ノア/ヴォクシー(90系)vsデリカD:5(CV系)徹底比較!中古車なら1サイズ大きなミニバンも買える!

ノア/ヴォクシー(90系)vsデリカD:5(CV系)徹底比較!中古車なら1サイズ大きなミニバンも買える!

新車の90系ノア/ヴォクシーと、中古のCV系三菱デリカD:5が同等レベルの価格帯になっている。

90系ノア/ヴォクシーは、Mクラスミニバンとして相変わらず圧倒的な人気を誇っている。2022年1月のフルモデルチェンジでプラットフォームや1.8Lハイブリッドシステムが刷新され、劇的進化を果たした。

対する三菱デリカD:5のボディサイズは、90系ノア/ヴォクシーより1クラス上だ。ミニバンとSUVをクロスオーバーさせたモデルで、古くからミニバンカテゴリーで唯一無二の存在と言える。堅調な販売を続けるロングセラーモデルだ。

今回は、そんな人気もモデルである90系ノア/ヴォクシーと個性派CV系デリカD:5の中古車を燃費性能、価格、機能、デザインなど徹底比較した。

ノアヴォクはモデルチェンジで隙がなくなったベストセラーミニバン

トヨタ 90系 ノア/ヴォクシーの特徴

90系ヴォクシー(4代目)の全景の車両画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の全景

4代目にあたる90系ノア/ヴォクシーは2022年1月に登場した。

90系ノア/ヴォクシーのポイントを3点にまとめた。

  1. ミニバンならではの優れた「パッケージング」に加え、「使い勝手の良さ」を深化
  2. 最新の先進運転支援装備を採用(トヨタセーフティセンス・トヨタチームメイト)
  3. 燃費や動的性能に磨きをかけた(新世代ハイブリッドシステムを採用)

90系トヨタノア/ヴォクシーに搭載されているパワートレインは2種類だ。

  • 2.0L直列4気筒ダイナミックフォースエンジン+CVT(高い熱効率を実現)
  • 1.8L直列4気筒エンジンを採用した新世代ハイブリッドシステム(すべての電動モジュールを刷新)

WLTCモードの燃費性能は、ガソリン車が14.3~15.1km/L。ハイブリッド車は22.0~23.4km/Lだ。

 

90系ノア/ヴォクシーは、「トヨタセーフティセンス」を全車標準装備している。先進機能を付与し、機能が向上した最新の予防安全パッケージだ。

さらに高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の新機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」、「アドバンストパーク(リモート機能付)」も設定している。

高精細HDワイドディスプレイに搭載したディスプレイオーディオは、「コネクティッドナヴィ」に対応。そしてクルマがWi-Fiスポットとなる「車内Wi-Fi」を初採用するなど、安心・便利なコネクティッドサービスが提供されている。

 

尚、ヴォクシーとノアは姉妹車関係にあるので、メカニズムなどは共通だ。大きく異なるのは外観デザインのみと言っても過言ではない。

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デリカD:5はミニバンにSUVの高い悪路走破性をプラスした個性派モデル

CV系デリカD:5の特徴

CV系デリカD:5の全景の車両画像

※上図:CV系デリカD:5の全景

三菱デリカD:5は、2007年1月に登場した個性派ミニバンだ。ボディ構造には、乗員をしっかり守る環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を用いた。歴代「デリカ」伝統の十分なグランドクリアランスを持つスクエアなボディを大径タイヤで支える、独創的なフォルムを持つ。SUV に匹敵する優れた悪路走破性は魅力のひとつだ。

2019年にビッグマイナーチェンジを行って以降搭載しているパワートレインは、2.2L直4ディーゼルターボエンジン+8速ATだ(最高出力145ps、最大トルク380Nm)。駆動方式は4WDのみ。4WDシステムは、電子制御カップリングによって2WD、4WDオート、4WDロックという3種類の駆動モードを任意に選べる。さらに、AWCという三菱独自の4WD制御システムで、意のままに走りが楽しめるのと同時に、優れた悪路走破性を実現した。

