【ダイハツ ムーヴ・ムーヴカスタムの選び方】新「王者」の座を目指す意欲作登場
日本で一番売れている軽乗用車の王者「スズキ ワゴンR」。その最大のライバル、No.2勢力として君臨するのがダイハツの「ムーヴ」シリーズだ。
ベーシックな「ムーヴ」、ドレスアップされたチョイ悪系「ムーヴカスタム」、そして女性ユーザーをターゲットにした「ムーヴラテ」と3タイプの豊富なバリエーションを用意し、ユーザーのニーズに応えている。
そして、念願のNo.1獲得に向けついにダイハツがダメ押しの一撃を加えた。この10月5日、ついに「ムーヴ」と「ムーヴカスタム」が満を持してフルモデルチェンジを迎えたのだ。新プラットホームや新エンジンを採用するなどすべての面で一新。また従来のイメージを覆す流麗なスタイリングとなるなど、非常に意欲的なモデルとなっている。中でも軽最大の室内長(2110mm)、室内幅(1350mm)を持ち、軽トップの前後席間距離(1065mm)を誇るなど室内の広さは圧倒的だ。
そんな新型ムーヴ・ムーヴカスタムの詳細やオススメグレードについて紹介していこう。
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【ムーヴのグレード構成】
ムーヴはベーシックな「L」、上級グレード「X」。そしてCVTの載った「X Limited」の3グレードとなる。エンジンは58psの新開発NA(ノンターボ)、DOHC3気筒12バルブKF-VE1種のみ。先代モデルのような低圧ターボエンジンは今のところ用意されていない。
後席の一体ロングスライド(255mm)、分割リクライニング&格納機能、チャイルドシート固定機能付リア3点式シートベルトは全車に標準装備される。
ベーシックグレードとはいえ、「L」グレードにはキーレスエントリー、インテグレートCD・AM/FM付きステレオ、スモークドガラス(リアドア・リアクオーター・バックドア)、電動格納式カラードドアミラー、パワーウィンドウ、パワードアロックなど、イマドキのベーシックカーで必要と思われる基本的な装備はほとんど装着されている。シート生地、フロントベンチシート、フロントアームレスト(※MT車はセパレートシートとなり非装備)、 豊富なインテリア収納やなども他グレード同様。またカラードドアハンドルやピラーのブラックアウトなど外観上の差異もほとんどないのも嬉しい。エアコンはマニュアル式。ABSはオプション設定でコレは他グレード同様に標準装備として欲しかったところ。ミッションは4ATに加え5MTが選べ、FFと4WDはそれぞれ設定出来る。価格はFFが101.85万円(5MT/4AT)、4WDが113.925万円(5MT/4AT)。
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さて、上級グレードの「X」にはABSが標準装備となるほか、エアコンがオート式になる。またキーに触れずにエンジンスタートやドアロックの開閉が出来るキーフリーシステム、リバース連動タイプのドアミラーといった快適装備が追加される。価格はFFが116.55万円、4WDが128.625万円。なおFF・4WD共に4ATのみの設定となる。確かに「あればいい」装備が多数付くが、Lから14万7千円高はやや割高な印象。逆に言えばLの買い得感が光る。
Xの4ATをCVTに換え、14インチアルミ(L・Xは13インチ+ホイールキャップ)を装着したのが「X Limited」。CVT化により10.15モード燃費がX及びL(FF・4AT)が21.0km/Lなのに対し、23.0km/Lとなったのがジマン。センタークラスタがシルバー装飾化され、ドアミラーターンランプ、タコメーターと瞬間燃費計が追加される。価格はFFが123.9万円、4WDが135.975万円でいずれもXの7.35万円高。
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【ムーヴカスタムのグレード構成】
丸目4灯のヘッドランプや立体的なボンネット部、さらに開口面の大きいフロントエアロバンパー、メッキグリルなどでダイナミックかつイカツい雰囲気となるのが「ムーヴカスタム」。新鮮な印象がある一方で、従来からのファンも納得のムードもしっかり保っている秀逸なデザインだ。
実は新型ムーヴシリーズ、「ムーヴカスタム」のほうがグレードバリエーションの数が多い。ムーヴと同じノンターボKF-VEエンジン搭載の3グレードはベーシックな「L」、上級グレード「X」。そしてCVTの載った「X Limited」と、これはムーヴと同様。さらにDOHCインタークーラー付きターボエンジンKF-DET搭載の「R」(4AT)と「RS」(CVT)で、全部で5つのグレードとなる。
「L」グレードの装備はムーヴのLとほぼ同じで、キーレスやCDステレオ、マニュアルエアコンなどのベーシックな装備が揃う。ただしABSは標準設定されるほかタコメーターと瞬間燃費計が装着されるのが特長。タイヤは14インチ+ホイールキャップ。ミッションは4ATのみだ。価格はFFが116.55万円、4WDが128.625万円。
