ハイブリッドはもう燃費だけじゃない。

今回のモーターショーのテーマは「世界にまだない未来を競え。」ということもあって、
環境に配慮したクルマに各社注力しています。
スポーツカーであっても、ハイブリッドであるなど低燃費を意識。ハイパワーなクルマは
ガソリンをたくさん消費するイメージが強いと思いますが、今回出展されているスポーツ
カー達は「パワーがあっても低燃費。」というのを強調したつくりになっています。ハイ
ブリッド車も次の段階にきているということでしょうか。燃費だけじゃなくて、走りも良
いという方向に向かってきていますね。

燃料の無駄遣いのイメージが強いレース業界でもハイブリッドの波はF1やル・マンなどに
も押し寄せており、F1は全車がハイブリッド(KERS[Kinetic Energy-Recovery System])
を採用。ル・マンの優勝車もハイブリッド車なのです。導入のきっかけなど多少の差はあ
るものの、モーターとエンジンをうまく組み合わせてパワーを出しているのです。

前回より大幅に増えたワールドプレミア。

国産車で注目したいのは3台。まずはホンダの「NSXコンセプト」でしょう。NSXと言えば、
90年代のホンダの第2期F1参戦を機に「世界に通用するHondaの顔を持ちたい」との願いか
ら開発された、コアなファンを持つ一台。

ミッドシップ(運転席と後輪の間にエンジンを配置し後輪を駆動する形式を指す。操縦性と
駆動性能が高く、F1などスポーツレーシングカーに多く採用されている)で、アルミボディ
により車体を軽くしたホンダらしい一台です。

2006年12月に生産終了となっていましたが、今回ハイブリッドで復活。まさに、走りをたの
しめるハイブリッドとなるでしょう。コンセプトカーとしての出展ですが、市販車に近い感じ
になって出てきているので非常に楽しみですね。

あとは「S660コンセプト」です。昔のビート(こちらもミッドシップの2シーター。1996年
1月に生産終了)が現代版として再登場します。同じく生産終了しているダイハツのコペン
(2012年9月に生産終了)も復活予定で、このコンセプトカーが出展されます。

実用性を重視してつくられてきた軽自動車なのに、逆の方向性であるデザインや走りに向いて
いるこれらのクルマは、新しい楽しみ方としてとてもいいと思います。

輸入車の注目車両はやはり、テスラ社の「モデルS」になるかと思います。テスラ社自体、二人
乗りの電気自動車を販売していましたが、東京モーターショーに初出展ですからね。これは人気
が高くなると思います。今後、日本での販売に力をいれてくるのではないでしょうか。

個人的には「86(ハチロク)」のオープンカーも楽しみです。
もう少し安いとよりいいのですが、、笑。

コンセプトカーの半分以上は市販されずに終わります。上記の3台のような、最新技術をすぐに
使えるようなわかりやすいカタチにしたクルマや、普段乗っているクルマが近い将来どうなるの
かということがモーターショーのもう一つの楽しみだと思います。

おすすめは平日に。回る前に優先順位をつけてからどうぞ。

行くならやはり平日をおすすめします。土日は人が集中するので、なかなかゆっくりみられない
ものです。かつ、会場全体マップが必ず入り口付近にあるので、そこで自分が見たいものをしっ
かり狙って動くことが重要です。本当に広いので、全部回るのはかなり大変。優先順位を決めて
動きはじめることをおすすめします。ネット上で予習していくのも楽しみを倍増させるコツのひ
とつです。

ハイブリッドを代表とするエコカーが環境に対してだけでなく、走りの楽しさにも注力の幅を拡
げてきていることが如実にわかる面白い回になると思います。お子さんからおじいちゃんまで、
色々な世代で楽しめるイベントです。仲間で家族でぜひ足をお運びください。


ガリバー自動車研究所 国内自動車市場における動向調査を行うことを目的に2000年に設立された研究調査機関です。
ガリバー自動車研究所では、クルマに関する人気動向、季節や行事、時事とクルマの関係性、
リセールバリュー(登録商標第4888249号)などあらゆる角度から調査と分析を行い、レポートを
発表しております。
URL:https://221616.com/resale/

ガリバー自動車研究所所長 鈴木 詳一 福島県いわき市出身。ガリバー入社後、店長・査定部の経験を活かし「リセールバリュー」の
算出、価格予測や中古車の人気傾向を中心としたデータを提供。

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