E13型ノートvs中古50系プリウスを徹底比較!

E13型ノートvs中古50系プリウスを徹底比較!

日産ノートは、2020年12月のフルモデルチェンジで、3代目E13型となった。プラットフォームには新設計のCMF-Bを採用。さらに、第2世代のシリーズハイブリッドシステムである「e-POWER」を搭載した。

その後、外観デザインなどを中心にマイナーチェンジしたモデルを2024年1月に発売した。新車販売も好調で、2023年度の登録車販売台数では5位と日産で最も売れている日産車となった。

そんな人気のE13型ノートの新車価格と、トヨタ50系プリウスの中古車が同等価格になってきた。新車E13型ノートか、1クラス上の上質感ある中古車50系プリウスか、燃費性能、価格、機能、デザインを徹底比較した。

 

*E13型ノートおよび、50系プリウス共に画像はマイナーチェンジ前のモデル

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プレミアムコンパクトへ進化したE13型ノート

E13型日産ノートの特徴

E13型ノートの全景

※上図:E13型ノートの全景

E13型日産ノートは、2020年12月に販売開始した。コンセプトは「コンパクトカーの常識を超える運転の快適さと楽しさが詰まった先進コンパクトカー」だ。クルマの骨格にあたるプラットフォームをCMF-Bは新設計された。電動パワートレイン「e-POWER」は搭載する1.2Lエンジンで発電しモーターを駆動させて走行する。第2世代へと進化し、高い静粛性とスムーズな加速性能に磨きをかけた。

 

E13型ノートに搭載されているパワーユニットは、「e-POWER」のみだ。駆動方式は2種類あり、2WD(FF)には後輪に50kWもの高出力モーターを採用している。4WDは前後独立したモーターで駆動・制御する形式だ。

 

安全技術は、クルマの全方位での安全性を向上させるとともに、「プロパイロット(ナビリンク機能付)」を初搭載した。高速道路での同一車線走行時の運転操作をサポートするプロパイロットに、ナビゲーションシステムとの連携機能を加えた機能だ。制限速度の変化に伴う設定速度の切り替えや、カーブの大きさに応じた減速をシステムが支援してくれる。ドライバーの操作頻度を軽減し、安心かつ快適なドライブを可能とした。

 

2024年1月にE13型ノートのマイナーチェンジ仕様が発売された。フロントデザインの一新をはじめ、機能や使い勝手が向上している。

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GA-Cプラットフォームを導入し、走行性能大幅アップの50系プリウス

50系トヨタ プリウスの特徴

50系プリウスの全景

※上図:50系プリウスの全景

50系プリウスは2015年12月~2023年1月に販売された。トヨタのクルマ構造改革であるTNGAを導入した記念すべき1号車で、TNGAにより開発されたGA-Cプラットフォームを採用している。従来モデルよりも低重心となり、バッテリーもニッケル水素電池からリチウムイオン電池になった(Sグレードを除く全グレード)。

 

これまでプリウスの駆動方式は、FF(2WD)車しか設定されていなかったが、50系からは、E-fourという電気式の4WD車が設定された。搭載されている1.8Lエンジンのハイブリッドシステムの基本構成は従来型と変わっていないが、エンジンの最大熱効率を高め、ハイブリッドシステムの小型・軽量化を実現した。JC08モード燃費(FF)は、37.2~40.8km/Lまで向上している。

 

安全装備には、「トヨタセーフティセンスP」を採用した。4つの先進機能をパッケージ化した衝突回避支援パッケージだ。クルマだけでなく歩行者も認識する衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールなどが含まれている。

 

2018年12月のマイナーチェンジでは、50系プリウスの特徴である先進的なイメージは継承しつつ、多くの人が親しみやすく、より知的で、洗練された内外装デザインに変更した。さらに専用通信機DCMを全車に標準装備したことで、24時間365日カーライフを充実させる様々なサービスを利用できるコネクティッドカーへと進化している。

安全面では衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備したほか、リアクロストラフィックアラートを新たに設定している。駐車場から後退する際に左右後方から近づく車両を検知して、注意を促す機能だ。

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旧型で1クラス上の50系プリウスが燃費値で上回る!

