この記事の目次 CONTENTS
圧倒的な販売台数を誇る人気モデル
2021年12月改良で、電子制御パーキングブレーキを装備
ホンダN-BOXの魅力は大きく3つ
ホンダN-BOXのライバル車は? 
おすすめグレードは「カスタムのターボ車」
ホンダN-BOXの値引きのコツ

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

ホンダN-BOXは、2021年5月に累計販売台数200万台を達成した。軽自動車ながら車中泊も出来る広い車内空間や、おしゃれな内装、カスタムなどが人気を博している。2021年12月に二代目の改良モデルが登場し、新車や中古車の値引きを最大にするコツも少し変化した。今回は値引きを限界まで引き出すためのテクニックをお伝えする。

圧倒的な販売台数を誇る人気モデル

ホンダN-BOXは、2021年5月に累計販売台数200万台を達成した人気モデルだ。ホンダの四輪車では最速の記録となった。
初代ホンダN-BOXは、2011年に登場した。圧倒的な室内スペースと、大きく見える高い全高などが評価され、発売直後から大ヒットモデルとなった。
その売れ方は、スズキとダイハツを震撼させるほどだ。2012年に軽自動車販売台数ナンバー1に輝いてから以降、8度の年度軽自動車販売台数ナンバー1に輝いている。2012年以降、ナンバー1の座を奪われたのは2014年度のみだ。

2代目N-BOXは2017年にフルモデルチェンジを果たした。2代目N-BOXは、爆発的ヒットモデルとなった初代のコンセプトをキープしている。キープコンセプトであるものの、初代N-BOXの弱点はほぼすべて克服し、非常に完成度の高いモデルになった。

そんな超人気モデルであるN-BOXの購入時に役立つ値引き情報やテクニックをレポートする。

2021年12月改良で、電子制御パーキングブレーキを装備

2代目となる現行ホンダ N-BOXは、2017年に登場した。大ヒットした初代N-BOXのコンセプトをキープしており、長所は伸ばし短所を補ったモデルだ。
大幅に進化したのは、走行性能と安全装備である。乗り心地や静粛性は、飛躍的に向上した。初代N-BOX最大の弱点であった予防安全装備では、「ホンダセンシング」を装備し、クラストップレベルの実力を得た。
その後、2020年にマイナーチェンジを行った。大ヒットモデルであるため、内外装のリフレッシュなど軽微なものだった。
マイナーチェンジ当時、日産ルークスなどのライバル車は渋滞時のストップ&ゴー対応の全車速追従機能付きクルーズコントロールを装備していた。だがN-Boxは残念ながらこうした機能は進化していなかった。
こうした機能面で、やや古さが出てきたN-BOXだが、2021年12月に改良モデルが投入された。電子制御式パーキングブレーキが標準装備されたことで、全車速追従式クルーズコントロールは、渋滞時ストップ&ゴーが可能となった。また、停車中にブレーキを踏み続ける必要がない運転支援機能であるオートブレーキホールドも装備されている。
こうした改良で、N-BOXはさらに完成度を高めている。

ホンダN-BOXの魅力は大きく3つ

室内の広さ

ホンダN-BOXの魅力は、高い全高がもたらす軽最大級と言われる広大な室内スペースだ。とくに、リヤシートの広さや使い勝手などはN-BOXの美点である。これは、ホンダ独自のM・M思想によるセンタータンクレイアウトと呼ばれる技術によるものだ。M・M思想とは、マン・マキシマム/メカ・ミニマムの略で、「人が中心」の設計発想でもある。
このセンタータンクレイアウトにより、リヤシートを跳ね上げて固定できるチップアップ機能も付いた。これにより、植木鉢など背の高く立てて積みたい荷物なども楽々収納することができる。
さらに、背もたれを前に倒すワンアクションでシートが足元に収納できるダイブダウン機能によって、フラットで広い荷室に変えることが出来る。車中泊はもちろん、色々なシートアレンジができる。
この広い荷室には、27インチの自転車も積載可能だ。リヤゲートの開口部も広いので使いやすい。

上質感のあるカスタム

N-BOXには、より迫力あるルックスと上質感のある内装、豪華装備が用意されたカスタムがある。9灯LEDヘッドライトや、流れるように光るシーケンシャルウインカーも装備されているなど、クラスを超えた装備が魅力だ。

低燃費でパワフルなエンジン

N-BOXに搭載されているエンジンは、パワフルで低燃費だ。燃費は、自然吸気車が21.2㎞/L(FF、WLTCモード。以下同)。ターボ車が20.2㎞/Lだ。最新の日産ルークスは、マイルドハイブリッドシステムを搭載しているものの、自然吸気車の燃費が20.8㎞/L、ターボ車が18.8㎞/Lとなっている。

ホンダN-BOXのライバル車は? 