「X」ではプロジェクター式ディスチャージヘッドランプ、14インチアルミホイールが標準装備となるほか、エアコンがオート式になる。またキーフリーシステム、自発光式メーター、マルチインフォメーションディスプレイ、ドアミラーターンランプ、シルバーセンタークラスターといった装備が追加される。価格はFFが128.1万円、4WDが140.175万円。なおFF・4WD共に4ATのみの設定となる。「ムーヴカスタム」らしさを強調する装備が付き、Lから11.55万円高は納得できる範囲だ。
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「X Limited」は先に述べたようにATがCVTに換わる。その他にもサイドストーンガード(サイドスカート)が付くほか、オーバーヘッドコンソールランプなどのルーフイルミネーションが追加され価格差8.4万円の136.5万円(FF)〜148.575万円(4WD)。
「R」はターボエンジンが搭載されるほか装備面ではサイドストーンガード、14インチアルミが付く。ただしルーフイルミネーションや自発光式メーター、キーフリーシステムが付かない(キーレスエントリーは装着する)など「X Limited」より装備面では見劣る印象だ。価格はFFが144.9万円、4WDが156.975万円。
最速最上級となるのが「RS」。アルミホイールが軽最大の16インチとなるほか、MOMO社製革巻きステアリング、ローダウンサス、前後スタビライザーが追加される。またキーフリーシステムや自発光メーターはこちらには装着される。価格はFFが155.4万円、4WDが167.475万円とさすがに高価だ。
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【ダイハツ ムーヴの選び方】 ムーヴのオススメグレードは
軽のベーシックカーを選ぶなら価格は重要。そう考えるならズバリ「L」が絶対のオススメ。ただしオプションのABS(3.15万円高)は必ず装着しよう。また、全車にオプション設定のアジャスタブルパック(1.575万円高:運転席シートリフター、チルトステアリング、アジャスタブルショルダーベルトアンカーのセット)も小柄な女性ユーザーが乗るなら必須だろう。
その上の「X」を選ぶくらいならより高燃費の「X Limited」の方がバリュー度は高い。ただし、特に価格が第一条件ではないというセレクトの場合には同じムーヴシリーズのムーヴカスタムとも比較検討したいところ。より外観上の差異が加わるムーヴカスタムのほうが、少しくらい高くてもユーザーの所有満足度はあがるかもしれないからだ。
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【ダイハツ ムーヴカスタムの選び方】 ムーヴカスタムのオススメグレードは
ムーヴにプラスアルファの付加価値を加えたムーヴカスタムだから、「らしさ」を追求したグレードこそがふさわしい。そう考えると装備面からLは落ちるし、ターボのRは足回りがNA車と同様であり見劣りする。高価とはいえRSは性能、外観ともに「ムーヴカスタム」らしさ満点の究極グレードだ。ターボパワーが必要でないのならX Limitedが価格、装備面でバランスが良い。両グレード共に所有する満足度は高いだろう。ムーヴをファーストカーとして使いたいと考えるユーザーにオススメだ。
なお、ムーヴカスタムには数多くのメーカーオプションが設定されている。X、X Limited、RSにSRSサイドエアバッグ、軽初のニーエアバッグなどがセットになったセーフティパック(15.75万円高)、プッシュボタンスタートやオートライト、リバース連動ドアミラーがセットになったアドバンスドオペレーションパック(4.725万円)など、予算があればつけておきたい装備だ。
さらにRSのみのオプションとして、プリクラッシュセーフティシステムやレーダークルーズコントロール、VSC(横滑り防止装置)、加えてセーフティパックが付いたインテリジェントドライビングアシスト&セーフティパック(36.75万円高)までも用意される。軽としては異例の高価なオプションで、これらを加えると200万円近い価格となるが、価格なりの価値はある。
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【ダイハツ ムーヴ・ムーヴカスタムの選び方】 ライバル車は
ライバルはスズキ ワゴンR、ホンダ ゼスト、スバル ステラなど。しかし室内空間の広さや最新の装備、新鮮なスタイリングなど、ムーヴのアドバンテージは思ったより大きい。特に後席の広さは圧倒的だ。この点を踏まえ、ぜひ実車同士を見比べてみて検討したい。
なお最大のライバル、ワゴンRについては03年デビューでモデル末期を迎えつつある。ただしそれを補うべく特別仕様車も多数用意されており、価格面で優位のあるモデルであれば比較検討する価値もあるだろう。
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written by 徳田 透
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