1.燃費性能

新車E13型ノートの評価は4.0

中古車50系プリウスの評価は5.0

 

日産E13型ノートと、50系プリウスの燃費(双方WLTCモード)は下記の通り。

 

FF(2WD)

4WD

E13型ノート
1.2L e-POWER

28.4km/L

23.8km/L

50系プリウス
1.8Lハイブリッド

27.2~32.1km/L

25.4~28.3m/L

E13型ノートは、1.2Lエンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させて走行するシリーズハイブリッド方式のe-POWERを搭載している。

 

E13型ノートのエンジン排気量が1.2L、50系プリウスは1.8Lと数字だけ見ると、E13型ノートのほうが燃費性能は優れているよう感じるかもしれない。しかしハイブリッドシステムが異なるため、エンジンとモーターを効率的に利用する50系プリウスのほうが燃費性能は上回っている。

 

全長×全幅×全高

車重

E13型ノート

4,045mm×1,695mm×1,520mm

1,230~1,350kg

50系プリウス

4,575mm×1,760mm×1,470mm

1,320~1,460kg

50系プリウスのボディサイズに対し、コンパクトカーのE13型ノートの全長は−530mm、全幅−65mm、全高+30mmだ。ハイブリッド専用車の50系プリウスのワイド&ローのフォルムが際立っている。

車両重量は50系プリウスが約100kg重い。それでも燃費性能は50系プリウスが上回っている。

同価格で比べると装備の充実度は中古プリウスが高い

2.価格比較

新車日産E13型ノートの評価は3.5

中古トヨタ50系プリウスの評価は4.5

 

日産E13型ノートとトヨタ50系プリウスの最量販グレード(Sツーリングセレクション)の新車価格と中古車相場を比較した。

  • 【新車】日産E13型ノート2WD:229万9000円
  • 【中古】トヨタ50系プリウス(2019年式)FF(2WD):190万円~220万円、4WD:200万円~220万円

※中古車相場は、2024年5月調べ

 

50系プリウスの中古車のグレード見てみると、最も流通台数が多いのが1.8S系グレードだ。この1.8S系には、以下の3つのグレードが含まれる。

  • 8S:エントリーグレード
  • ツーリングセレクション:専用のフロント&リアバンパー、215/45R17インチタイヤを装着
  • 8Sセーフティプラス:安全装備を充実させた特別仕様車

インテリアは、実質的なエントリーグレードとなる1.8Sでも運転席6ウェイ、助手席4ウェイパワーシートを標準装備している。ツーリングセレクションでは快適温熱シート(運転席・助手席)も標準装備だ。また、家庭用電気機器が使用できるアクセサリーコンセント(AC100W・1500W)は全グレードで標準装備となっている。

 

運転支援機能は、トヨタセーフティセンスと、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)が標準装備だ。しかし、以下の装備はAグレード以上の採用となる。

  • ブラインドスポットモニター(BSM)
  • リアクロストラフィックアラート(RCTA)
  • シンプルインテリジェントパーキングアシスト(巻き込み警報機能付)

50系プリウスで最も豪華仕様なのが、Aプレミアム/Aプレミアムツーリングセレクションだ。注目はインテリアで、フロント電動シートのシート表皮は本革となり、快適温熱シートに加えてベンチレーション機能も標準装備となる。さらにおくだけ充電携帯電話も唯一オプション設定されている。

 

一方の日産E13型ノートは、2023年のマイナーチェンジ後、実質的にはモノグレードとなっている。XとX FOURの違いは、駆動方式と、X FOURには以下が標準装備となっている点だ。

