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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.30 [2004年12月10日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

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自動車リサイクル法の認知度と消費者意識を探る
施行開始直前。まだ「内容をよく知らない」が6割!!
〜「自分にとって身近な問題になるまで知らなくてもOK」でいいですか?〜
   2005年1月1日に施行される《自動車リサイクル法》。その料金は定期的に支払うものではなく、クルマの購入時、車検時、もしくは廃車時にしか関わってこないことから、「施行されることは知っていたが、内容はよく知らなかった」という回答が6割と、施行開始目前にしては認知度が低いようです。
 一方で、3年前に施行された《家電リサイクル法》は、施行されたこと自体の認知度は上がっているものの、肝心な仕組みがそれほど理解されていないという残念な結果になっています。
 様々なリサイクル法が制定されることは地球環境にとって大きなプラスです。しかし、ただ料金を支払うだけの制度ではなく、そのお金がどのように使われているのかを理解しておくことは、我々クルマを利用する者にとって大事な義務ではないでしょうか。  
 
目次
  ■5分で分かる自動車リサイクル法講座
■アンケート調査結果より
【認知度】60%が「施行されることは知っているが内容はよく知らない」
【認知度比較】《家電リサイクル法》 を知らなかった人はほぼゼロだが、理解は薄い
【情報源マーケティング】法律施行の普及活動にラジオは向いていない
【情報源-2】ほぼ半数が、「リサイクル法は必要に迫られたら誰かに聞く」
【消費者の意見】過半数以上が高いと思いつつ、37%が良いことだと肯定
【総括】自動車リサイクル制度において、リサイクル費用の負担が自動車所有者に義務付けられることについて、あなたはどう思いますか?
5分で分かる自動車リサイクル法講座
 
■不法投棄の要因はリサイクル不能な2割の廃棄物
 国内だけでも年間約400万台が廃車へと回されており、これを重量にすると何と約500万トンにも及びます。ただし、それらの廃車は解体業者らによって1台あたり約80%がリサイクルされているというのが現状です。
 では、「リサイクル不能な残り約20%のシュレッダーダスト※1の行方は?」というと、こちらに至っては埋め立てなどの処理費用が高騰の一途を辿っているために、「不法投棄」問題が重大な社会問題となっていました。
 
■大切なのは個々のリサイクル社会における貢献意識
 自動車リサイクル法が制定された背景には、こうした問題をいち早く解決し、廃車を適正にリサイクルする、もしくは処理するということがあります。
 つまり、この法律をクルマ社会に携わる人々が責任を持って遵守することにより、「個々が資源を大切にするリサイクル社会を築く」というのが真の狙いです。
 対象となるのは前述のシュレッダーダストのほか、フロン類とエアバッグ類の3品目。預託方法は不法投棄を防止するために「前払い方式」を採用しています。
 
■自動車と家電の違いは、料金を支払うタイミング
 リサイクルに関する法律といえば、3年前に施行された「家電リサイクル法」が記憶に新しいところですが、大きく違うのはその料金の預託方法。自動車リサイクル法は基本的に購入時に支払う前払い方式ですが、一方の家電リサイクル法は、対象品目を廃棄する時に負担することとなっています。