 

運転支援システムは、予防安全技術「eアシスト」を採用した。以下を含む運転支援システムや、誤発進抑制機能(前進時)などを搭載している。

  • 衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]
  • 車線逸脱警報システム[LDW]
  • レーダークルーズコントロールシステム[ACC]

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ノア/ヴォクシーの燃費はハイブリッド、2Lガソリンエンジンともに良い

1.燃費性能

トヨタノア/ヴォクシーの評価は5.0

三菱デリカD:5の評価は4.0

 

90系ノア/ヴォクシーの燃費(WLTCモード)は下記の通り。

 

2WD

4WD

2.0Lガソリンエンジン

15.0km/L

14.3km/L

1.8Lハイブリッド

23.0km/L

22.0km/L

      

CV系デリカD:5(2019年大幅改良後)の燃費は下記の通り。

 

2WD

4WD

2.2Lディーゼルターボエンジン

12.6km/L

ノア/ヴォクシーが搭載しているパワートレインは2.0Lガソリンエンジンと1.8Lハイブリッドの2種類。対するデリカD:5は2.2Lディーゼルターボエンジンの1種類だ。

 

4WDのガソリンエンジン排気量は、ノア/ヴォクシーのほうが200cc小さい。WLTCモードの燃費は14.3km/L、ハイブリッドは22.0km/Lだ。

対するデリカD:5の2.2Lディーゼルターボは12.6km/Lなので、燃費はノア/ヴォクシーが大きくリードしている。

使用する燃料は、ノア/ヴォクシーがレギュラーガソリン、三菱デリカD:5は軽油だ。燃料価格は軽油のほうが20円/L前後安いため、ガソリン車だと燃料費ではほぼ互角と言える。ハイブリッド車は、圧倒的に経済性が高い。

 

ボディサイズは、デリカD:5がやや大きい。車両重量は以下の通りだ。

  • ノア/ヴォクシー ハイブリッド車:1,630~1,680kg
  • デリカD:5:1,930~1,980kg

およそ300kg、デリカD:5のほうが重い。燃費面でデリカD:5がやや不利になる要因のひとつだ。ただしディーゼルエンジンなので、力強さという点ではデリカD:5が上回る。

ノア/ヴォクシーはオプション設定が多く、中古デリカD:5の価格に魅力を感じる

2.価格比較

トヨタノア/ヴォクシーの評価は4.0

三菱デリカD:5の評価は4.5

 

ノア/ヴォクシーとデリカD:5の最量販グレードの新車価格と中古車相場を比較したのが下記の表だ。

  • 【新車価格】ヴォクシー ハイブリッドS-Z 4WD:396万円
  • 【中古車相場】三菱デリカD:5P 4WD(2022年式):約380万円~440万円
  • 【新車価格】三菱デリカD:5 P 4WD:4,601,300円

※中古車相場は、2024年11月調べ

ノア/ヴォクシーの新車価格と比較したのは、デリカD:5大幅改良後の2019年以降モデルで高年式となる2022年式の中古車相場だ。新車価格同士で比較すると60万円以上差が付く上に、ノア/ヴォクシーはオプション設定が多い。デリカD:5と同等レベルの装備にすると、価格差はさらに大きくなるのだ。そのため、高年式のデリカD:5であれば、中古車とはいえ新車のノア/ヴォクシーハイブリッド車よりコストパフォーマンス面では上回る。

ノア/ヴォクシーの新車ガソリン車は、ハイブリッド車よりも約40万円安価になるため、デリカD:5の中古車と同等レベルのコスパになる。

 

中古のデリカD:5で最も流通台数が多いのが最上級のPグレードで、以下を標準装備している。

  • エレクトリックテールゲート
  • 後側方車両検知警報システム(BSW/LCA)
  • 後退時交差車両検知警報システム(RCTA)