  • 本革巻きステアリング
  • ホットプラスパッケージ(ヒーター付ドアミラー、ステアリングヒーター、前席ヒーター付シート、リアヒーターダクトの4つの機能)
  • 高濃度不凍液
  • PTC素子ヒーター

E13型ノートは両グレードとも以下がセットオプションとなっている。

  • ニッサンコネクトナビゲーションシステム
  • プロパイロット(ナビリンク機能付)
  • SOSコール
  • インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)
  • BSW(後側方斜路湯検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)

一方、50系プリウスは標準装備の6スピーカーの8インチディスプレイオーディオはSグレード以上に標準装備し、運転支援機能もほとんどが標準装備となっている。

ハイブリッド車の特徴でもある、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)を50系プリウスはSグレード以上で2個、Eは1個全車標準装備されているが、E13型ノートには設定されていない。

 

シート表皮は、E13型ノートはファブリックと合成皮革のコンビシートのみだが、50系プリウスは最上級グレードには本革シートを標準装備している。また、全グレードで電動調整式のパワーシートを採用している。この点は、50系プリウスとE13型ノートのクラスの違いが如実に表れている。

 

E13型ノートは、プロパイロットはセットオプション装備だ。このセットオプションを装着して50系プリウスと装備を同等にすると、新車価格がグンと高くなる。

 

装備面では、やはり1クラス上の中古車50系プリウスの充実度が高い。価格も含め装備の充実度を重視するのであれば、中古車50系プリウスになる。ただし、50系プリウスの中古車を買う場合、グレードによって装備が大きく異なるのでA系のグレード以上がお勧めだ。

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ノートの新車の納期遅延は解消、値引きは20万円を目安に

3.購入時の値引き術

新車日産E13型ノートの評価は3.5

中古トヨタ50系プリウスの評価は3.0

 

日産E13型ノートの新車納期は1カ月程度と、納期遅延は完全に解消されているようだ。値引きはマイナーチェンジ直後厳しくなったが、再び20万円程度は可能な状態になってきている。

 

トヨタ50系プリウスは中古車での購入となるため値引きは基本0。もし値引きしますというのであれば、その販売店の信用度は低いと考えたほうが良い。最近、中古車は諸費用なども含んだ総額表示になっているので、より安心して購入できるようになった。逆に中古車販売店は、諸費用で利益が出せなくなったため、わずかな値引きさえも厳しくなってきている。

E13型ノートの新車納期は1カ月程度となっているので、即納可能な50系プリウスとの納車時期の差はわずかだ。

 

50系プリウスは旧型と言っても、販売終了したのは2022年末。特に2018年のマイナーチェンジ以降ならば中古車とはいえ、コンディションは良好なクルマが多くなっているのでお勧めだ。

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両車ともに先進性をアピールしたデザイン

4.デザイン比較

新車日産E13型ノートの評価は4.0

中古トヨタ50系プリウスの評価は3.5

ノート:日本の伝統工芸からインスパイアされたフロントマスクが特徴

E13型ノートの後景

※上図:E13型ノートの後景

日産E13型ノートのデザインコンセプトは、「タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム」。

E13型ノートのフロントフェイス

※上図:E13型ノートのフロントフェイス

外観では、フロントグリルと一体化した薄型のヘッドランプ、そこにつながる日産車のアイコンであるVモーションクロームは新型となった。

E13型ノートのリヤエンド

※上図:E13型ノートのリヤエンド

フロントグリルには、日本の伝統工芸である組子からインスパイアされたパターンをあしらい、「日本の風景に溶け込むデザイン」としている。

E13型ノートのインパネデザイン

※上図:E13型ノートのインパネデザイン

インテリアはコンパクトカーの常識を覆す、先進的で快適な空間を実現した。外に向かって広がるようなインストルメントパネルにセンターディスプレイと一体化したメーターを装備。電動化に相応しい先進感と使い易さを兼ね備えた、日産の新たなインテリアデザインの思想を表現している。

