マツダCX-8は3列目シートをもつSUVである。2列目をラグジュアリー仕様にした6人乗りと一般的な7人乗りの2タイプが用意された。CX-5よりも大きなボディとなるその走りはマツダらしく運転することが楽しいモデル。高級車らしい上質な乗り心地と静粛性を兼ね備えたマツダCX-8の試乗レポートをお届けする。

この記事の目次 CONTENTS
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マツダのフラッグシップSUV!
3列シートも用意された大きなボディ
パワフル且つダイレクト感ある走行フィーリング
ドライバーの安心感を高めてくれる「躍度」
躍度が低く乗りやすいCX-8
悩みどころはCX-5と酷似したデザインか?
マツダCX-8価格

マツダのフラッグシップSUV!

マツダCX-8は、国内のマツダ車としてフラッグシップモデルに位置するSUVだ。マツダは、ミニバンの開発をしないと表明。こうなると、プレマシーやMPVに乗る顧客の受け皿がなくなってしまう。その受け皿になればという思いもあって生まれたのが、国内専用車として開発されたCX-8だ。

しかし、スライドドアを持ち広い室内を誇るプレマシーやMPVに乗る顧客向けにCX-8を提案しても、乗り換えてもらえることは少ない。これは、マツダも十分に理解している。「まぁ、わずかでも乗り換えてもらえるのなら・・・」という程度だろう。
 

狙いは新規マーケットの開拓か

狙いは新規マーケットの開拓という意味もある。他社を含め、子供が小さいなどの理由からミニバンに乗ってきた家族が、子供が大きくなり親元を離れミニバンが必要無くなったというパターンが多く出てきている。こうした顧客に向けて、流行りのSUVで、いざという時に多人数乗車できるという利便性をアピールしCX-8に乗ってもらおうという狙いもある。CX-8はラグジュアリー感もあるので、6人乗りなら高級セダンからの乗り換えユーザーも狙える。

国内のSUVには、エクストレイルやアウトランダーなど多人数乗車のSUVはあるものの、全長が短いため実用的とは言えない状況だ。一回り以上大きなCX-8なら、実用面でも使える多人数乗車のSUVということで価値がある。マーケットは小さくても、ライバルがいないので勝算も高い。

3列シートも用意された大きなボディ

CX-8の外観デザインは、とにかくCX-5に似ている。そのため、CX-5のロングホイールバージョンかと思いがちだ。まぁ、どちらも似たようなものなのだが、CX-8は国内には導入されていないCX-9をベースに開発された。

CX-8のボディサイズは全長4,900×全幅1,840×全高1,730mm、ホイールベース 2,930mmとなった。CX-5に対して全長で+355㎜、全高で+40㎜、ホイールベースは+230㎜も大きくなっている。

この大きなボディということもあり、3列シートが成立している。3列目まであるので、2列目シートを最後方までスライドさせると、足元は広々としている。この広さもあり、CX-8には7人乗りだけでなく6人乗りも用意している。6人乗りは、アームレスト付きコンソールボックスが装備されていて、ラグジュアリー感あふれる仕様になった。

但しミニバンのような3列目ではない

大きなボディも手伝って、3列目シートへのアクセスは、他のSUVに比べれば上々といえるだろう。しかしそれでも、ミニバンなどと比べると明らかに移動しにくい。とくに、ミニバンと比べると全高が低いため、腰を曲げたまま移動しなくてはならないので、意外と腰に負担がかかる。

シートに座ると、なんとか乗れるといった印象。頭上や足元のスペースは、広いとは言えない。大人でも乗れるものの、長時間乗りたいと思うシートではない。やはり、短距離用として割り切って使える人向けだ。

荷室スペースは、3列目シートを使った状態で239Lを確保。3列目シートを倒すと572Lの荷室容量となる。床下容量65Lのアンダーカバーボックスがあるので、それほど広い荷室ではないが、使い勝手は良い。

