ドイツ/メルセデス・ベンツ E350 ザ対決 日本/レクサス GS350 第1回3.5lサルーン編
ROUND2 達人によるコダワリ評価
評価するのはこの達人たち
松下 宏 松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明 片岡 英明

元教師という異色の経歴を持つモータージャーナリスト。クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほどのコダワリ。最新のクルマからヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏 国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価GO!
エンジン メルセデス・ベンツ E350 レクサス GS350
松下 計

従来の3バルブ方式から4バルブDOHC化されたメルセデスの新世代エンジン。GS用のエンジンには及ばないが、吹き上がりの良さやパワーフィールなど、相当に高い実力を持つ。

8点

ふたつのインジェクターを持つ直噴のV型6気筒3.5リッターエンジンは極めてパワフルな実力を発揮する。燃費性能にも優れており、世界的にも見てもクラスで随一の実力といっていい。

10点
片岡 英明

滑らかだし、パワーも満足できるレベルにある。軽やかに吹き上がり、低回転域のトルクもGS350の一歩上を行く。7速ATもいい仕上がりだ。だが、気持ちよさはちょっと及ばない。

8点

2GR-FSE型V6エンジンはパンチ力、切れ味ともに文句なし。低回転域のトルク感は今一歩だが、全域にわたって気持ちよく回る。滑らかさと実用燃費もクラストップの実力だ。

9点
国沢 光宏

メルセデスが誇る新世代のV6ユニットだけに、良くできている。トヨタのV6と違うのは「楽しさ」をハッキリ感じさせること。回転の上昇とともに音質まで変わっていく。

9点

キッチリとパワーが出ており、振動や騒音という面でも文句なし。実用燃費の良さも優等生である。強いて高額車としての弱点を挙げるなら「個性」みたいなものが薄い。

9点
SUBTOTAL 25点
28点
走り メルセデス・ベンツ E350 レクサス GS350
松下 計

加速の豪快さではわずかにGSに及ばないものの、電子制御7速ATの7Gトロニックが実現する滑らかな変速フィールでは逆にGSを上回っている。この勝負はほぼ互角だと思う。

8点

GSでは430に標準装備されるVDIMが350には設定もされていない。ただ基本的なシャシー性能は十分に高く、豪快なパワーを発生するエンジンによって胸のすく走りが得られる。

8点
片岡 英明

群を抜いていいのは高速走行時の直進安定性だ。ロングドライブの快適性とくつろぎ感も高いレベルにある。エアサス仕様と比べると乗り心地の上質感はちょっと物足りない。

8点

ハンドリングと乗り心地の妥協点が高く、荒れた路面を通り抜けたときのしなやかさ、いなし方も上手だ。ボディの大きさを感じさせない回頭性のよさと軽快感も魅力のひとつ。

8点
国沢 光宏

GSから乗り換えると、全ての点でソフト。コーナリングスピード勝負じゃ負けるものの、上質な乗り心地で圧倒する。使っているパーツのクオリティの高さを感じさせます。

9点

絶対的なコーナリング性能などはベンツに勝る。ただ少し荒れた路面だと、乗り心地が大いに不満。足回りに使われているパーツ(とくにダンパー)の質に問題あるのだと思う。

7点
SUBTOTAL 25点
23点
パッケージ メルセデス・ベンツ E350 レクサス GS350
松下 計

いかにもきっちり作られたアッパーミドルセダンという印象。ドイツではタクシーとして使われること多いクルマだけに、後席の乗降性も居住空間も十分に良くできている。

10点

ドライバーズカーとして作られているGSは後席のドアが小さめで乗降性は決して良くない。乗り込んでしまえば室内空間はまずまずだが、特に優れたパッケージングではない。

7点
片岡 英明

高級感はちょっと物足りなく感じられる。手堅いデザインで、新鮮味も足りないが、長く乗っていても飽きない。後席の心地よい包まれ感や居心地のよさは大きな魅力だ。

9点

運転席からの眺めは、上質なドライバーズカーといった印象だ。手触りの部分にまで、徹底したこだわりを見せている。後席は十分な広さを持つが、ホッとするくつろぎ感は今一歩だ。

8点
国沢 光宏

必要にして十分な広さを持っている。パッケージングと関係ないかもしれないが、シートの作りなどでGSを圧倒。豪華に見えるのはGS。けれど内容でEクラスに届かず。

9点

GSは「スポーツセダン」という位置づけ。したがって室内の広さを追求していない。その割にリアシートが広く、十分アッパーミドルクラスのセダンとして通用します。

8点
SUBTOTAL 28点
23点
安全性 メルセデス・ベンツ E350 レクサス GS350
松下 計

メルセデス車の安全性の高さは古くから定評がある。設計時点の違いでGSがやや有利な面もあるが、エンジンより速いシャシーなど、総合的な安全性では決してヒケをとらない。

9点

最新の安全デバイスであるVDIMの設定はないものの、シャシーの基本性能が高いキャパシティを備えている。衝突安全性能も高く、十分に安全なクルマに仕上がっている。

9点
片岡 英明

堅牢なボディ構造に加え、充実した安全装備を数多く採用する。ハイテク安全装備は車両挙動安定制御のESPだけだが、ブレーキやサスペンションなど、目に見えない装備が多い。

9点

世界トップレベルの衝突安全性や予防安全性を実現している。車両挙動安定制御のVSCやプリクラッシュセーフティ/AFS/バックガイドモニターなど、充実した装備内容だ。

9点
国沢 光宏

EクラスもGSと同じ程度の安全水準を持ってはいる。ただし衝突を回避するための技術のみ(姿勢制御装置)が、世界最先端のGSにホンの少しながら届いていない。

9点

このクラスになると万全。というかGSの安全性は、衝突を回避するためのデバイスまで含め世界トップクラスだと思う。シートベルトさえ締めていれば相当安全です。

10点
SUBTOTAL 27点
28点
プレミアム度 メルセデス・ベンツ E350 レクサス GS350
松下 計

メルセデス・ベンツになら高いお金を出しても良いと考えるユーザーを世界中に数多く抱えている。それにふさわしいだけのクルマ作りをしてきた100年を超える歴史の成果だ。

10点

GSはアメリカだけで何とか高級車として通用しているブランドで、ほかの市場ではまだまだ浸透が遅れている。プレミアム性という面でもまだまだ向上の余地がある。

8点
片岡 英明

高級セダンの代名詞である。ベンツ信仰は、日本人のなかに根付いている。幅広い層の人たちに高級車として知られ、プレステージ性、プレミアム度はかなり高い。神話もある。

9点

北米市場では絶大な人気を誇り、ステータス性も高い。だが、日本で神話が出来るのはこれからだ。GSそのもののプレミアム性も間もなく登場するLS460に一歩及ばない。

7点
国沢 光宏

メルセデスベンツのラインナップの中ではブランドイメージが弱いEクラスながら、GSと比べればやっぱり上。ただしE350に限って言えば、内容の割に高額過ぎると思う。

7点

ブランドイメージの構築はGSというかレクサスの大きな課題。ベンツと同じ価格で売ろうとしても、なかなか難しいのが現実である。アリスト時代からの値上がり幅も大。

7点
SUBTOTAL 26点
22点

ファーストインプレッション 総合評価