E13型ノートのメーター

※上図:E13型ノートのメーター

2023年のマイナーチェンジでは、フロントデザインを一新した。フロントグリルに新時代のデジタルVモーションを採用したことで、よりフレッシュで先進感を感じられるようになった。インテリアは、インストルメントパネルに水引をモチーフとしたデザインを採用。シート地にはランダムストライプを施して立体感と和モダンを演出している。

プリウス:個性的すぎた前期型を反省しコンサバなデザインとなった後期型

50系プリウスの後景

※上図:50系プリウスの後景

50系プリウスは、歴代のモデルが採用してきた「トヨタマークを強調する造形」にトヨタ独自のデザイン手法であるキーンルックを取り入れたフロントビューを採用した。

50系プリウスのフロントフェイス

※上図:50系プリウスのフロントフェイス

50系プリウスのリヤエンド

※上図:50系プリウスのリヤエンド

これにより、低重心な構えと下方視界の良さを実現している。

50系プリウスのインパネデザイン

※上図:50系プリウスのインパネデザイン

50系プリウスのインテリアも、歴代プリウスが培ってきた「人の感覚」に寄り添った機能配置やデザインをインストルメントパネルで採用。「表示系遠方・操作系手元配置」を基本に情報表示やスイッチ類を整理・集約し、さらにメーターとディスプレイがインパネに巻き付いたような造形とすることで、機能性をシンボル化している。

50系プリウスのメーター

※上図:50系プリウスのメーター

また、インパネの低い位置で薄く造形することにより、乗員を優しく包み込むようなシームレスさで開放感と一体感のある空間を演出している。

 

50系プリウス前期型の外観デザインは、個性が強く受け入れられにくい面があった。そこで、2018年にマイナーチェンジを実施。外観はグリルやバンパー、ランプ類などの意匠を変更し、コンサバなスタイリングに変更された。インテリアは、インストルメントパネルなどにブラック加飾を施し上質感のある落ち着いたデザインとなった。

さらに、プリウスPHVに採用されている縦型のディスプレイを採用するなどマイナーチェンジとしては大幅な変更を行っている。

サイズが大きい50系プリウスのほうが利便性に優れる

5.室内空間と使い勝手

新車日産E13型ノートの評価は4.0

中古トヨタ50系プリウスの評価は4.5

 

日産E13型ノートとトヨタ50系プリウスのボディサイズ・室内サイズ・荷室容量を比較した。*室内サイズは参考値

 

日産E13型ノート

全長×全幅×全高

4,045mm×1,695mm×1,520mm

ホイールベース

2,580mm

室内長×室内幅×室内高

2,030mm×1,445mm×1,240mm

荷室容量

340L(4WD車は260 L)

 

トヨタ50系プリウス

全長×全幅×全高

4,575mm×1,760mm×1,470mm

ホイールベース

2,700mm

室内長×室内幅×室内高

2,110mm×1,490mm×1,195mm

荷室容量

502L(4WD車は457L)

50系プリウスの運転席

※上図:50系プリウスの運転席

50系プリウスの後席

※上図:50系プリウスの後席

E13型ノートと50系プリウスのボディサイズで、最も異なるのが全長だ。50系プリウスのほうがE13型ノートより、全長+530mm、ホイールベース+120mm長くなっている。そのため、当然キャビンスペースだけでなく、ラゲッジスペースも広くなっている。

E13型ノートの運転席

※上図:E13型ノートの運転席

E13型ノートの後席

※上図:E13型ノートの後席

一方、ノートのほうが高いのが全高(+50mm)と室内高(+45mm)だ。前後シートのヘッドクリアランスはE13型ノートが有利といえる。この頭上の空間の広さによって、室内空間の広さは数値以上に少なく感じるだろう。

E13型ノートの荷室

※上図:E13型ノートの荷室

50系プリウスの荷室

※上図:50系プリウスの荷室

5人乗車時のラゲッジ容量を比べると、ボディサイズが大きい50系プリウスが圧倒的な利便性を誇る。E13型ノートの340L(4WD車は260 L)。対して50系プリウスは502L(4WD車は457L)と大きく上回っている。

