この記事の目次 CONTENTS
BMW7人乗りまとめ
X5「xDrive50i 」7人乗りオプション
2シリーズ グランツアラー
目的によって選ぼう

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

BMW7人乗りまとめ

日本ではファミリーを中心に根強いニーズがある7人乗り。現在のBMWのラインナップにある7人乗りは、X5と2シリーズのグランツアラーの2モデルのみである。そこで今回は、この2種類のサイズや燃費、走り、中古車情報をご紹介したい。

X5「xDrive50i 」7人乗りオプション

・サイズ :全長x全幅x全高(mm) 4,910x1,940x1,760
・新車価格:1,219万円〜

2000年に登場した、BMWが展開するハイエンドSUVの元祖と言える存在がこのX5だ。BMWラインナップでは屈指の大きさを誇る。全幅1935mmもあるこの大型SUVは、2007年と2013年のフルモデルチェンジを経て、現在は第4世代になっている。。

X5 xDrive50i_外観

3列シート7人乗りはオプションであり、xDrive50iグレードを選ぶと7人乗りを選ぶことができる。高級感のあるインテリアを備えており、車内にいる時のラグジュアリー感は流石。背の高いフォルムも手伝って頭上は広々としている。

3列目はオプションということもあり、オプション無しのX5に比べると広々とした居住性は減少し、2列目3列目は若干窮屈だ。極端ではないので、短距離の移動には十分ではあるが、3列目に大人が長時間乗る想定なら、他の車も考えた方が良いだろう。

先代のコンセプトを受け継ぎつつ、利便性を高めた

X5 xDrive50i_荷室

あれこれ荷物を載せることも多いミニバンだけに、気になるのがラゲッジルーム。現行モデルのX5先代モデルに比べ30L拡大し620Lとなった。大柄なボディをもつX5なので、小柄な女性だとラゲッジルームの奥にある荷物には手が届かないくらいの奥行を誇る。

このラゲッジルームは、上部と下部に分かれて開閉する2分割式のテールゲートを装備。。当然、このクラスなので、テールゲートには、オート機能があり自動で開閉できる。下部テールゲートをオープンしないと大きな荷物を載せることはできないが、小さな荷物なら上部のテールゲートだけで充分なので使いやすい。

また下部をオープンすることで自転車の前輪を室内に誘導する補助となり、積み込みがしやすくなるといった工夫もなされている。。自転車搭載にふれたが、搭載性能は抜群。3列目のシートは折りたたんでフラットな面ができる設計になっており、収納スペースの面でも非常に充実している。

リセールバリューを高めるM Sport

ラグジュアリーな大型SUVであるX5。その中でも7人乗りにすることができる iDrive50iは価格も1,219万円〜と高価だ。7人乗りオプションを追加するとさらに値段が上がる。短期で乗り換える場合、リセールバリューが高いM Sportが、よりかしこい選択。

他方で「長く乗る予定なので、買値が安いのが大事」という人は、中古車を視野に入れると良いだろう。このX5は2013年にモデルチェンジして5年目になる。中古車の在庫もかなり増えてきており、年式が新しいもの、走行距離が短いもの、よりリーズナブルなものなど、豊富な選択肢からピッタリのクルマが見つかるだろう。

2シリーズ グランツアラー

・サイズ :全長x全幅x全高(mm) 4,565x1,800x1,645
・新車価格:393万円〜

2015年にデビューした7人乗りミニバンのグランツアラー。こちらは全グレード3列7人乗りのみの展開である。そのサイズはX5より一回り小さく、カーゴスペースや車内の居住性は狭い。だが、車幅が1800mm以下に収まっているため扱いやすく、日本の駐車環境を考えると嬉しいポイントだ。

グランツアラー_外観

アクティブツアラーを大きくした7人乗り

グランツアラー_外観_横

グランツアラーのボディサイズは、全長で4,565mm、全高が1,800mmという数字は比較的コンパクトな部類に入るが、3列目シートを備えた7人乗りに仕上がっている。

背の高いFFミニバンである2シリーズグランツアラーでは、3シリーズのような軽快さを求めてはいけないが、2シリーズアクティブツアラーよりも長いホイールベースと重たい車重のお陰で、背の高さを感じさせない安定感のある走りになっている。

使い勝手よしの3列目シート

グランツアラー_荷室

シートレイアウトは2+3+2。2列目シートは、40:20:40の3分割タイプとなった。プジョー5008のように3名用の独立したシートが用意されたものとは違い、国産車でよく見かける1列に連なったシート。特に中央のシート幅はやや狭い。2列目の定員は3名だが、大人がゆとりをもって乗れるのは2名までだろう。

そして、注目の3列目シートはかなり狭い。大人には役不足なシートであり、子供専用といっても過言ではないだろう。

だが、レバー操作ひとつで50:50に分割しフロア下に収納することができるタイプなので、使い勝手は良い。3列目シートは、フロア下に収納すると、ラゲージルームの容量は560Lになり、ワゴンモデルのような使い方が可能だ。また、2列目シートを倒し、3列目シートを収納するとラゲッジスペースは1,820Lに拡大。フロアは、ほぼフラットになり、大量の荷物も収納することができる。

より経済的なクリーンディーゼルがオススメ

グランツアラー_インパネ

グランツアラーに搭載されるパワーユニットは、ガソリンが2タイプとクリーンディーゼル1タイプが用意された。「大きなクルマが欲しい、でも維持費が気になる」という人にはクリーンディーゼルモデルがおすすめ。 新世代の2.0L直4クリーンディーゼルが用意され、150ps&330Nmを発揮。最大トルクは3.0L以上で、1,570㎏の車重に対して余裕ある走りができる。これだけパワフルなのに、21.3㎞/Lという低燃費なのも特徴だ。

グランドツアラーの新車価格は393万円〜であり、X5と比べるとお求めやすい価格である。新車購入を検討する際は、20万円追加してディーゼルエンジン搭載の218dを選ぶと、維持費が抑えられる。また、人気のM Sportsを選択するとリセールバリューが高まるので、これもオススメだ。

目的によって選ぼう

「大は小を兼ねる」とはよく言ったもので、多くの人や荷物がのせられると便利なシーンは多いもの。大家族はもちろん、普段は4~5人しか乗らないが帰省の時などは大人数で乗りたい、レジャーの道具を載せたいなど、7人乗りの車へのニーズは依然根強い。

2つのBMW7人乗り車種を紹介してきたが、この2車種は対照的な2台だ。BMWらしいラグジュアリーと「走り抜ける歓び」を求めるならX5。小回りがきいてタウンユースで経済性を重んじるならグランツアラーをおすすめしたい。

ただ、特に価格が高いX5だと「ちょっと手が届かない」という人もいるだろう。他方で、「せっかくBMWに乗るのだから走りに妥協したくない」という気持ちも分かる。そんな人は、X5の先代モデルなども視野に入れて検討してみてはいかがだろうか。中古車相場も下がっており、手頃な価格で購入できる可能性が高いだろう。