<スタイリッシュで高級感ある内装だが、ライバルとの価格競争力は?>

レクサスHSレクサスHSは、レクサスブランド初のハイブリッド専用セダンとして多くの期待の中デビュー。高額車中心のレクサス店では、法人名義での車両購入が多い。販売台数を伸ばすためには、個人名義でクルマを購入する顧客を増やさなくてはならない。そんな中、当時400万円を切る価格で登場したHSには、多くの個人の顧客をレクサス店へ呼び込むことができるものと期待された。

しかし、トヨタブランドのサイと基本部分を共用していることや、国産車セダンの人気がないことなどで、想像以上の苦戦を強いられる。2013年1月には、レクサスの新デザインの象徴ともいえるスピンドルグリルを装備し、マイナーチェンジするもよい結果とはならなかった。

HSの販売を難しくしているのは、やはり、トヨタブランドで、より安価な姉妹車サイ があること。さらに、今となっては、より低燃費性能を高めたハイブリッドシステムを搭載しながら安価なカムリハイブリッドがある。こうなってしまうと、レクサスブランドだからといって容易にHSを選ぶ理由があまりない。そんなこともあり、カムリハイブリッドが一番人気という結果になっている。

さらに、HSは価格設定が高価過ぎる。エントリーグレードでも4,217,143円。この価格は、クラウン ハイブリッド アスリート4,217,143円と同じ。クラウンはFRで、HS250hはFF。そのうえ、クラウンハイブリッドの方が燃費がよくパワフルだ。コストもクラウンハイブリッドの方が上。こうなってしまったら、やはり売れる理由が見当たらなくなる。

だからといって、放置するわけにもいかない。そこで投入されたのが、特別仕様車ハーモニアス レザー インテリア2(Harmonious Leather InteriorⅡ)。バージョンCをベースに、より専用の装備で高級感をプラスしたモデルだ。

シートには、バイオレットを差し色とした専用ブラックレザーを採用。ドアトリムなどには、ホワイトゴールドの専用本木目やメローホワイトの表皮カラーを配し、洗練されたブラック&ホワイトの室内空間を実現した。ボディカラーには、特別色スターライトブラックガラスフレークを含む全11色を設定している。

この特別仕様車ハーモニアス レザー インテリア2の価格は、4,630,000円となっている。ベースであるバージョンCの約15万円アップとなる。約15万円でこれくらい高級感がアップしてるのであれば、ややお買い得感がある仕様といえるだろう。上級仕様のバージョンI(4,834,285円)が少々高価なので、ベース車のバージョンCとの価格の隙間を埋めている特別仕様車。

特別仕様車の4,630,000円という価格は、他社のライバルと比べても高価な印象が強い。この価格帯は、BMW 3シリーズ やメルセデス・ベンツ Cクラス がターゲットになる。ややHSの方が装備類はよいが、FR車の欧州強豪セダンと渡り合うためには、単にハイブリッド高級セダンというだけでは勝負にならない。走行性能を含めたトータルの総合力アップが必要だろう。

また、今回の特別仕様車の追加と同時に、HSに一部改良が行われた。家庭用と同じアクセサリーコンセント(AC100V・1500W / センターコンソール後部・ラゲージルーム内)をオプション設定し、災害時などに非常用電源として利用可能としている便利な機能だ。

こういった装備が、オプション設定となってしまうのが、レクサスの営業戦略上のマイナス面だろう。ハイブリッド車のメリットは、燃費以外に外部給電できる機能にある。トヨタブランドならオプションでもよいだろうが、レクサスブランドで、こういった差別化できる装備がオプションとなると、とても500万円に近いクルマとは思えなくなってくる。

価格:4,630,000円