＜Qシリーズ初のSモデルであり、Q5の最上級グレードとしての価値＞
アウディは、ミッドサイズSUVであるアウディQ5に、スポーティなルックスと走りプラスしたスポーティグレード、アウディSQ5を設定し発売を開始した。SQ5のベースとなるQ5は、2009年に日本デビューしたミドルクラスのSUVだ。ミッドサイズとはいえ、全幅は1,910mmもあるので、日本の狭い道では神経を使うくらい大きなボディサイズを持つ。そんな現在のQ5には、2.0Lターボと3.0Lスーパーチャージャーを搭載している。また、SUVでハイブリッド車を用意しているのもユニーク。このハイブリッドモデルは、2.0Lターボをベースとしている。ただ、レース界では、ディーゼルエンジンで好成績を上げているアウディだけに、ファンにとって期待したいのはクリーンディーゼル車のラインアップだろう。そんなQ5は、デビューから4年が経過し、そろそろモディファイが必要な時期となってきている。そんなタイミングで、再びマーケットにQ5の存在感を与えるために投入されてきたのが、最もスポーティなグレードとなるSモデルなのだ。
アウディのSモデルは、スポーツモデルの中では中間的な位置にある。最もアグレッシブでハイパフォーマンスで高価なRS、適度なスポーティさと手の届きやすい価格アップに押さえたモデルがSとなっている。今回のSQ5は、Qシリーズ初のSモデルだけに注目度は高い。
SQ5に搭載されるエンジンは、V6 3.0L TFSI エンジンを搭載。このエンジンは、スーパーチャージャーで過給され、最高出力354ps、最大トルクは470Nmを発揮する。組み合わされるミッションは、8速ティプトロニックだ。通常のQ5は272ps＆400Nmなので、かなりパワフルになった。
燃費はSQ5が10.8㎞/Lで、3.0LのQ5が11.1㎞/L、2.0LのQ5が12.5㎞/L、Q5ハイブリッドが12.7㎞/L。どれも特別燃費が良いとは言えない数値ではあるものの、パワフルなSQ5の燃費が一番悪い結果となっている。ただ、3.0LのQ5との差はわずか0.3㎞/L。これだけパワーアップしていることを考えれば、十分納得できる燃費と言えるだろう。
スポーティなSモデルだけに、スタイル＆走りの部分でもQ5とは異なる。エクステリアは、専用デザインのシングルフレームグリルとなり、Q5と差別化。プラチナグレーのダブルクロームバーが、プレステージ性とスポーティさを強調。ハイパワーを支えるため、足回りはスポーツサスペンションが装着され、車高は30mmローダウンされている。ローダウンされたことにより、塊感あるスタイリングがより一層アピールされている。さらに、アルミニウム調のドアミラーや、20インチホイール、 リヤディフューザー、リヤスポイラーなどを備え、Sの名に恥じないエキサイティングな走りを予感させるものとなった。そして、アウディといえばAWDだ。AWDのクワトロシステムは、ハイパワーモデルをより安定・安心して使えるのが特徴。通常時は前後輪に40:60の割合でトルクを配分。走行状況に応じて、トルク配分を70:30 から85:15 の範囲で素早く変化させる。
SQ5のように大きく重いクルマのコーナリング性能を高めるため、トルクベクタリング機能が採用されている。この機能は、コーナーリング中に、トラクションが減る前後の内輪に軽くブレーキをかけることでアンダーステアを軽減。特別なテクニックを必要とせずに、誰でもスポーティな走りが楽しめるようになった。
SQ5の価格は7,490,000円。3.0LのQ5の価格が6,730,000円なので、価格アップは76万円だ。この価格アップなら、Q5と比べても十分にバリューがある。また、ライバルと比較しても十分な競争力があるだろう。