Pグレードの内装色はベージュとブラックから選べる。ブラックにはオプションで本革シートも選択可能だ。運転席にはパワーシートをはじめ、運転席・助手席シートヒーター、ステアリングヒーター、電動サイドステップの一式を標準装備している。さらに、フロアコンソールボックスにはAC100Vのアクセサリーコンセントも設置されている。

 

2022年1月に登場したノア/ヴォクシーは、トヨタセーフティセンスが標準装備されている。プリクラッシュセーフティやレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)など10の機能がパッケージ化されたものだ。

ただし、以下の機能は全車オプションである。

  • 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントクロストラフィックアラート(FCTA)+レーンチェンジアシスト(LCA)
  • ブラインドスポットモニター(BSM)+安心降車アシスト(ドアオープン制御時(SEA)

SとS-Zのみ標準装備なのが、両側ワンタッチスイッチ付パワースライドドアや、バックドアイージークローザーだ。シートはファブリックが中心で、ZとS-Zのみ合成皮革+ファブリックのコンビシートとなり、本革シートの設定はない。

ZとS-Zに搭載されているのが、シートヒーター機能やアクセサリーコンセント(ハイブリッド車)だ。グレードによる装備差が大きい。

安全装備は年式が新しいほど機能も充実するため、ノア/ヴォクシーに軍配が上がるのは仕方ない。だが、2019年にビッグマイナーチェンジした三菱デリカD:5も機能数は合格ラインを十分超えている。

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両車ともに値引きはあまり期待できない。

3.購入時の値引き術

トヨタノア/ヴォクシーの評価は3.5

三菱デリカD:5の評価は3.5

90系トヨタノア/ヴォクシーはフルモデルチェンジからそろそろ3年が経過することも加味すると、近々マイナーチェンジが予定されていることを感じさせる。

マイナーチェンジ直後は、値引きゼロベースとなる可能性が高い。ただ、長期間値引きゼロは難しく、半年も経過すれば、値引き幅もかなりアップすると予想できる。値引きを重視するのであればマイナーチェンジ直後を避けるのがお勧めだ。

 

デリカD:5は中古車での購入となるため、値引きは0円と考えたい。中古車販売は総額表示をしており、ほとんどの店舗が利益ギリギリで商売しているからだ。避けたいのは、商談で「ローンでの購入が前提」「ボディコーティングの施工が必須」など、色々なオプションを付けないと売れないなどと言う店だ。

両車、強面でインパクト大のフェイスデザイン

4.デザイン比較

トヨタノア/ヴォクシーの評価は4.5

三菱デリカD:5の評価は4.5

ノア/ヴォクシー:クールで都会的なデザインで力強いハコスタイルを追求

90系ノア(4代目)の全景の車両画像

※上図:90系ノア(4代目)の全景

90系ノア/ヴォクシーは「室内空間の最大化」と「動感」を融合させることで、「堂々・躍動的な力強いハコ」スタイルを追求し、ユーザーの安心と所有する喜びを提供するデザインを目指した。

90系ノア(4代目)の後景の車両画像

※上図:90系ノア(4代目)の後景

ノアはシンプルながらも細部まで造り込み、上質かつロングラスティングスタイルを追求。フロントは一括りの明快なアイコンと、外板色であしらった面勝ちのグリル、キレのあるランプグラフィックが揃い、堂々としたモダンなスタイルとなった。

 

S-Z、S-Gのエアロモデルは、王道のエアロスタイルらしいアグレッシブさが表現されている。フロントは面勝ちのメッキグリルによって華やかさと強い押し出し感を演出し、リアはワイド&ロースタンスを有する。

90系ヴォクシー(4代目)の後景の車両画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の後景

ヴォクシーは、先鋭かつ独走的なスタイルだ。

90系ヴォクシー(4代目)のフロントフェイスの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)のフロントフェイス

コントラストの強い立体構成と個性的なグラフィックを実現している。これは、フロントのラウンディッシュな薄型アッパー部と、分厚くスクエアなロア部の組み合わせによるものだ。

