新型トゥインゴは1.2リッターの自然吸気エンジン+クイックシフト5を搭載するトゥインゴと同ターボ仕様のエンジン+5速MTを搭載するトゥインゴGTの2グレードの構成。今回試乗したのはトゥインゴで、ターボはやや遅れて導入されるという。
直列4気筒1.2リッターの16バルブSOHCエンジンは75ps(56kW)/10.9kg-m(107N・m)の動力性能。数値的な平凡な実力だが、走りのフィールは数値からイメージされる以上のものだった。ボディがやや大きくなったとはいえ、まだ1000kgを切るレベルの車両重量であり、ボディの軽さが走りの軽快さにつながっている。
ちなみにターボ仕様のエンジンは100ps(74kW)/14.8kg-m(145N・m)のパワー&トルクなので、走りは格段にスポーティなものになるはずだ。
標準のトゥインゴに話を戻すと、トランスミッションはクイック5と呼ぶロボタイズド・マニュアル。欧州の小型車に多いマニュアルオートマで、2ペダルなのでAT免許で運転できる。ATモードとMTモードが選択でき、MTモードではレバーを前後させることで変速操作をする仕組み。
このトランスミッションも最近ではさまざまな車種に採用されるようになり、それに合わせて改良も進んできたため、従来に比べると格段に違和感が少なくなった。変速時にトルクが抜ける感じになるのが欠点だったが、変速に要する時間が確実に短くなり、トルクの落ち込みも少なくなっていた。デキの良い日本車用のATやCVTとは比較できるレベルではないものの、過去のモデルに比べたら格段にスムーズになっていて、これなら許せるレベルという印象だった。
足回りは乗り心地の良さを確保すると同時に操縦安定性も上手にバランスされている。コーナーの多い首都高なども軽快なフットワークで走り抜けることができた。足回りについてはフランス車の良い部分がしっかり表現されているといっても良い。
●お勧めグレード
ターボ車に乗っていないので判断しかねる部分もあるが、標準のトゥインゴで十分という印象。というのも、トゥインゴの価格は198万円に設定されていて、ターボに比べると42万円も安い。単に安いだけでなく、200万円を切る価格帯というのが重要なポイントで、並みの国産車とはちょっと違うクルマに乗りたいというような輸入車のエントリーユーザーにお勧めできるクルマである。