 

E13型ノートは全幅1,695mmの5ナンバーサイズ。対して、50系プリウスは全幅1,760mmの3ナンバーサイズだ。また全高は、両車ともに1,550mmを下回っているので立体駐車場に対応しており、都市部での使い勝手は互角だ。

 

取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、現E13型ノートが4.9m。50系プリウスは15インチタイヤ装着車が5.1m、17インチタイヤ装着車は5.4mと異なっている。さすがに、17インチタイヤ装着の50系プリウスは、E13型ノートと比べると、狭いところでの使い勝手では負けてしまう。

 

コンパクトカーのE13型ノートは当然としても、ボディサイズがひとクラス大きい50系プリウスが立体駐車場に対応した優れたパッケージというのは大きなポイントだ。室内の広さを重視する人で、全幅1,800mm、全高1,550mm以内という少し古い立体駐車場を使っているのであれば、50系プリウスはオススメの1台だ。

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E13型ノート、プロパイロットを装着するとさらに予算は上昇

6.安全装備&運転支援機能の比較

新車日産E13型ノートの評価は3.5

中古トヨタ50系プリウスの評価は4.0

50系プリウスのエンジンルーム

※上図:50系プリウスのエンジンルーム

トヨタ50系プリウスの予防安全装備は、予防安全パッケージである「トヨタセーフティセンスP」をAグレード以上に標準装備し、EとS系はオプションだ。ただし、特別仕様車のSセーフティプラスはこの「トヨタセーフティセンスP」が標準装備となっているので狙い目といえる。

トヨタセーフティセンスPは、以下がパッケージとなっている。

  • プリクラッシュセーフティシステム
  • レーンディパーチャーアラート
  • オートマチックハイビーム
  • レーダークルーズコントロール

以下はAグレード以上に標準装備されている。

  • ブラインドスポットモニター
  • インテリジェントクリアランスソナー
  • シンプルインテリジェントパーキングシステム

50系プリウスは、2018年に行ったマイナーチェンジで予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」が全グレードで標準装備となった。またAグレード以上は追加設定されたリアクロストラフィックアラートがオプションとなっている。そしてEとS系グレードにインテリジェントクリアランスソナーがオプション設定となった。そのため、予防安全性能を重視するのであれば、マイナーチェンジ後がお勧めだ。

E13型ノートのエンジンルーム

※上図:E13型ノートのエンジンルーム

E13型ノートの安全装備は、以下を含む9つの機能を標準装備した360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)を採用している。

  • インテリジェントエマージェンシブレーキ(前方を監視)
  • 側方・後側方のLDW(車線逸脱警報)
  • 駐車時・後方の踏み間違い衝突防止アシスト

この9つの機能に加えて、オプションとして以下が用意されている。

  • プロパイロット(ナビリンク付き)
  • プロパイロット緊急停止支援システム(SOSコール機能付)
  • インテリジェントBSI(後側方衝突防止システム)
  • BSW(後側方車両検知警報)
  • RCTA(後退時車両検知警報)

これらの装備を装着するには、+40万円以上の予算が必要となり、装着すると支払総額は300万円を超えてしまうのが痛い。

 

機能面では、新しいモデルであるE13型ノートがリードしている。しかし、注目のプロパイロットがオプションのため、装着すると300万円オーバーだ。対して中古の50系プリウスなら、トヨタセーフティセンスが標準装備となった後期型でも200万円台前半で購入できるのでバリュー感は高い。

安定度や走る楽しさはE13型ノートが上回る

7.走行性能の比較

新車日産E13型ノートの評価は4.0

中古トヨタ50系プリウスの評価は4.0

 

日産E13型ノートとトヨタ50系プリウスのハイブリッドシステムのスペックは以下のとおり。

 