90系ヴォクシー(4代目)のリヤエンドの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)のリヤエンド

怪しく光る特徴的なフロント/リアランプによって夜でもその存在感を強調している。

デリカD:5:SUVらしい逞しさを前面に押し出したダイナミックシールドを採用

CV系デリカD:5の後景の画像

※上図:CV系デリカD:5の後景

デリカD:5は、歴代デリカが継承してきた高い走破性能をイメージさせる力強いデザインに、上質感を加わった。プレステージ性を高めた洗練されたアクティブなデザインを採用している。

CV系デリカD:5のフロントフェイスの画像

※上図:CV系デリカD:5のフロントフェイス

フロントは、三菱自動車のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を取り入れた。縦型のマルチLEDヘッドライトとLEDポジションランプを採用することで、ひと目でデリカD:5とわかる特徴的で上質なデザインを実現したのだ。安全な視界と対向車や歩行者からの視認性を高めることで、機能性も向上している。

CV系デリカD:5のリヤエンドの画像

※上図:CV系デリカD:5のリヤエンド

リアコンビネーションランプは、リアゲートガーニッシュと連続性を持たせた。テーリランプを外側まで光らせることで、ワイド感や安定感を表現している。

 

ノア/ヴォクシーが都会的でクールなデザインなのに対し、デリカD:5は、SUVらしい逞しさを表現したデザインだ。迫力フェイス同士のミニバンでも、方向性は大きく異なっている。

全長はデリカD:5が優勢だが、室内高はノア/ヴォクシーが有利

5.室内空間と使い勝手

トヨタノア/ヴォクシーの評価は4.5

三菱デリカD:5の評価は4.0

 

90系トヨタノア/ヴォクシーと三菱デリカD:5のボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。

 

ノア/ヴォクシー

ボディサイズ

全長4,695mm×全幅1,730mm×全高1,895mm
(4WDの全高は1,925mm)

ホイールベース

2,850mm

室内サイズ

室内長2,805mm×室内幅1,470mm×室内高1,405mm

荷室容量

298L(3列目使用時)

 

デリカD:5

ボディサイズ

全長4,800mm×全幅1,795mm×全高1,875mm

ホイールベース

2,850mm

室内サイズ

室内長2,980mm×室内幅1,505mm×室内高1,310mm

荷室容量

約94~388L(3列目使用時)

CV系デリカD:5の運転席の画像

※上図:CV系デリカD:5の運転席

CV系デリカD:5の2列目シートの画像

※上図:CV系デリカD:5の2列目シート

CV系デリカD:5の3列目シートの画像

※上図:CV系デリカD:5の3列目シート

ボディサイズでデリカD:5が上回っているのが全長(+105mm)と、全幅(+65mm)だ。またホイールベースは両車ともに2,850mmと同じなので、室内空間の広さにそれほど差はない。

90系ヴォクシー(4代目)の運転席の画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の運転席

90系ヴォクシー(4代目)の2列目シートの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の2列目シート

90系ヴォクシー(4代目)の3列目シートの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の3列目シート

しかし、全高はノア/ヴォクシーが勝る。2WD車は1,895mm、4WD車は1,925mmだ。さらに室内高はデリカD:5よりも95mm高い。これは子どもが車内で着替えができる高さだ。

CV系デリカD:5の荷室の画像

※上図:CV系デリカD:5の荷室

90系ヴォクシー(4代目)の荷室の画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)の荷室

3列シート時のラゲッジ容量を比べると、デリカD:5がボディサイズの大きさを活かして上回っている。さらに、リアシートを畳めばラゲッジスペースは拡大するので、長尺物やキャンプ道具などの大きなモノを積む際には、圧倒的な利便性を誇る。

 

取り回しの良さの目安となる最小回転半径はデリカD:5が5.6m、ノア/ヴォクシーは5.5mと差がない。ボディサイズが大きく、キャビンスペースの広い三菱デリカD:5の取り回しの良さが光る。

