無題ドキュメント
グンと差が付く、お買い得テク 中古車購入、基礎の基礎
「もはやエコカーなくして、生き残ることはできない!」といった様相を呈していた今年の東京モーターショー。そんな未来への生き残りをかけた各社のエコカー技術をCORISM達人の国沢光宏と自動車ジャーナリストの御堀直嗣が独断で採点!
国沢光宏

国沢光宏プロフィール

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

御堀直嗣

御堀直嗣プロフィール

1988年から1991年にかけて、FL500やFJ1600などのレースに参戦。1994年からはフリーランスライターへと転身し、多くの自動車雑誌に寄稿する。さらに日本EVクラブの副代表を務めるなど、エコカーに関する造詣も深い。


合計
国沢
御堀
100点
50点
50点
80点
35点
45点
70点
30点
40点
70点
30点
40点
65点
35点
30点
60点
25点
35点
55点
15点
40点
50点
15点
35点
TOYOTA
[トヨタ ブース]プリウス プラグインハイブリッド
プラグインハイブリッドは、近距離の移動ならガソリンを使わずに電気だけで走行可能だ。

[トヨタ ブース]プリウスプラグインハイブリッド プラグ
年内にも発売されるプリウスプラグインハイブリッド。当面はハイブリッドが中核を担う。
国沢 50点
 現時点で必要かつ考えられる環境技術を全て網羅し、しかも実用が可能なレベルに到達させている。日本車の中で、というより世界の自動車メーカーの中でダントツのECO度と考えていいだろう。中でも得点高いのは、もはやリーチ棒を投げ込んだ状態になっているプラグインハイブリッドです。こいつが今後20年くらい自家用車の中核を担うパワーユニットになると思われるのだけれど、トヨタは年内にも先行発売(リースになる模様)を開始。3年すれば、現行プリウス+30万円くらいで買えるようになるハズ。
 また、一般メディアでECOカーの象徴のように取り上げているEVについて言えば、トヨタのコンセプトカーを見て物足りなさを感じるかもしれない。おそらくトヨタとしちゃ「当面普及しない」と判断しているのだと考える。私もバッテリーを大量に搭載するEVは、当面厳しいと予想しておく。そんなことで満点の50点としました。
【東京モーターショー2009 速報】[トヨタ ブース]FT-EV II
FT-EV IIは都市内でのシティコミューターとして出展された電気自動車。走行距離は90km。

【東京モーターショー2009 速報】[トヨタ ブース]FT-EV II
エンジンの不要な電気自動車ということで、コンパクトながらスペース効率に優れている。

御掘 50点
 トヨタの注目は、初年度500台の導入が噂されるプリウス プラグインハイブリッド コンセプトだ。市販のプリウスは、EVドライブモードで55km/h以下の条件で最大数kmまでモーターのみで走行できる。これが、プラグインハイブリッドとなると20km走行できるようになる。一回の充電で走行できる距離が短いといわれる電気自動車と、ハイブリッドカーを組み合わせることで、電気利用を促進しようという次世代ハイブリッドカーだ。お客様第一を掲げるトヨタらしい、ユーザーに便利で、かつ環境適合性の高い商品がさらに充実することを示している。
 同時に、電気自動車の走行距離の短さを逆手にとり、都市での移動コミューターとしてFT-EV IIを出展した。90kmという一回の充電での走行距離は、スバルのプラグインステラと同等で、日常の使い勝手を見極めている。プラグインハイブリッドカーがあるから、電気自動車をここまで明快に割り切れるのだ。

合計100点

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NISSAN
【東京モーターショー2009 速報】[日産 ブース]
電気自動車のリーフをメインにフーガのハイブリッドなど多数のエコカーを出展していた。

