近年、キャンピングカー人気が高まっている。時間に余裕があれば、気軽に寄り道できるところが魅力の一つだ。しかし、キャンピングカーを購入するとなると、高額商品だけにリスクはつきものとなる。そんなリスクを排除できるのが、「キャンピングカーをレンタルする」という手だ。キャンピングカー人気の理由や、キャンピングカーで向かうおすすめの場所についても紹介している。

この記事の目次 CONTENTS
1.時間にしばられず気ままに楽しめるキャンピングカー
2.キャンピングカーの人気に拍車をかけた、道の駅
3.アウトドア人気もあり、低予算のキャンピングカーが増加中
4.キャンピングカー初心者にはレンタカーがおすすめ
5.キャンピングカー旅行のおすすめスポット「北海道」

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

1.時間にしばられず気ままに楽しめるキャンピングカー

キャンピングカーが売れている。一般社団法人日本RV協会の調べでは、2017年のキャンピングカー保有台数は、106,200台となった。
10年前となる2007年の保有台数が、59,000台だ。10年で2倍近く保有台数が伸びていることになる。

キャンピングカーを保有するユーザーの多くは、40歳代以上。
40歳代以上のユーザーが、なんと約87%にもなる。その中でも、最も多い世代が60歳代。60歳台は、41%も占める。

マーケットの中心は定年退職後のユーザー

職業別にみると、徐々に伸びているのが定年退職後のユーザーだ。
会社員というユーザーが最も多く約36%を占めるが、定年退職後のユーザーはそれに次ぎ全体の29%を占めるほど。
会社員ユーザーは右下がり状態だが、定年退職後ユーザーは逆に右肩上がり。いずれ、マーケットの中心となる勢いだ。

定年退職後ユーザーが、キャンピングカーを購入した動機として多かった回答は「夫婦二人で旅行を楽しむため」。この回答の割合は、全体の約55%を占める。
次に多かった購入動機は「ペットを連れての旅行に最適」とした人だ。この回答は約40%を占めている。

キャンピングカーで自由に使える時間を楽しもう

定年退職後のユーザーが増えた理由は、自由に使える時間が圧倒的に増えたためだろう。自由気ままな旅に出たいという願望を、キャンピングカーがかなえてくれることが分かる。
休みの期間が限られると、飛行機や新幹線を使い、急いで観光地を巡り数日で帰るというスケジュールになりがちだ。
贅沢な時間の使い方ができるのも、定年後のキャンピングカー旅行の魅力だろう。
目的地までの移動も、気の向くままに寄り道を楽しめる。

2.キャンピングカーの人気に拍車をかけた、道の駅

キャンピングカー人気を支えているのが「道の駅」の普及だ。
従来のキャンピングカーは、限られたキャンプ場や高速道路のサービスエリア、パーキングエリアでの車中泊が中心だった。
しかし、24時間開放された駐車場やトイレがある「道の駅」が普及したことで、安心して車中泊できる場所が増えたのだ。
それだけでなく、たくさんの「道の駅」があることで、経由地の選択肢が増え、より旅が楽しめるようにもなった。

3.アウトドア人気もあり、低予算のキャンピングカーが増加中

キャンピングカーの選択肢が増えたのも、ユーザーを増やしている理由だ。
従来のキャンピングカーは、かなり豪華なものが多く、車両代まで含めると1,000万円を超えるものもザラだった。

ところが、車中泊が流行ると、自動車メーカー各社は車中泊しやすいモデルを多数送り出した。
シートがフルフラットになったり、折り畳むとテーブルになる軽自動車やコンパクトカーが、多くデビューしたのだ。こうしたモデルをベースに、より使いやすく自分で改造する本格派もいる。

コストを抑えるなら軽自動車の1BOXがおすすめ

保有コストを抑えるために、軽自動車の1BOXを使ったキャンピングカーも増えた。
軽自動車の1BOXは、商用バンということもあり車内が広い。この広さを生かした仕様が多く、かなり高効率化されている。
車内は2名での就寝と割り切り、装備もシンプルにすれば、車両代+50万円前後からと、リーズナブルに購入が可能となっている。

中古車ベースでオリジナルキャンピングカーを製作!?

中古車をベースとしたキャンピングカーもある。新車にこだわらなければ、よりリーズナブルにキャンピングカーを製作することが可能だ。
中古のキャンピングカーマーケットも成熟しており、新車より安価に手に入れることができる。

4.キャンピングカー初心者にはレンタカーがおすすめ

いきなりキャンピングカーを購入というのも、初心者にはかなりハードルが高い。高額商品なので、購入に失敗したらかなりの痛手になる。
そうならないために、まずはレンタカーで借りてみるのをおススメする。キャンピングカーブームということもあり、最近ではレンタカーも充実している。
まずは、自分好みのキャンピングカーを借りて、使ってみるといいだろう。一度使えば、本当に必要な装備の有無なども分かってくるはずだ。

必要な時に使える、これこそレンタルのメリット

キャンピングカーのタイプによっては、日常的な生活の足としての使い勝手は悪くなる。
その上、車両のメンテナンス代の他、装備類のメンテナンス代もかかる。

使用頻度が少なければ、必要なときにキャンピングカーを借りるというのも賢い手だ。キャンピングカーのレンタルも最近人気が高い。

5.キャンピングカー旅行のおすすめスポット「北海道」

キャンピングカーは、広大で自然豊かな場所で使用する人が多い。特に北海道は、「キャンピングカーの聖地」とも呼ばれているほど人気が高いスポットで、多くのキャンピングカーユーザーが全国から訪れるという。

現地でレンタルし、時間を有効活用する

おススメしたい使い方は、北海道まで飛行機や新幹線で行き、キャンピングカーは借りるという手法だ。

首都圏からキャンピングカーで北海道を目指すとなると、かなりの時間が必要になる。一般的な家庭では、長期休暇をとるのは難しい。
定年後のキャンピングユーザーのように気ままに道程を楽しめる人は問題ないが、忙しい現代人であれば目的を「キャンピングカーユーザーの聖地で過ごす」に定めた方がよさそうだ。

とはいえ、北海道の自然の中で、キャンピングカーで過ごす休日は、日常では味わえない贅沢だ。

キャンピングカーを使って自由自在に大自然を満喫

北海道はあまりに広いため、移動にはクルマが便利だ。電車やバスだけでは、移動範囲が限られる場所でもある。
キャンピングカーなら宿泊する場所に縛られず、自由自在に北海道らしい大自然を満喫できる。
それこそ、北海道の「道の駅」を巡るのも良い。

子供がいる家庭なら、少し大きめなキャンピングカーを借りて旅するのもいい。
キャンピングカーをホテルと比べると不便だが、協力して色々な役割を分担することで家族の一体感も生まれる。
家族の絆を深め、一生の思い出にもなるだろう。