 

室内空間の広さやラゲッジルームの積載量を考えると、ノア/ヴォクシーは子どものいる家族向け、デリカD:5は、趣味に出掛けることが多い人にお勧めだ。

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高性能なノア/ヴォクシーの予防安全・運転支援機能だが、オプション設定が多い

6.安全装備&運転支援機能の比較

トヨタノア/ヴォクシーの評価は4.5

三菱デリカD:5の評価は4.0

90系ヴォクシー(4代目)のインパネデザインの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)のインパネデザイン

90系トヨタノア/ヴォクシーの予防安全装備は、トヨタセーフティセンスを全車に標準装備している。先進の予防安全技術である10の機能がパッケージされているものだ。

  • プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼夜]・自転車運転者[昼夜]・自動二輪車[昼]検知機能付き)
  • レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付で、高速道路での追従走行が可能)
  • ドライバー異常時対応システム

90系ヴォクシー(4代目)のメーターの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)のメーター

トヨタセーフティセンスのうち、以下の機能はオプション設定だ。

  • 緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付)+フロントトラフィックアラート(FCTA)+レーンチェンジアシスト(LCA)
  • アダプティブハイビームシステム(AHS)
  • ブラインドスポットモニター(BSM、後側方の安全を監視)+安心降車アシスト(ドアオープン時制御付)

さらに、高度運転支援技術であるレクサスチームメイトもオプションだ。高度な支援を行うアドバンストドライブと駐車支援を行うアドバンストパークがセットになっている。

運転支援機能は充実しているが、フル装備するとかなりの費用が必要となる。

CV系デリカD:5のインパネデザインの画像

※上図:CV系デリカD:5のインパネデザイン

対するデリカD:5は、イーアシストという運転支援機能を全車に標準装備している。以下を含む7つの機能がパッケージ化されたものだ。

  • 衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)
  • 車線逸脱警報システム(LDW)
  • レーダークルーズコントロールシステム(ACC)

CV系デリカD:5のメーターの画像

※上図:CV系デリカD:5のメーター

中でも、以下の機能は最上級グレードのPは標準装備、Gパワーパッケージでオプション設定となっている。

  • 後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)(BSM/LCA)
  • 後退時交差車両検知警報システム

運転支援機能は日々進化しているため、登場したばかりの90系トヨタノア/ヴォクシーのほうが機能は充実している。

三菱デリカD:5の最上級グレードPならば、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付)(BSM/LCA)、後退時交差車両検知警報システムが標準装備となっている点は評価が高い。

デリカD:5のトルクフルな走りと、走行安定性が大幅に向上したノア/ヴォクシー

7.走行性能の比較

トヨタノア/ヴォクシーの評価は4.5

三菱デリカD:5の評価は4.0

 

両車のパワートレインスペックは以下のとおりだ。

 

90系トヨタノア/ヴォクシー

  • 2.0Lガソリン車:最高出力170ps、最大トルク202N・m
  • 1.8Lエンジンハイブリッド:システム最高出力140㎰

三菱デリカD:5

  • 2.2L直4ディーゼルターボエンジン;最高出力145ps、最大トルク380N・m
ノア/ヴォクシー:プラットフォームが一新され、乗り心地や走行安定性は向上

90系ヴォクシー(4代目)のエンジンルームの画像

※上図:90系ヴォクシー(4代目)のエンジンルーム

90系トヨタノア/ヴォクシーは、プラットフォーム(車台)を一新した。最新のTNGAプラットフォームであるGA-Cをベースとし、ミニバン用に改良した。これにより、軽量で低重心、高剛性なボディを実現。車高の高さを感じさせない上質な乗り心地と、優れた操縦安定性を誇る。

 

ノア/ヴォクシーが搭載しているパワートレインは2.0L直4ダイナミックフォースエンジン+CVTだ。最高出力170ps、最大トルク202Nmを発生する。マニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックを採用した。