ホンダN-BOXは、軽自動車の中でスーパーハイト系というカテゴリーに属する。このカテゴリーでのライバル車は、日産ルークス、スズキ スペーシア、ダイハツ タントになる。このスーパーハイト系は、軽自動車の中で最も人気が高いカテゴリーだ。そのため、各車とても力が入っており、甲乙付け難い。
「N-BOXが売れているから、N-BOXを選んでいれば失敗はない」と思っている人が多い。こうした買い方も確かにありだが、前向きな選択ではない。
例えば、N-BOXに対して、燃費に関してはマイルドハイブリッドシステムを搭載したスペーシアが優れる。また、走行性能面で乗り心地や操縦安定性、静粛性ではルークスとなる。ユニークなピラーレスのミラクルオープンドアをもつタントの使い勝手もよい。

このように、自分が重視する性能が何なのか? が、分かっていると、よりピッタリな1台に出会うことができる。

おすすめグレードは「カスタムのターボ車」

スーパーハイト系の購入を検討する際、「高価なターボ車は必要ない」と考えている人も多い。むしろスーパーハイト系は、ターボ車がおすすめだ。このクラスのモデルは、全高が高く両側スライドドアが装備されているため車重が重い。そのため、自然吸気エンジンでは少々力不足に感じるシーンが多い。しかし、ターボ車であれば、高速道路のクルージングも楽々だ。力不足感はない。
ターボ車の価格は、自然吸気エンジン車より10~15万円位高い程度だ。ターボエンジンになるだけでなく、最上級グレードなので静粛性がアップしているモデルもある。トータルで考えると、買い得感があるのは、むしろターボ車だ。

ホンダN-BOXのおすすめグレードは、カスタムEXターボだ。パドルシフトや15インチホイール、シーケンシャルウインカー、9灯LEDヘッドライトなどを標準装備した豪華仕様である。
基準車のグレードでは、EXターボがおすすめだ。左右パワースライドドア、本革巻きステアリングホイール、パドルシフトなど充実した装備が魅力的である。

ホンダN-BOXの値引きのコツ

1.購入時期をおさえる

N-BOXを購入検討するなら繁忙期と繁忙期明け1月~4月が狙い目だろう。
ホンダN-BOXは、2021年12月に改良モデルが投入された。そのため、しばらくの間は値引きゼロがベースとなる。ただし、国内では1~3月が3月末の決算期と重なるため、新車販売の最繁忙期になる。

とくに軽自動車は新卒需要もあり、販売台数はグッと多くなる。例えば、2021年3月のN-BOXの販売台数は約2.7万台だ。ところが1ヶ月後の4月になると1.7万台しかない。たった1ヶ月で1万台も販売台数が減っている。

つまり4月は買い手が有利な時期で、値引き額も大きくなる可能性が高い。改良直後のN-BOXとはいえ、すでにデビューから4年以上が経過した。モデル後期に入っているので、商談次第では値引き対応するしかない状態だ。
1月~4月が狙い目ではあるが、5月以降も市場の状況で値引きは変わってくるので適宜販売会社の情報を取り入れるようにしておくと良いだろう。

2.ライバル車との競合を取り入れる

値引き交渉で重要なのが、前述したライバル車との競合だ。ライバル車の見積りを先に取り、N-BOXの商談に向かうことをおすすめする。ホンダの営業マンに、ライバル車が本命だと思わせることが大切だ。値引きをしてでもライバル車から顧客を奪いたい、と思わせれば成功だ。
じっくりとN-BOXの説明を聞いた後、一定の値引き額が入った見積りをもらっても、即決は絶対に避けるべきだ。よほどの駆け引き上手か、交渉能力がある人以外、即決してもメリットはほとんど無いからだ。むしろ、商談期間は1ヶ月など長くとる方がよい結果が出やすい。営業マンが痺れを切らせ「いつ買ってくれるのか?」と、迫ってくるくらいがちょうどよい。「もう少し安くなれば、すぐに決めたい」などと焦らしながら徐々に値引き額を引き出すとよい。

3.即決では、大幅値引きの期待薄!

N-BOXの値引き額は、まず挨拶代わりに0~3万円程度から始まり、「買ってくれるのなら10万円」くらいまでは、そう難しい話ではないだろう。その後は、ケースバイケースだ。担当営業マンや店舗、ディーラーのノルマ達成状況などによっても変わる。

値引きを引き出すうえで、判断が難しいのはコロナ禍の影響による半導体不足や部品不足で、納期が長くなっている点だ。本来なら、決算期の3月末までに登録(軽自動車の場合届出)ができることが、大幅値引きの前提になる。「決算までに登録できなければ、大幅値引きはしない」というのが、コロナ禍以前のパターンだ。しかし、生産が通常に戻った後のために、今のうちに受注をしておかないと、ノルマなどの達成ができなくなり、営業マンの収入に影響を与える。このあたりは、商談時に探りを入れるといいだろう。

注意したいのは、コロナ禍で納期が長くなっていることを逆手に取られた商談方法だ。「コロナ禍で現在納期は3ヶ月位。でも、今ならすぐ登録(届出)できる車両があるので、すぐに決めませんか?」というセールストークも十分に考えられる。値引き商談無しに、慌てて即決しないように注意したい。そのためにも、現在乗っているクルマの車検時期などを確認し、余裕をもって商談するとよい。

値引き額そのものは、高価な上級グレードほど値引き額も増えてくると思ってよいだろう。また、メーカーオプションやディーラーオプションを多く装備した場合も同様だ。価格が高い分利益も多くなるので、より値引きができるようになる。と、言っても数万円レベルなので、過剰な期待は厳禁だ。

値引き額アップが暗礁に乗り上げてしまった場合は、ディーラーオプションサービスやコーティングなどのサービスに切り替えるのもよい。現金値引きより、対応してくれる可能性が少し高まる。