【東京モーターショー2009 速報】[日産 ブース]フーガハイブリッド
次期フーガにはハイブリッド仕様も用意される。もっと小型のハイブリッドにも期待したい。
国沢 35点
 「日産の心配」はEV(電気自動車)に傾倒し過ぎている点にある。もちろんバッテリー価格が下がってくればEVだって十分な将来性を持つ。されど「全てのクルマがEVになるか?」と聞かれると、明確に「No!」です。長い距離を走るクルマや、重量のあるクルマはEVに向かないからだ。  
 日産の会社規模になると、車種ラインナップの中に長い距離を自由に走れるハイブリッドも必要。聞けばプリウス級のハイブリッドの開発も開始したと言わる。もしフーガに搭載されているハイブリッドシステムを小型化したなら興味深い。世界一高い性能を持つバッテリーと組み合わせることによって優れたハイブリッド&プラグインハイブリッドが出来ることだろう。今回のモーターショーに小型のハイブリッド車を出していたなら50点を付けてもいいほど。日産はディーゼルエンジンの開発も続けていて、2011年くらいに、V6をラインナップするらしい。楽しみです。
【東京モーターショー2009 速報】[日産 ブース]LEAF[プロトタイプ]
リーフを始め多くの電気自動車(EV)を出展。日産はハイブリッドよりもEVに力を入れている。

【東京モーターショー2009 速報】[日産 ブース]LEAF[プロトタイプ]
リーフは来年発売の電気自動車。高いバッテリーを積むなど、コスト面が気になるところ。
御掘 45点
 日産の注目は、来年発売される電気自動車リーフだ。先にスバルと三菱から市販化が行なわれたが、日産は当初の販売台数の規模が一桁大きい。また日本国内だけでなく、海外への販売も視野に入れた大プロジェクトとなっている。電気自動車が使い物になるかどうかという議論を飛び越え、使えるクルマにして行く意気込みは世界一だろう。そこに、カルロス・ゴーン社長直々の強い意思表示がある。また、ルノーとの提携を活かし、互いに補完し合いながら電気自動車普及を世界へ押し進める利点も出てくることだろう。つまり、数を見込めることで、価格を大きく引き下げる可能性を持つからだ。
 より身近なクルマとしては、いよいよ日産独自の後輪駆動用ハイブリッド技術と、小型車向けに次世代CVTが公開され、ともに直近の市販車の燃費向上策となる。さらに小型車向けに、アイドリングストップなどより積極的な低燃費策も提案して欲しかった。

合計80点

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HONDA
【東京モーターショー2009 速報】[ホンダ ブース]
ホンダブースではハイブリッドカーと電気自動車のコンセプトカーを多数出展していた。

【東京モーターショー2009 速報】[ホンダ ブース]CR-Z
[プロトタイプ]
来年2月に発売されるCR-Zコンセプト2009。6速MTを搭載するなど走る楽しさも重視した。
国沢 30点
 ホンダの弱点は「次世代の主役となるプラグインハイブリッドを持たないこと」である。残念ながらインサイトのシステムじゃプラグインハイブリッドにならない。近い将来、必ずや主要パワーユニットのひとつになるクリーンディーゼルの開発を凍結してしまったのもマイナスポイントでしょう。
 また、次世代ECOカー作りの大きな要素となる高性能バッテリーの調達にメドが付いておらず(GSユアサと共同開発中)。そんなこんなで、トヨタに次ぐECO技術を持っていると思われているホンダながら、実情を見ると案外厳しかったりして。本来なら25点くらいにしたいトコロながら、ホンダの面白さは「何とか帳尻を合わせれくる」点にある。実際、今回のモーターショーで新しいハイブリッドシステムを開発していることを公表した。おそらくプラグインハイブリッド化も視野に入れているハズ。ヒョウタン型の1輪車(U3-X)は見方によっちゃECO技術か?
【東京モーターショー2009 速報】[ホンダ ブース]SKYDECK
[プロトタイプ]
次世代ハイブリッドミニバンのスカイデッキ。燃費はもちろんスペース効率にも優れている。

