アウディA1

 

<強気の価格設定。1クラスの上のCセグメントカーが買える!>

アウディA1アウディは、コンパクトカー 「A1/A1スポーツバック 」に、シリンダー休止システム、シリンダー オン デマンド(cylinder on demand)を搭載したモデルを設定し発売を開始。このシリンダー オン デマンドにより、燃費&パワー共にアップした。

アウディA1は、アウディブランド中、最もコンパクトなモデル。2011年にミニ をライバルとして投入された。プレミアムコンパクトという位置付けのため、スポーツバックのエントリーモデルの価格は300万円オーバーとかなり強気の価格設定がされている。しかも、ひとつ上のクラスであるCセグメントのゴルフ やV40 、Aクラス などが300万円を大幅に切るプライスで売られている状況。その上、A1は基本ハードをフォルクスワーゲン ポロと共用する。そのポロが約228万円で売られている。こういった状況を考えると、いかにアウディブランドとはいえ、A1の価格が高価であるという印象は拭い去ることは難しい。

とはいえ、A1シリーズのボディサイズは全長4m弱。全幅こそ1,745㎜程度とややワイドだが、全長ベースでは、フィット やアクアといった国産コンパクトカーと同等。さらに、最小回転半径は5mと、道の狭い日本でも使いやす。

デビュー当初のA1シリーズの燃費は、1.4L TFSI ガソリン直噴ターボエンジンと、7速Sトロニック デュアルクラッチトランスミッションの組み合わせで17.8㎞/Lを達成。当時こそ、トップレベルの低燃費だったものの、現在の急速に進む低燃費化の波には乗れていない。

そこで、A1シリーズに新たに投入されたのが、最新の気筒休止システム シリンダー オン デマンドだ。すでに、ゴルフ7やポロブルーGTに搭載されているもの。この気筒休止システムは、エンジンが低負荷時に4気筒中2気筒を休止して低燃費化を図る。4気筒から2気筒への切り替えは自動。驚きなのは、2気筒での走行中も、ほとんど振動を感じないほど洗練されている。当然、燃費は17.8㎞/Lから20.5㎞/Lへ大幅に向上。さらに、排気量は同じなのに、パワーも122psから140PSへ、トルクも200Nmから250Nmへ、こちらも大幅向上となった。

もはや、これだけパフォーマンスがアップすると、A1シリーズの選び方はシリンダー オン デマンド搭載車を中心に選びたい。ただし、価格設定が高いのが悩みの種となる。シリンダー オン デマンドの価格は、A1が314万円でA1スポーツバックが334万円。ひとクラス上のAクラスが292万円で、同じエンジンを搭載したゴルフ310.9万円だ。ボディサイズが大きいクラスが上のモデルより高価ななのだ。

ベースを共有するポロ ブルーGTの価格は、273.2万円なのでA1スポーツバックより、約61万円も安い計算となる。いくらプレミアムコンパクトとはいえ、さすがにこの差はよほどアウディファンでないと選びにくいだろう。

さらに、ベースを共用するポロはモデル末期。2014年度中にはフルモデルチェンジも予定されている。当然、現在のモデルでは追突被害軽減自動ブレーキであるブレーキアシストやレーンキープアシスト、全車速追従式クルーズコントロールなどの先進安全装備が装着できない。ゴルフ7が装備されているだけに物足りなく感じるはず。それだけに、フルモデルチェンジされれば、大幅に先進安全装備も向上するので、そちらに期待は高まるのは当然だ。

A1シリーズだけではなく、ポロも同様で、フルモデルチェンジが近いモデルを今買いなのか? と、問われると非常に難しい。基本は、待てればフルモデルチェンジまで待つのが正解。待てない場合、少なくとも大幅値引きが前提となるだろう。

・A1 cylinder on demand価格:3,140,000円
・A1 Sportback 1.4 TFSI cylinder on demand価格:3,340,000