日産E13型ノート

  • 2L直列3気筒DOHCエンジン
  • 最高出力82ps、最大トルク103N・m
  • フロントモーター最高出力116ps、最大トルク280N・m
  • リアモーター最高出力116ps、最大トルク280N・m(4WD)

トヨタ50系プリウス

  • 8L直列4気筒DOHCエンジン
  • 最高出力98ps、最大トルク142N・m
  • フロントモーター最高出力72ps、最大トルク163N・m
  • リアモーター最高出力2ps、最大トルク55N・m(4WD)
  • システム最高出力122㎰
ノート:4WD車の安定感の高さは魅力だが、2WD車との燃費差が大きめ

日産E13型ノートのe-POWERは先代モデルと比べて、フロントモーターの出力を6%、トルクを10%向上させた。燃費性能はWLTCモードで、2WD車が28.4km/L、4WD車が23.8km/Lだ。

 

駆動方式は2WD(FF)と4WDが用意されている。e-POWER 4WDという4WD車のリアには、先代モデルの約14倍の駆動力を発生する50kWのモーターを採用した。前後で独立したモーターを緻密かつ瞬時に制御することで、ドライ路面はもちろん、あらゆる路面状況において、力強く安定した快適な走りを実現した。

プリウス:古さを感じさせないパフォーマンスの高さ

50系プリウスの駆動方式は、2WD(FF)と、プリウス初となるE-fourという電気式4WD搭載車を設定している。50系プリウスの4WDシステムは、リアモーターの出力が小さいためあくまでも滑りやすい路面などでのアシストがメインだ。

リアのダブルウィッシュボーンサスの恩恵は大きい

フロントサスはE13型ノート、50系プリウスともにストラット式だ。しかしリアはE13型ノートがトーションビーム、50系プリウスはダブルウィッシュボーンと異なっている。E13型ノートの乗り心地は、国産コンパクトカーの中で上位。しかし、ダブルウィッシュボーンでワイドトレッドのプリウスの乗り心地や操縦安定性面では敵わない。

 

BセグメントとCセグメントというボディサイズの違いもあるが、元々新車価格がワンランク違う。それは、走行性能や乗り心地に影響のあるシャシーの違いにつながる。燃費性能も50系プリウスが上回っているが、フラットで無駄な動きの少ない乗り心地面でも50系プリウスが上回る印象だ。

50系プリウスの後期型は、予想以上に高めの残価率をキープ

8.リセールバリュー比較

新車日産E13型ノートの評価は3.5

中古トヨタ50系プリウスの評価は4.0

 

トヨタ50系プリウスの2019年式中古車相場のボリュームゾーンは約180万~約210万円だ。新車時価格が259万7000円~364万円なので、新車価格の約58~70%となった。2019年式で、このクラスのモデルとしては、なかなか良好なリセールバリューが期待できそうだ。

一方、日産E13型ノートの新車価格は229万9000円~258万600円。売れ筋グレードのX 2WDは229万9000円だ。

 

参考値だが、50系プリウスと同じ2019年式となる先代E12型ノートの中古車相場は、約80~130万円。当時の新車価格が145~262万円となっている。新車価格に対して約50~55%という中古車価格となった。先代モデルとの比較になるが、リセール面でも50系プリウスが優位といえる。

 

E13型ノートの新車価格は、売れ筋グレードであるX(2WD)にプロパイロットを装着すると300万円を超える。この予算なら、50系プリウス中古車の最終年式である2021年式モデルも狙えるようになる。

 

リセールバリューは、日産E13型ノートよりトヨタ50系プリウスのほうが、今後も高い残価率をキープするのは間違いない。快適装備が充実しており、燃費性能が優れているからだ。

ただし、高い残価率をキープできるのはマイナーチェンジ後の2019年式以降。マイナーチェンジ前は、予防安全性能なども物足りないこともあり、前期型は値落ちが大きくなっている。

300万円超えの新車E13型ノートより、50系プリウス上級グレードの中古車が賢い選択!?