パワフル且つダイレクト感ある走行フィーリング

新型マツダCX-8の搭載エンジンは、SH-VPTS型と呼ばれる2.2Lの4気筒ディーゼルターボだけと割り切った設定。最新のCX-5と基本的に同じエンジンだ。最高出力は190ps(140kW)、最大トルクは45.9kg-m(450Nm)となる。このエンジンに組み合わされるミッションは6速AT。最新のディーゼルエンジンということもあり、燃費は良好でFF車で17.6㎞/Lとなった。

450Nmという大トルクがあることもあり、CX-5よりも200kgほど重い1,800㎏前後の車重でも、力強い加速を誇る。高速道路では、余裕たっぷりといった印象。ホイールベースがCX-5より大幅に伸びたこともあり、直進安定性も抜群だ。その分、キレのいいハンドリング性能はやや薄れているが、ステアリング操作に対してしっかりと反応するので安心感が高い。

進化した高い静寂性!

静粛性もCX-5に対して遮音・吸音材が追加されていることなどもあり、静粛性はかなり高い。気になるディーゼルエンジンのガラガラとした音は、ほとんど室内に入ってこない。ただ、車外音はそれなりに賑やかで、早朝や深夜などででは近隣の住宅に住む人に対して多少気を使うかもしれない。

6速ATも相変わらずキレのあるシフトとダイレクト感ある走行フィーリングは秀逸だ。しかし、多段化が進むATが多い中、もはや6速ATというだけで古さを感じてしまう。多段化したミッションがあれば、より進化したディーゼルエンジンの魅力をさらに引き出せるはずだ。

ドライバーの安心感を高めてくれる「躍度」

CX-8を含め、最近のマツダ車は運転操作に対して、忠実に反応してくれる。これは、多くのドライバーに安心感を与えてくれる。マツダは、こうしたクルマの動きを「躍度」という指標で評価している。

躍度の意味は、かなり難しいので割愛するが、端的にいえばクルマが急な動きで挙動が乱れたりすると「躍度」が高くなる。つまり、急な動きや意図しない動きが出ないようにチューニングされているのだ。

躍度が低く乗りやすいCX-8

これが乗りやすさにつながっている。とくに、雪上などの滑りやすい場所で乗ると、その差が明確になる。唐突な動きがあまりでないので、安心して走れる。ドライビングスキルのあるドライバーなら、より積極的にクルマをコントロールしながら走ることも可能だ。

CX-8も雪上では、重く大きなボディながら、身体の揺れが少ない滑らかなコーナリングをみせた。また、優れた接地フィールが好印象。荒れた路面でも足がしなやかに動いて不安感がない。気が付くと、かなりのハイスピードになっているくらいだ。

悩みどころはCX-5と酷似したデザインか?

新型マツダCX-8の悩みどころは、デザインかもしれない。デザインがダメとかではなく、あまりにCX-5と酷似していることが理由だ。国内ではフラッグシップモデルなのだから、もう少し差別化ポイントが欲しいところだろう。

フラッグシップモデルということで、乗り心地や静粛性などは高いレベルにまとめられている。また、直進性もよく450Nmという大トルクもあり、余裕あるクルージングが得意。そして、歩行者検知式自動ブレーキなど先進予防安全装備も高いレベルにある。マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)は、全車速対応で渋滞時にも対応。

先進装備なども含め、ドライバーが疲れを気にせずどこまでも走り続けることができる「ラグジュアリーな超ロングツアラー」的性格をもつモデルがCX-8と言ってもいいだろう。

マツダCX-8価格

・XD(6人乗り/7人乗り)(6EC-AT) 2WD 3,196,800円 / AWD 3,429,000円
・XD PROACTIVE (6人乗り/7人乗り) 2WD 3,537,000円 / AWD 3,769,200円
・XD L Package(6人乗り) 2WD 3,958,200円 / AW 4,190,400円