2004年秋、遂にあの「M5」が帰ってきた!
人気のミディアムスポーティセダン、5シリーズをベースに、BMWハイパフォーマンスシリーズの頂点として君臨するM5。この秋のパリショーで、遂に4代目がお披露目となった。
今回のM5は、量産モデルでは初となるV10気筒、排気量5リッターのエンジンを搭載。ダブルVANOS(可変バルブタイミング)や電子制御のスロットルバタフライ採用などにより、最高出力は実にリッターあたり100PSを超える507PS(373kw)、最大トルクは520Nmという圧倒的なパワーを誇る。なお、レッドゾーンも8,000rpm以上という高回転型エンジンとなっている。
このエンジンには新型の7速シーケンシャルトランスミッション「SMG」が組み合わされた。フロアのシフトのほかにステアリングにもハドルスイッチを設け、スムーズなシフトチェンジが実現可能であり、従来のSMGに比べてもシフト時間はおよそ2割早いものとなっている。一方でオートマチックモードも搭載され、快適なクルージングも可能である。
さて、そのハイパフォーマンスを受け止める足回りも充実している。エレクトロニックダンパーコントロール(EDC)やダイナミックスタビリティコントロール(DSC)、大径アルミ製ツインピストンキャリパーを備える高性能ブレーキシステムなど、ベースとなった5シリーズをベースに、より進化させた独自の設計となっている。そのテストにあたり、ドイツの名門サーキット、ニュルブルクリンク(北コース)を一流のスポーツカー並みという約8分というタイムで周回したということからも、その性能は明らかである。
それでいて、外観上の変化はベースモデルに比べ、一見ごくわずか。しかしディテールを見比べればそのパフォーマンスを予感させるのに十分な迫力を秘めており、まさに「羊の皮を被った狼」の称号に相応しいものとなっている。
これほどのハイパワー車を、4WDではなくFR(後輪駆動)で走らせる。そんなスペックを聞くだけでワクワクモノのハイパフォーマンスであり、車好きにとってもまたとない一台となるだろう。
ただし、今のところ日本での正式発売は未定となっている。1日も早い日本上陸を心待ちにしたいものである。
(※スペック等は全てドイツ仕様のデータ)