買い得感という点ではやや悩ましい。しかし、中古車価格が高くても、短期間で乗り換える場合は高いリセールバリューが期待できるため、結果的に大きな損失にはつながりにくいだろう。
カローラスポーツ(210系)は、SUV人気が続く中で5ドアハッチバックというカテゴリーながら、中古車相場は高い水準を維持している。トヨタのハイブリッド車らしく、リセールバリューの高さが魅力だ。
中古車相場は当時の新車価格の約82~97%に達しており、人気SUVに匹敵する高いリセールバリューとなっている。
ただし、今後のリセールバリューには注意が必要だ。カローラスポーツ(210系)は2018年のデビューから年数が経過しており、フルモデルチェンジが実施されても不思議ではない時期に入っている。フルモデルチェンジの情報が公表されると、中古車相場やリセールバリューが一時的に下落する可能性があるためだ。売却を予定している場合は、タイミングも意識することをお勧めする。
長期的に安定したリセールバリューを重視するのであればアクア(MX系)が優勢だ。一方、カローラスポーツ(210系)は高いリセールバリューを維持しているものの、モデルサイクルを考慮すると、今後は相場が変動する可能性も視野に入れておきたい。
まとめ
アクア(MX系)とカローラスポーツ(210系)は、ともに5ドアハッチバックのハイブリッド車だ。しかし、ボディサイズ以外にも両車には明確な違いがある。それは、クルマづくりのコンセプトと使い方だ。
アクア(MX系)は、街中での快適な移動や優れた燃費性能を重視したモデルである。走る楽しさという点では控えめだが、日常の移動を快適かつ経済的にこなす実用車としての完成度を高めている。
一方、カローラスポーツ(210系)は、その名のとおりスポーティな走りも楽しめることを重視している。アクア(MX系)よりひと回り大きなボディを生かし、実用性や快適性を確保しながら、走る楽しさも両立しているのが特徴だ。
ボディサイズに制約がなく、カローラスポーツ(210系)のデザインや走行性能に魅力を感じるのであれば、幅広いシーンで高い実用性と走る楽しさを味わえるカローラスポーツ(210系)が有力な選択肢となる。
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アクア(MX系) |
カローラスポーツ(210系) |
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総合得点(40点満点) |
33.0 |
32.5 |
|
1.燃費 |
5.0 |
4.5 |
|
2.価格 |
3.5 |
4.0 |
|
3.購入時の値引きしやすさ |
3.0 |
3.0 |
|
4.デザイン |
4.5 |
4.0 |
|
5.室内空間と使い勝手 |
4.0 |
4.5 |
|
6.安全装備 |
4.5 |
4.0 |
|
7.走行性能 |
4.0 |
4.5 |
|
8.リセールバリュー |
4.5 |
4.0 |
アクア(MX系)の価格帯とスペック
- 248万6000円(X 2WD)~302万2800円(Z 4WD)
|
代表グレード |
Z 2WD |
|
全長×全幅×全高 |
4,080mm×1,695mm×1,485mm |
|
ホイールベース |
2,600mm |
|
最低地上高 |
140mm |
|
車両重量 |
1,140kg |
|
エンジン型式 |
M15A-FXE |
|
エンジンタイプ |
直列3気筒DOHC |
|
総排気量 |
1,490cc |
|
最高出力 |
91ps(67kW)/5,500rpm |
|
最大トルク |
120N・m(12.2kgm)/3,800~4,800rpm |
|
フロントモーター型式 |
1NM |
|
フロントモーター最高出力 |
80ps(59kW) |
|
フロントモーター最大トルク |
141N・m(14.4kgm) |
|
燃費(WLTCモード) |
33.6km/L |
|
駆動方式 |
前輪駆動(2WD) |
|
トランスミッション |
CVT |
|
サスペンション型式 |
前:マクファーソン式 後:トーションビーム式 |
|
タイヤサイズ 前後 |
185/65R15 |
|
最小回転半径 |
5.2m |
カローラスポーツ(210系)価格帯とスペック
- 248万1600円(ハイブリッドG“X” 2WD)~317万200円(G“Z” 2WD)
|
代表グレード |
G “Z” 2WD |
|
全長×全幅×全高 |
4,375mm×1,790mm×1,460mm |
|
ホイールベース |
2,640mm |
|
最低地上高 |
135mm |
|
車両重量 |
1,390kg |
|
エンジン型式 |
2ZR-FXE |
|
エンジンタイプ |
直列4気筒DOHC |
|
総排気量 |
1,797cc |
|
最高出力 |
98ps(72kW)/5,200rpm |
|
最大トルク |
142N・m(14.5kgm)/3,600rpm |
|
フロントモーター型式 |
1VM |
|
フロントモーター最高出力 |
95ps(70kW) |
|
フロントモーター最大トルク |
185N・m(18.9kgm) |
|
駆動方式 |
前輪駆動(2WD) |
|
トランスミッション |
CVT |
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サスペンション型式 |
前:マクファーソンストラット式 後:ダブルウィッシュボーン式 |
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タイヤサイズ 前後 |
225/40R18 |
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最小回転半径 |
5.3m |
