「女子専用！可愛らしさを追求」スズキアルトラパンショコラ

男性的価値観を排除したデザイン手法

スズキは、若年女性をターゲットにした「アルトラパンショコラ」の発売を開始した。

ラパンショコラは、既存ラパンの派生車となる。2代目ラパンは、2008年にデビュー。四角いボディを持ちながら角を取り丸みを帯びたデザインが特徴だ。ほのぼのとした癒し系デザインとも言える。車名のラパンとは、フランス語でうさぎを意味する。そのため、うさぎをイメージしたエンブレムなどが施されている。そんな愛らしいデザインのラパンなので、女性を中心に密かに人気を集めていた。軽自動車の主流はワゴンRに代表されるハイトワゴン系が人気なのだが、若年女性の中には、ワゴンRでは可愛くない、そんな理由からラパンを選んでいるようだ。

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そんな多様化する若年女性をより多く取り込む役割りを担うのが、このラパンショコラということになる。ラパンショコラは、ラパンよりもさらに女性が好むデザインや加飾が施されている。そうすることで、指名買いにしたいというスズキ側の思惑がある。ライバルのダイハツにはミラココアが存在するからだ。

愛嬌があり、全体的にキラキラ感を演出したデザイン

ラパンショコラは、男性的価値観を徹底的に排除したデザイン手法となった。ディスチャージヘッドランプなどは、丸目とされ愛嬌がある表情を作り出している。全体的にキラキラ感を演出し、アクセサリー感覚のデザイン。デコ電のようなイメージなのだろう。また、ホワイトのホイールに、シルバーのハーフホイールキャップを組み合わせた専用14インチアルミホイールを装備。アルミホイールにホイールキャップを付けるなど、通常はやらない手法を用いてまで、絶対にカワイイと言わせたいというデザイナーのこだわりを感じる部分でもある。

オシャレな空間を作り出すインテリアデザイン

インテリアデザインは、とても秀逸。コンセプト的には、日産キューブにも似ている。インテリアを自分の部屋のようなイメージでまとめるという手法だ。まるで、ソファーのようなアイボリーを基調にブラウンのキルティングを組み合わせ、赤のパイピングをアクセントとしたレザー調表皮の専用縫製シートが、とてもオシャレな空間を作り出している。

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全車にアイドリングストップ機能搭載

機能面でも女性の「イヤ」を排除。ショコラのXグレードには、日焼けを防ぎたい女性のために、UV（紫外線）を99％カットするだけでなくIR（赤外線ま）でカットし、直射日光のジリジリ感を抑えるプレミアムUV+IRカットガラスをフロントドアに採用している。

経済性が高いことも女性にとっては重要。ショコラには、全車が停車時アイドリングストップ機能を搭載。FF車の燃費は26.0km/Lとなり、エコカー減税が免税となった。

アルトラパンショコラの選び方

ショコラのグレード構成は、GとXの2グレード。価格差は約7万円だ。1,362,900円のXになると6スピーカーにレザーシフトノブ、LEDサイドターンランプ付きドアミラー、フロントドアプレミアムUV+IRカットガラスなど。見た目で、大きな違いはなく、その差は少ない。UV+IRカットガラスを望むかどうかがグレード選びのポイントになる。

優れたデザインをもつショコラだが、デザインだけでは単純にはオススメできない。ベースとなるラパンは2008年デビューなので、約5年が経過したモデル末期状態。少し待てば、最新のエネチャージやエコクールなどが装備されたクルマへとフルモデルチェンジも予想できるからだ。そうなると、燃費もさらに向上する。また、安全装備である横滑り防止装置（ESP）も選ぶことさえできないからだ。

競合させて、一定の値引きを引き出す

それでも、このルックスやインテリアに一目惚れだったりするのであれば購入もあり。ただし、モデル末期のクルマを指名買いしては、スズキの思うつぼだ。ダイハツのミラココアやホンダN-ONEなどと競合させて、一定の値引きを引き出すとよい。モデル末期なので、やはり一定以上の値引きが引き出せないとメリットは無いからだ。

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スズキアルトラパンショコラ価格

アルトラパンショコラの価格は以下の通り。

・G　2WD　1,291,500円
4WD　1,419,600円

・X 2WD 1,362,900円
4WD 1,491,000円

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◇執筆者プロフィール◇
クルマ評論家 CORISM代表大岡智彦氏

CORISM（http://www.corism.com/）編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車＆中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。