グリオズ・カルナバワックス

 まだ風が冷たい今年の3月ですが、陽だまりでワクシングを行えば、自然と身体が温まってきます。この季節の日差しでは、日中でもワックスが塗装面に焼き付く心配も皆無ですので、【サルでもわかるクルマ磨き!】では、達人が厳選するコダワリのカルナバワックスを数回に渡り紹介していきたいと思います。

 なぜカルナバを薦めるのか?という件は、以前の記事でもお話いたしましたが、カンタンに振り返ってみることにしましょう。カルナバとは、南米に樹生する「カルナバ椰子」の葉から採取できる蝋のこと。この含有率、ランクが高いほど、透明で強固な皮膜が形成され、塗装の色彩を際立て、降雨や汚染物質から塗装の劣化を抑止してくれるのです。
 一般に販売されているカルナバ主原料を謳ったカーワックスでも、含有されているカルナバは数パーセント程度が現実。中には“カルナバ100%”なんてありえない表示をしている製品も見かけますが、カルナバ100%は、完全なチップ状です。製品(缶)の中が全て「カルナバ」というわけではなく、100%のカルナバチップがたとえ1%でも含有してあれば、このような表記になってしまうのです。これが誤解を招く原因になっているのも事実です。

 そこで、良質な「カルナバ」を一つの容器に高密度で配合したワックスをご紹介しましょう。その名は『グリオズ・ガレージ』社製のズバリ「カルナバワックス」。同社は、経営者自らが研究に携わり、“愛車の価値を維持する為のカーケア”を提唱しております。国内でも液体の「ベストオブショーワックス」はマニアの間では、信者が多い製品ですが、さらに、艶を極めた固形ワックスは、はじめてご覧になった方も多い事かと思います。では、早速洗車を終えた黒いクルマに施工してみましょう。

この容器中33%がカルナバの「グリオズ・カルナバワックス」

グリオズ・カルナバワックス

 ↑蓋を開けると、カルナバの甘い香りがしてきます。天然成分のみで構成されていることは、過去に数百個のワックスインプレを行ってきた筆者には、すぐに分りました。比較するとしたら、「ザイモール」社の「カーボンワックス」に近いといえます。(今後紹介します。)低温にも関わらず、指で触れると体温で溶け出す事から、作業性のよさを察する事ができます。

グリオズ・カルナバワックス

 ↑湿らせた柔らかいスポンジに「グリオズ・カルナバワックス」を適量取り、パネルごとに塗り込みます。高純度カルナバながら、伸びは非常によく、サッと塗装面に馴染んでくれます。

グリオズ・カルナバワックス

 ↑高純度のカルナバワックスは、空気と触れた瞬間、硬化を始めます。(イメージとしては樹液の感覚です。)そのため、乾燥は一切不要です。塗り込んだその手で、すぐさま柔らかなネル地で拭き取ります。
 「グリオズ・カルナバワックス」は、スワールマーク(渦巻き状の微細な傷)を埋める効果に優れていますので、写真のように太陽光が照射されてもほとんど目立たなくなっています。

全てを映り込ませる艶はコンクール・コンディション

グリオズ・カルナバワックス

 ↑施工後のボンネットです。黒い塗装にも関わらずムラの発生は皆無。木がまるで鏡のように映りこんでいる様は、さすが33%ものカルナバ含有率を誇るだけのことはあります。艶の出かたはコンクールアイテムだけにやや派手目ですが、クリア塗装をもう一層加えたとでもいいましょうか?非常に透明感の高い艶が得られました。
 この「グリオズ・カルナバワックス」の特徴は、塗り重ねる事で皮膜層が厚みを増し、更に艶を引き出す事が可能ということです。

 コンクールアイテムとしても使用されるワックスでしたが、塗り込み、拭き取り、艶ともに非常に高得点。この艶ですと数万円の価格でも文句はありませんが、実売価格4200円と国産高級品より安価です。

 塗り込みなどに特別な儀式を必要とせずに、コンクールの艶を愛車に・・・というワクシングマニアには、是非ともオススメの逸品といえます。