【東京モーターショー2009 速報】[ホンダ ブース]EV-N[プロトタイプ]
久々に電気自動車のコンセプトモデルEV-Nを出展した。ただ商品化は、まだ先のようだ。
御掘 40点
 ホンダの注目は、CR-Zコンセプトだ。年明け2月には発売されるという、運転を楽しむハイブリッドカーである。インサイトの成功により、ホンダのハイブリッドカーの基幹技術はひとつ確立した。これによって、ハイブリッドカーの車種拡大という次の段階へ駒が進められたことになる。また、スカイデッキという6人乗りマルチパーパスカーも展示された。ミニバン時代を築いたホンダらしく、ミニバンを愛用してきた人にとって待望のハイブリッドカーの登場だ。
 それから、ホンダが力を注ぐ燃料電池車のFCXクラリティも出展されている。法人向けリースという状況を抜け出せてはいないが、ヨーロッパでの精力的な走行試験が進められ、アウトバーンでも高い評価を得ているという。しばらく遠ざかっていた電気自動車も、EV-Nとして出展された。こうして技術は示されたが、いつ商品として出回るのか? そこがホンダへの次なる期待だ。

合計70点

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DAIHATSU
【東京モーターショー2009 速報】[ダイハツ ブース]e:S
既存の技術を改良することで、ハイブリッドカー並の低燃費を達成したe:Sがダイハツの目玉。
国沢 30点
 超現実的なECOカーである『e:S』(イース)が注目されている。e:Sを見て「ウチもこんなクルマを作らなければならないな」とウナったライバルメーカーの首脳陣も居た(直接聞きました)。e:Sの凄さは、30km/Lというハイブリッド車に匹敵する燃費もさることながら、生産する時に排出する二酸化炭素の量まで少ないこと。簡単な構造持つ軽いクルマは、それだけでECOな存在なのだ。しかも価格も大幅に引き下げるという。
 もし燃費良い軽自動車が60万円程度で出てくれば、大売れするに違いない。結果的に現在より25%以上二酸化炭素の排出量を削減可能。また、e:Sと併せて発表された2気筒エンジンも素晴らしい! 省資源を考えれば3気筒より2気筒が有利ですから。20点のマイナスは「電気とのコラボが無い」こと。これで簡易型ハイブリッドや、簡易型プラグインハイブリッドの提案あれば、文句なしの50点でしょう
【東京モーターショー2009 速報】[ダイハツ ブース]e:S
特殊で高価な素材を使うことなく700kgという車重を達成したのも注目のポイン トといえる。

【東京モーターショー2009 速報】[ダイハツ ブース]e:S
アイドルストップやCVTの効率アップなどで30km/Lという燃費を実現したの には驚かされる。

御掘 40点
 ダイハツの注目は、エンジンだけで30km/Lを実現した軽自動車のe:S(イース)だ。現在の軽自動車と同じ660ccエンジンを徹底的に高効率化し、損失を減らし、またスロットルボディの樹脂化など軽量化を徹底した。制御面では、アイドリングストップを導入し、補機では、CVTの油圧技術により電動オイルポンプをなくすなどの燃費向上策も導入されている。車体は、軽自動車らしくコストを視野にアルミなどの特別な材料を使わずに700kgの軽量な車両重量を実現しており、エクステリアデザインも、思わず欲しくなる魅力を表現している。
 マツダと同様、すぐに買えるクルマの未来を見せる展示だ。一方、未来の技術についても地道な努力が重ねられ、貴金属を使わず、液体燃料で発電できる燃料電池スタック技術のその後の進捗を公開した。模型を使い、限られた燃料で長距離を走行できる実験をして見せ、着実な進歩の様子を伺わせた。