そして、超低燃費の1.8Lハイブリッドはほぼ全てを刷新した。このモデルから、ハイブリッド車にも待望の4WDが設定されている。

 

ノア/ヴォクシーは新プラットフォームとなったことで、ガソリン車もハイブリッド車も足回りのしなやかさが増している。カーブでは車両の傾きも小さくなり、安定感が大幅にアップ。発進やブレーキ時に起こる前後の揺れも抑えられ、乗員全員に安心・安全を提供している。

デリカD:5:悪路走破性を重視しながら、オンロードでの快適さを両立

CV系デリカD:5のエンジンルームの画像

※上図:CV系デリカD:5のエンジンルーム

三菱デリカD:5は、乗員をしっかり守る環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を採用した。

駆動方式は4WDのみだ。電子制御カップリングによって2WD・4WDオート・4WDロックという3種類の駆動モードを任意に選ぶことが出来る。

 

デリカD:5の悪路走破性は、これが本当にミニバンなのか? と、思うほど高いレベルにある。最低地上高は185mmと十分で、普通のミニバンでは走行不能になるような道でも苦も無く走り抜ける実力をもつ。

2019年のビッグマイナーチェンジで、オンロードでの走行安定性も向上した。悪路走破性を重視したこともあり、乗り心地は柔らかめだ。

街乗りのノア/ヴォクシーとアウトドアのデリカD:5。実力を発揮するシーンが異なる

ノア/ヴォクシーは、オンロードでの走行がメインなのに対し、デリカD:5は悪路走破性を重視しつつもオンロードでも十分な走りを披露する。道路環境が悪いほど、デリカD:5の魅力が増す。ただし、デリカD:5の最低地上高は185mmと高いため、小さな子どもや高齢者の乗り降りがしにくいというデメリットもある。

ノア/ヴォクシー、デリカD:5ともにリセールバリューは高め

8.リセールバリュー比較

トヨタノア/ヴォクシーの評価は5.0

三菱デリカD:5の評価は4.5

 

両車の新車価格と中古車相場、リセールバリューを一覧にした。

  • 90系トヨタ ヴォクシーハイブリッド新車価格:344~396万円
  • 90系トヨタ ヴォクシーハイブリッド中古車相場(2022年式):約390~490万円
  • 2022年式中古車相場の新車価格比:約113~124%

 

  • 三菱デリカD:5新車価格:約391~449万円
  • 三菱デリカD:5中古車相場(2022年式):約380~440万円
  • 2022年式中古車相場の新車価格比:約97~98%

ヴォクシーは、長期納期(2024年11月現在)などの影響で、中古車相場が新車価格を越えるという異常な状態だ。現状、リセールバリューはかなり高い。だが、マイナーチェンジが行われると、一旦リセールバリューが少し下がると予想される。その後は徐々に下落傾向になるだろう。現在のリセールバリューが長期間続くとは考えにくい。それでも、ミニバンカテゴリーではトップレベルのリセールバリューとなるだろう。

ノア/ヴォクシーの中古車で、マイナーチェンジ前でも良いのであれば、しばらく待つのが得策だ。

 

デリカD:5の新車納期は1~2カ月程度だ。しかし、中古車相場は非常に高く、リセールバリューも高い。これは、中古車マーケットで高い人気を得ているからだと考えられる。

ただし、これだけ高いと、中古車のメリットが無い。メーカーオプションもプラスした新車価格より、中古車価格がどれだけ安価になっているか細かくチェックしたい。新車価格とあまり差がないのであれば、新車を買うのがお勧めだ。

高値が落ち着くのを待つか、中古車のメリットが出てくるやや古い年式(2019年式位)を選ぶとよいだろう。

燃費と悪路走破性を重視ならデリカⅮ:5。ファミリーでの扱いやすさと燃費ならノア/ヴォクシー

9.まとめ・総合評価

90系トヨタ ノア/ヴォクシーがお勧めな人

  • とにかく燃費重視(ハイブリッド)→クラストップレベルの低燃費性能
  • 高齢者や小さな子どもを頻繁に乗せる→低床フロア
  • 最新の予防安全装備や運転支援機能重視→クラストップレベルの予防安全装備パッケージ「トヨタセーフティセンス」