9.まとめ・総合評価

 

E13型ノートは、見た目の価格を抑えるために、標準装備を減らしオプションを増やしている。その結果、運転支援機能のプロパイロットを装着すると新車価格は300万円を超え、国産コンパクトカーでも高額なモデルとなった。

対する中古50系プリウスは、最新のGA-Cプラットフォームの導入をはじめエンジンやハイブリッドシステムを刷新し、燃費性能だけでなく走行性能も向上させている。

 

E13型ノートと50系プリウスは、採用しているシャシー性能に差があるため、走行性能や乗り心地などは車格が上の50系プリウスが圧勝する。だが、この差が大幅に埋まるのが4WD車だ。E13型ノートの4WD車ならば、高出力なリアモーターと電子デバイスによって50系プリウスとの走行性能差は縮まる。しかし、燃費性能の差は広がってしまうのが難点だ。

 

200万円台で50系プリウスの中古車を検索すると、マイナーチェンジ後のモデルも余裕で手が届く。しかも50系プリウスの中古車流通量はとても多いため、自分の好みに合ったモデルを探すのも容易だ。

 

プリウス最上級グレードのAプレミアムならば、運転支援機能が充実しているだけでなく、本革シートも標準装備される。17インチタイヤのツーリングセレクションよりも15インチタイヤのほうが乗り心地も良いので、あえて15インチタイヤ仕様を狙うのもアリだ。

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ノート

プリウス

総合得点(40点満点)

30.0

32.5

1.燃費

4.0

5.0

2.価格

3.5

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

3.5

3.0

4.デザイン

4.0

3.5

5.室内空間と使い勝手

4.0

4.5

6.安全装備

3.5

4.0

7.走行性能

4.0

4.0

8.リセールバリュー

3.5

4.0

E13型日産ノート 新車価格とスペック

  • X 2WD:229万9000円
  • X FOUR:258万600円

代表グレード

X 2WD

ボディサイズ

4,045mm×1,695mm×1,520mm

ホイールベース

2,580mm

最低地上高

135mm

車両重量

1,230kg

エンジン型式

HD12DE

エンジンタイプ

直列3気筒DOHC

総排気量

1,198cc

最高出力

82ps(60kW)/6,000rpm

最大トルク

103N・m(10.5kgm)/4,800rpm

モーター型式

EM47

モーター最高出力

116ps(85kW)/2,900〜10,341rpm

モーター最大トルク

280N・m(28.6kgm))/0〜2,900rpm

燃費(WLTCモード)

28.4km/L

駆動方式

前輪駆動(2WD)

トランスミッション

-

サスペンション型式

前:ストラット、後:トーションビーム

タイヤサイズ前後

185/60R16

最小回転半径

4.9m

50系トヨタ プリウス 価格とスペック

新車価格(2021年6月当時、一部改良後モデル)

  • E 2WD:259万7000円
  • Aプレミアムツーリングセレクション 4WD:364万円

2021年式中古車相場

  • 約180~270万円

代表グレード

Sツーリングセレクション 2WD

ボディサイズ

4,575mm×1,760mm×1,470mm

ホイールベース

2,700mm

最低地上高

130mm

車両重量

1,360kg

エンジン型式

2ZR-FXE

エンジンタイプ

直列4気筒DOHC

総排気量

1,797cc

最高出力

98ps(72kW)/5,200rpm

最大トルク

142N・m(14.5kgm)/3,600rpm

フロントモーター型式

1NM

モーター最高出力

72ps(53kW)

モーター最大トルク

163N・m(16.6kgm)

システム最高出力

122㎰

燃費(WLTCモード)

27.2km/L

駆動方式

前輪輪駆動(2WD)

トランスミッション

電気式CVT

サスペンション型式

前:ストラット、後:ダブルウィッシュボーン

タイヤサイズ前後

215/45R17

最小回転半径

5.4m

 

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員