合計70点

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SUZUKI
【東京モーターショー2009 速報】[スズキ ブース]
軽自動車など小さいクルマがメインのスズキだが、現実的な次世代のエコカーを出展した。
国沢 35点
 コンパクトカーが主役のスズキは、基本的にECOなメーカーである。現行のモデルラインナップの燃費を向上させるだけで十分かもしれない。そんな中、スイフトのプラグインハイブリッド車を出展してきた。このクルマ、少量のバッテリーを搭載するEV(電気自動車)だと考えて頂ければよかろう。今後数年先まで高値が続きそうなバッテリーながら、少量の使用なら何とか使えるし、そもそも重いバッテリーを大量に搭載する純粋なEVなんてナンセンス。
 20〜30kmのEV走行可能距離を確保しておき、それ以上の距離を移動する時はエンジンで発電機を稼働。充電しながら走ればよろしい。トヨタのプラグインハイブリッドと同等の価格設定に抑えられれば商品力だって高いと思う。プラグインハイブリッドの他、ダイハツ『e:S』(イース)のような軽量で燃費の良い軽自動車など開発すれば文句無し。今回のモーターショーの裏番長的な存在に期待したい。
【東京モーターショー2009 速報】[スズキ ブース] スイフトプラグインハイブリッド[プロトタイプ]
スイフトのプラグインハイブリッドは発電用のエンジンを積むことでバッテリーを小型化。

【東京モーターショー2009 速報】[スズキ ブース]SX4-FCV[プロトタイプ]
GMの燃料電池スタックを採用したSX4-FCVは現在実証実験を行なうなど開発が進んでいる。

御掘 30点
 スズキの目玉は、次期発売予定のアルト コンセプトで、環境車ではない。環境関連では、スイフトプラグインハイブリッドと、SX4-FCVの2台が4輪車での主役となる。
 スイフトプラグインハイブリッドは、モーター走行によるシリーズハイブリッド方式で、現行軽自動車の660ccエンジンは発電のみに使われる。これは、永年付き合いの深い米国GMのハイブリッドカーVolt(ボルト)と同様の構想だ。そして、搭載されるリチウムイオン電池への家庭での充電により、発電用エンジンを稼動しなくても20kmのモーター走行が可能である。プリウス プラグインハイブリッドコンセプトとはやや異なる手法だが、エンジンをできるだけ使わないという発想は、燃費低減に高い効果をあげる。SX4-FCVは、米国GMの燃料電池スタックを使ったクルマで、実証実験中だ。環境技術に関する市販への具体的な姿が見えない。

合計65点

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MITSUBISHI
【東京モーターショー2009 速報】[三菱 ブース]
すでに市販されているi-MiEVを中心に、電気自動車やプラグインハイブリッドを出展した。

【東京モーターショー2009 速報】[三菱 ブース]i-MiEV_CARGO[プロトタイプ]
i-MiEVをベースにした商用車向け電気自動車のi-MiEVカーゴを出展。完成度はかなりのもの。
国沢 25点
 世界初の量販EV(電気自動車)『i-MiEV』で次世代カーの覇権を握ろうとしている三菱自動車ながら、バッテリーのコストダウンは日産に遅れをとってしまっている。というか、バッテリーしか搭載していない純粋なEVが普及するの、まだまだ先になるんじゃなかろうか。
 プラグインハイブリッドも出展してきたけれど、フリーランダー級のボディサイズを持つ。どうやら「三菱自動車はSUVを得意とするメーカーである」という古い考え方から抜け出せないようなのだ。ECOの時代を考えると、こんな大きいボディなど不要。プリウス級のボディサイズを持つ三菱自動車式のプラグインハイブリッドが出てきたら、イッキに評価は10点くらい上がったのに。また、既存のエンジンで燃費を改善しようというコンセプトも無し。スズキやダイハツのような、安価で軽い軽自動車を三菱自動車も提案すべきでしょう。日産と同じくEVに期待しすぎているのは、いかがなものだろうか。
【東京モーターショー2009 速報】[三菱 ブース]PX_MiEV[プロトタイプ]
電気自動車ばかりではなく、プラグインハイブリッドのコンセプトカーのPX MiEVも出展。

【東京モーターショー2009 速報】[三菱 ブース]PX_MiEV[プロトタイプ]
ハイブリッドシステムは非常に凝ったシステムだが、ボディが大きく重いSUVなのが難点。