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三菱デリカD:5がお勧めな人

  • 豪雪地域などに住む人→圧倒的な悪路走破性
  • ミニバンでアウトドアレジャーを楽しみたい人→ミニバン唯一のオフロード性能

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90系ノア/ヴォクシーの登場は2022年だ。対する三菱デリカD:5は2007年に登場した。ビッグマイナナーチェンジを行ったのは2019年のことだ。

運転支援技術やコネクテッド技術は日進月歩のため、3年新しいノア/ヴォクシーが優位だ。さらに、1.8Lハイブリッドの超低燃費性能は、デリカD:5を圧倒する。低床フロアなので、小さな子どもや高齢者の乗り降りも容易だ。一般的な使い方であれば、ノア/ヴォクシーはバランスに優れた無難な選択と言える。

 

デリカⅮ:5が圧倒しているのは悪路走破性だ。ミニバンで唯一、オフロードを走ることが出来る。ミニバンのメリットである多人数乗車と広い室内を生かし、他のミニバンで入れないような場所でのキャンプやアウトドアレジャーで大活躍してくれる。

同じミニバンながら全く異なるキャラクターであるノア/ヴォクシーとデリカⅮ:5。どんな使い方をしたいのか、明確にしてから選ぶのがお勧めだ。

 

90系ノア/ヴォクシー

三菱デリカD:5

総合得点(40点満点)

35.0

33.0

1.燃費

5.0

4.0

2.価格

4.0

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

3.5

3.5

4.デザイン

4.5

4.5

5.室内空間と使い勝手

4.5

4.0

6.安全装備

4.5

4.0

7.走行性能

4.5

4.0

8.リセールバリュー

5.0

4.5

90系ノア/ヴォクシー 新車価格帯

  • ノア X 2WD(8人乗り);267万円
  • ノアハイブリッドS-Z 4WD(7人乗り):389万円
  • ヴォクシー S-G 2WD(8人乗り):309万円
  • ヴォクシーハイブリッドS-Z 4WD(7人乗り):396万円

三菱デリカD:5新車価格帯

  • M 2WD:415万6900円
  • アーバンギアG パワーパッケージ4WD:462万2200円

90系ノア/ヴォクシースペック

代表グレード

ノアハイブリッドS-Z 7人乗り2WD

ボディサイズ

4,695mm×1,730mm×1,895mm

ホイールベース

2,850mm

最低地上高

140mm

車両重量

1,670kg

エンジン型式

2ZR-FXE

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,797cc

最高出力

98ps(72kw)/5,200rpm

最大トルク

142N・m(14.5kgm)/3,600rpm

フロントモーター型式

1VM

モーター最高出力

95ps(70kw)

モーター最大トルク

185N・m(18.9kgm)

システム最高出力

140ps

燃費(WLTCモード)

23.0km/L

駆動方式

前輪駆動(2WD)

サスペンション型式

前:ストラット、後:トーションビーム

タイヤサイズ前後

205/55R17

最小回転半径

5.5m

三菱デリカD:5スペック

代表グレード

P 7人乗り 4WD

ボディサイズ

4,800mm×1,795mm×1,875 mm

ホイールベース

2,850mm

最低地上高

185mm

車両重量

1,970kg

エンジン型式

5N14

エンジンタイプ

直列4気筒DOHCディーゼルターボ

総排気量

2,267cc

最高出力

145ps(107kw)/3,500rpm

最大トルク

380N・m(28.7kgm)/2,000rpm

燃費(WLTCモード)

13.6km/L

駆動方式

前輪駆動(4WD)

トランスミッション

8速AT

サスペンション型式

前:ストラット、後:マルチリンク

タイヤサイズ前後

255/55R18

最小回転半径

5.6m

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員