死角に入っているクルマに気がつかずに車線変更しようとして、ヒヤッとした。そんな経験は、誰もが一度はあるはず。
そのヒヤッを軽減してくれるのが、後側方車両接近警報。メーカーによって名称が異なるが、ブラインドスポットモニターと呼ぶことが多い。

この記事の目次 CONTENTS
ブラインドスポットモニター(後側方車両接近警報)とは
目視だけでは不安な高齢者や初心者ドライバーにもおすすめ
自動車メーカー各社の後側方車両接近警報名称

ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

ブラインドスポットモニター(後側方車両接近警報)とは

こうしたよくありがちな接触事故を無くすために開発されたのがブラインドスポットモニター(BSM)。その他、ブラインドスポットインフォメーション、後側方車両検知警報などとも呼ばれている。こうした機能は、後側方にいる車両を検知した場合、ドアミラー内やドアミラーの取り付け部など、クルマにより違うがランプが点灯するなどし、接近しているクルマの存在を教えてくれる。その状況で、さらにハンドルを切り始めたり、ウインカーを出したりすると警報が鳴りドライバーに注意喚起してくれる。車種によっては、ハンドルに反力や振動を与え、車線変更を止めるように注意喚起するモデルもある。

こうしたブラインドスポットモニターという機能も、次世代の自動運転の基盤技術ともいえるもの。車種によって異なるが、車両後方に取りつけられたレーダーなどで接近するクルマを検知する。

夜間だけでなく悪天候時やトンネル内での役割も大きい

車線変更くらいちゃんと目視してやっているので、こんな機能は必要ない! と、思う人もいるだろう。ところが、晴れた昼間ならなんの問題も無いかもしれないが、雨や雪、夜間、トンネル内などクルマの周辺を確認しにくい環境になったときほど、このブラインドスポットモニターの役割が大きくなる。

こうした見にくい場所で、接近してくるクルマが無灯火だった場合、ほとんど目視では確認できない状況になり、接触する可能性は非常に高くなるのだ。そんなとき、ブラインドスポットモニターがあれば、センサーがドライバーをフォローしれくれるので、他車との接触リスクは大幅に下がる。
特に、夜間によく走る人には安心できる機能だ。自動ブレーキなどは、作動した瞬間はとんでもなく危険な状況になってから回避する機能だが、ブラインドスポットモニターは他車の接近という比較的軽度なリスクで注意喚起してくれるので、日常的に役に立つ機能でもある。

どんな動きをするもの?

例えば、マツダのブラインドスポットモニタリング(BSM)は約15km/h以上での走行時にリヤバンパーの内側に設置したレーダーで隣車線上の側方及び、後方から接近する車両を検知。検知した側のドラミラーの鏡面に備えたインジケーターの点灯でドライバーに通知する。その状態でウインカーを操作すると、インジケーターの点滅と警報音で警告し、車線変更の中断を促する。この機能を採用しているメーカーは、ほとんどがリヤバンパーなどに設置したレーダーでクルマを認識し、ドライバーに通知するというもの。
通知方法は、各社それぞれでドアミラーの鏡面部だったり、ドアミラーの付け根部分だったり、車内のAピラーだったりと場所が異なる。

目視だけでは不安な高齢者や初心者ドライバーにもおすすめ

このブラインドスポットモニターは、とくに高齢者や初心者、クルマに不慣れなドライバーには絶大な安心感を与えてくれるのでおすすめな装備のひとつだ。高齢者は、まず視野が狭く、明暗に慣れるまで時間がかかり、遠近のピント機能も衰えている。見ているつもりでも、他車が視野に入っていなかったり、トンネル内では明暗に慣れず発見が遅れたりし車線変更時に接触事故を起こす可能性が高い。ブラインドスポットモニターが装備されていれば、衰えた人間のセンサーを最新のテクノロジーがフォローし安心して車線変更ができるようになる。

また、初心者やクルマに不慣れなドライバーは、前方を注視するだけでいっぱいいっぱい。そのため、車線変更するためにドアミラーを確認したり目視するだけでも大変。運転に自信が無いので、車線変更時には常に接触のリスクと戦いながら、もの凄くストレスを溜めている。ブラインドスポットモニターがあるだけで、自分の目視だけでは不安だったものが最新技術により一定の安心感がプラスされる。車両変更時に感じるストレスから解放されるのだ。

車線変更は、クルマに乗れ人なら誰でも行うこと。ブラインドスポットモニターは、後側方の安全を確保するだけでなく、高齢者の衰えたセンサーをフォローし、初心者などのストレスさえも軽減してくれる機能と言える。ストレスが軽減されれば、クルマに乗ることも楽しくなるだろう。

自動車メーカー各社の後側方車両接近警報名称

後側方車両接近警報名称は各社によって名称が異なる。

メーカー 名称
トヨタ ブラインドスポットモニター 
日産 BSI(後側方衝突防止支援システム)/BCI(後側方車両検知システム) 
ホンダ ブラインドスポットインフォメーション 
マツダ BSM(ブラインド・スポット・モニタリング) 
スバル スバルリヤビークルディテクション 
メルセデス・ベンツ レーダーセーフティパッケージ
BMW アクティブサイドコリジョンプロテクション/レーンチェンジウォーニング
アウディ アウディサイドアシスト
フォルクスワーゲン ブラインドスポットディテクション
プジョー/シトロエン/フォード/ジャガー・ランドローバー ブラインドスポットモニター 
ボルボ BLIS(ブラインドスポットインフォメーションシステム)
ゼネラルモータース サイドブラインドゾーンアラート
フォード BLIS(ブラインドスポットインフォメーションシステム)