御掘 35点
 三菱の注目は、i-MiEVだ。そして東京電力など関係企業との協力により、オール電化生活を展示した。またi-MiEVの車種拡大の例として、i-MiEVカーゴを出展。電気自動車が、三菱の環境技術の旗頭となっている。i-MiEVの普及計画(台数)は、2年後には万の単位に増えると公表されており、日産とともに電気自動車普及への強い意志が感じられる。
 一方で、身近に買えるクルマとしての技術はあまり見えてこない。今回、プラグインハイブリッドのクロスオーバー車のコンセプトモデルPX MiEVが発表された。これは、i-MiEVで使われるリチウムイオン電池を活かし、EV走行を充実させたシリーズハイブリッド機能と、高速ではエンジンも駆動に使うパラレルハイブリッド機能の両方を備える盛りだくさんな内容だ。SUVやクロスオーバーなどの重量車には効果的だろう。だが、多くの人々が使うクルマでの燃費向上策が見えにくい。誰でも買えるクルマの環境性能を見せて欲しい。

合計60点

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mazda
【東京モーターショー2009 速報】[マツダ ブース]
マツダブースではクルマだけではなく、次世代のエンジン技術なども出展されていた。

【東京モーターショー2009 速報】[マツダ ブース]2.2リッターの次世代ディーゼルエンジン[プロトタイプ]
次世代のクリーンディーゼルエンジンを出展。ガソリン車並のクリーンな排気を実現した。
国沢 15点
 車体の軽量化+省燃費エンジンの組み合わせて30km/Lを狙うというコンセプトは悪くない。けれどコストアップ無しで軽量化するの、相当難しいと思う。省燃費エンジンも果たして効果あるだろうか? マツダは「従来のエンジンより15%燃費良い」と言っているけれど、あくまで燃費イマイチと評価されているマツダのエンジンと比べたもの。ホンダやトヨタの省燃費エンジンと勝負させたら大差ないと考える。
 燃費を決定的に改善させようとするなら、やはり電気とコラボした次世代パワーユニットが必要になってくるんじゃなかろうか? そんなこんなで本来なら0点としたいトコロながら、凄いエンジンを出展してました。3リッターのガソリンエンジンと同等のパワーと価格設定を目標にした2.2リッターの次世代ディーゼル(ガソリンエンジンと全く同じ排気ガスのクリーン度を持つ)であります。こいつが出てくればミニバン用も燃費良くなる。
【東京モーターショー2009 速報】[マツダ ブース]清(きよら)[コンセプトカー]
清(きよら)は次世代エンジンやミッション、そしてアイドルストップなどの技術を採用。

【東京モーターショー2009 速報】[マツダ ブース]清(きよら)[コンセプトカー]
流線型の外観デザインは、空力効果を考慮し、高速燃費の改善にも貢献するものだという。

御掘 40点
 マツダの注目は、清(きよら)だ。これは、直噴ガソリンエンジンで32km/Lという超低燃費を実現したコンセプトカーである。アクセラで市販されたアイドリングストップ技術のi-stopに加え、新開発の6速オートマチックトランスミッション、車体の軽量化技術、空気抵抗の少ないエクステリアデザイン、そして減速時の回生を活かして補機バッテリーを充電するという、これまでのハイブリッドカーとは発想を異にする活用法で、32km/Lという燃費を達成した。
 既存のエンジン車を活かしたマツダの超低燃費の手法は、コストの掛かるハイブリッド化に比べより多くのエンジン車への普及が見込まれ、環境改善への実質的効果が高まることが期待される。エンジン車の原点回帰による環境技術の集大成がここにある。同時に、プレマシーハイドロジェンREハイブリッドで、電化の道も研究は続けられており、マツダの手堅い戦略といえる。

合計55点

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TOYOTA
【東京モーターショー2009 速報】[スバル ブース]
スバルブースではレガシィなどの市販車はもちろん、コンセプトカーも多数出展された。

