【三菱デリカＤ：５試乗記】SUVテイストを取り入れた新ジャンルミニバン

低速域から高いトルクを発生するエンジンとCVTのおかげで車重を感じさせない力強い加速感を味わうことが出来る。

上級グレードのGには18インチのアルミホイールが標準で装着される。ベーシックなMは16インチのスチールホイールとなる。

トルクフルなエンジンで力強い加速を味わえる！

　デリカＤ：５の搭載エンジンは直列4気筒2.4LリッターのMIVEC仕様で、125kW(170ps)/226N・mのパワー＆トルクを発生する。これにINVECS-�のCVTが組み合わされ、上級グレードではマニュアル操作が可能な6速のスポーツシフト付きとなる。スポーツシフトはシフトレバーだけでなくステアリングの裏側のパドルシフトによっても変速操作が可能だ。駆動方式は全車とも電子制御4WDで、取り敢えず2WD車の設定はない。恐らくは追って追加されることになるのだろう。
　ワイドボディのミニバンで4WDとあって、デリカＤ：５の重量は1800kg近いものとなる。最上級グレードにオプションをいろいろ装着すると1800kgを超える重さだ。にもかかわらず、走りはけっこう元気が良い。2.4リッターの排気量からくるトルクの余裕によって重さを感じさせない走りが可能なのだ。しかもエンジンの最も効率の良いところを使って走るCVTと組み合わされているので、ますます不満のない走りが味わえる。
　スポーツシフトを使って走れば走りは一段と元気の良いものになるが、ミニバンの性格から考えたら、ふだんはゆったりした走りを楽しめば良いだろう。

しっかり感のある足回りでスポーティな走りを楽しめる

　足回りはやや硬めのチューニングで、コーナーなどでもあまり大きく揺れる感じはない。しっかりした足回りといえるのだが、その分だけ路面の悪いところではゴツゴツ感を感じることになる。このあたりのバランスは難しいところである。
　4WDシステムは電子制御4WDで、2WD、4WD、ロックの3種類のモードが選択可能。2WDモードは燃費のために設定されているらしいが、デリカＤ：５に乗ったら4WDモードを基本に考えるのが良い。いざというときの脱出時に使えるロックモードもあるのは大歓迎だ。

●お勧めグレード

　ベースグレードは260万円台からあり、全グレードに横滑り防止装置のASCが標準で装備されるのは歓迎していい。ただ、お勧めできるのはG以上のグレードとなる。270万円台のGに電動スライドドアやカーナビなどが装着されると価格が高くなっていく。最上級グレードのGプレミアムではカーナビのほかロックフォードフォズゲートのプレミアムオーディオ、両側電動スライドドアなどが装備されて340万円台の価格になる。これにいろいろなオプションを装着して諸費用まで払うと400万円コースになるから、これだといかにも高いという印象。
　電動スライドドアは片側だけでがまんするなど、予算とのバランスの取れた装備や仕様を選ぶことが大切だ。SRSカーテンエアバッグなど、安全装備はケチらないようにしたい。

代表グレード	Gパワーパッケージ
ボディサイズ［mm］（全長×全幅×全高）	4730×1795×1870mm
車両重量［kg］	1780kg
総排気量［cc］	2359cc
最高出力［ps(kw)/rpm］	170ps(125kw)/6000rpm
最大トルク［kg-m(N・m)/rpm］	23.0kg・m(226N・m)/4100rpm
ミッション	CVT（6速マニュアルモード付）
10・15モード燃焼［km/l］	10.4km/l
定員［人］	8人
税込価格［万円］	288.75万円
発売日	2007/1/31
レポート	松下宏
写真	和田　清志