【東京モーターショー2009 速報】[スバル ブース]
エコカーだけでなくスーパーGTに参戦しているマシンを出展するなどスポーツ性もアピール。
国沢 15点
 いろんな技術に手を出しているのだけれど、どれも中途半端になってしまっているような気がする。例えばEV(電気自動車)。三菱自動車と同時期にEVの市販を行なったけれど、搭載するバッテリーについて今だ定まっておらず。独自開発していたバッテリーは日産に取り戻されてしまったし(元々日産がNECと開発していたものをスバルが引き継いだ)、トヨタ系のバッテリーも現時点で供給が決まっていない模様。このままだと価格競争力を持てないままだ。
 ハイブリッドは縦置きの水平対向エンジン用を独自開発するという。これまた大量生産でコストダウンするの、なかなか難しいかもしれない。技術レベルに関しちゃ全く問題ならスバルながら、安く売るという大きなハードルを残す。もう少し現実的な路線を選択したなら、全て可能性出てくると思う。現時点では厳しいと考えたい。やはりコンパクトクラスのプラグインハイブリッドと、低価格車が必要。
【東京モーターショー2009 速報】[スバル ブース]ハイブリッド ツアラー コンセプト[コンセプトカー]
2リッターのターボエンジンとモーター、そしてCVTを組み合わせたハイブリッド4WDだ。

【東京モーターショー2009 速報】[スバル ブース]ハイブリッド ツアラー コンセプト[コンセプトカー]
ハイブリッド ツアラーコンセプトは水平対向エンジンと4WDという、スバルらしいモデルだ。
御掘 35点
 スバルの注目は、ハイブリッド ツアラー コンセプトだ。2リッターの水平対向ターボエンジンにチェーン式CVTのリニアトロニックを組み合わせているところは、まだ市販車にない取り合わせだ。これに、フロントには発電/駆動用モーター、リヤに駆動用モーターを搭載することで、ハイブリッドの4輪駆動としている。また電気自動車のプラグインステラに使われているリチウムイオン電池を採用する。
 モーターとターボチャージャーを併用することが本当にいいのか? こうしたシステム構成はまだコンセプトカーの域を出ていないように見える。一方で、水平対向エンジンを活かすなら、スバルはやはり独自のハイブリッドシステムを持たなければならないだろう。
 プラグインステラの性能は非常に素晴らしいが、軽自動車からの撤退が、軽電気自動車の行方を不透明にしている。スバルは、次のモーターショーへ向けた2年が勝負どころだ。

合計50点

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【随時更新!】東京モーターショー 2009 総力特集!

【特集】  written by CORISM編集部 (2009.11.16)

クルマを愛する全ての人に向けた2年に1度の祭典、「東京モーターショー」が今年も千葉県千葉市の幕張メッセで開催される。期間は10月23日(一般公開日は10月24日)から11月4日までだ。出展はほぼ日本企業のみという異例の事態となった「東京モーターショー」だが、今回もCORISMでは総力をあげて特集する! >> 記事全文を読む


【中古車 トヨタ2代目プリウス対 新型プリウス 徹底評価】ザ・対決 比較試乗

【特集】  written by CORISM編集部 (2009.09.09)

すでに大量のバックオーダーを抱えている新型トヨタ プリウス。納車がすでに9ヶ月後となり、欲しくても手に入らない状況だ。こうなると、それほど差がないのであれば2代目プリウスを中古車で、すぐに手に入れるのも賢い選択のひとつ。新旧プリウス対決の軍配はどちらに上がるか!? >> 記事全文を読む


【トヨタ プリウス 対 ホンダ インサイト 徹底評価】ザ・対決 比較試乗

【特集】  written by CORISM編集部 (2009.07.07)

驚きのロープライスで発表したホンダ インサイトに対し、トヨタ プリウスも戦略的価格で真っ向勝負を挑んできた。何かと比較される2台のハイブリッドカーだが、燃費だけでなく使い勝手などトータルでの評価はどちらに軍配があがる!? >> 記事全文を読む


【レクサス HS250h 対 フォルクスワーゲン ジェッタ 徹底評価】ザ・対決 比較試乗

【特集】  written by CORISM編集部 (2009.10.28)

低燃費とプレミアムを融合させたレクサス初のハイブリッド専用車HS250hが登場した。低燃費といえばフォルクスワーゲンもTSIエンジンを展開している。今回はそんなHS250hとジェッタを比較試乗した。 >> 記事全文を読む