※1.シュレッダーダスト:クルマの解体・破砕後に残る廃棄物
 
 
自動車リサイクル法 データ
■正式名称 使用済自動車の再資源化等に関する法律
■施行開始 平成17年1月1日
■施行目的 使用済自動車(廃車)から出る有用資源をリサイクルして、環境問題への対応を図るための法律。
■対象品目
以下の3品目が料金支払いの対象となる。
(1) エアコンの冷媒として使われており、大気放出されると地球環境を破壊する「フロン類」
(2) 爆発性があって処理の難しい「エアバッグ類」
(3) 使用済自動車から有用資源を回収した後に残る大量の「シュレッダーダスト」の以上3品目。
(これらの他、料金はリサイクル制度の運営費にも充てられる)
■預託方法
不法投棄を防止するため、「前払い方式」を採用。
(1) 新車購入時
(2) 現在乗っている車は、施行後、最初の車検時
(3) 車検前に廃車にする場合は、廃車時
(4) 預託金支払い済みの中古車は購入時、未払い車は車検時
家電リサイクル法 データ
■正式名称 特定家庭用機器再商品化法
■施行開始 平成13年4月1日
■対象品目 エアコン/テレビ(ブラウン管式)/電気洗濯機/電気冷蔵庫・電気冷凍庫
■預託方法 上記5品目を廃棄する排出者には、
『小売店の収集・運搬料金』+『メーカーのリサイクル料金(2,400円〜4,600円程度)』を負担することが義務付けられる。
排出された製品は家電小売店や自治体が収集し、家電メーカーによってリサイクルされる。
 
コレさえ見れば料金の目安が分かる!!
 
リサイクル料金 タイプ別サンプル
※単位(円) 高級セダン セルシオ
高級セダン セルシオ写真
UCF300系
(2000年発売)
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LLクラスミニバン アルファード
LLクラスミニバン アルファード写真
UCF300系
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Mミニバン ノア
Mミニバン ノア写真
UCF300系
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コンパクトセダン カローラ
コンパクトセダン カローラ写真
UCF300系
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コンパクト ヴィッツ
コンパクト ヴィッツ写真
UCF300系
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ASR(シュレッダーダスト) 9,930 9,950 8,300 5,840 5,100
エアバック類 3,150〜3,450 2,250〜2,850 2,250〜2,850 1,950〜2,850 1,950〜2,550
フロン類 2,050 2,050 2,050 2,050 2,050
合計 15,130〜15,430 14,250〜14,850 12,600〜13,200 9,840〜10,740 9,100〜9,700
【認知度】リサイクル法は60%が「施行されることは知っているが内容はよく知らない」
 
「自動車リサイクル法」について、アナタが知っていることを次の中から選んでください (複数回答可)。
「自動車リサイクル法」について、アナタが知っていること
■施行1ヶ月前で「全く知らない」のは21%
 自動車リサイクル法の大枠が分かったところで、一般の方々にどれほどの認知されているかを調査しました。すると、6割が「施行されることは知っているものの、内容に関しては分からない」と回答。
 「知っている」と答えた方の中でも、施行開始時期、負担金額、仕組みのそれぞれが10%以下。逆に「全く知らなかった」と答えた方が21%とは、施行直前の現段階では多過ぎる結果でしょう。
  ホントに「自動車リサイクル法」の内容をわかっていますか??
 
「施行開始時期を知っている」という方へ。
「自動車リサイクル法」の施行開始日をお選び下さい。
「自動車リサイクル法」の施行開始日  「施行開始時期を知っている」という方に対して、2004年12月1日から1ヶ月刻みで2005年4月1日まで選択肢を用意しましたが、サスガにこれはほぼ全員の方が正解されました。
 こうした法案が日本でも法制化されることは喜ぶべきことですが、EU諸国の一部ではもっと早くに取り組んでいます。スウェーデンが98年1月1日に「自動車生産者責任法」を発効したのを皮切りに、2002年7月1日にドイツやオランダが国内法を施行するなど、この三国だけは世界的にも自動車環境先進国と言えます。(自動車リサイクル促進センター/報道用資料)
 
 
「負担金額を知っている」という方へ。
その負担金額について、アナタが知っていることをご自由にお答え下さい。
1000ccクラスで、1万数千円程度であること。(51歳/製造業) ◎
いくらになるかは知りませんが、だいたい1万円以上と聞いた気がします。また本来は購入時に払うけれど、今持ってる人は、車検の時に払うと聞きました。(32歳/主婦) ▲
エアバックの数、フロンガスの充填量、シュレッダーダストの量で負担金額が変化する。(29歳/自衛官) ◎
自動車の販売価格に処理費用やリサイクル費用が含まれる。(44歳/会社員) ×
手放す時にお金がかかる。(34歳/会社員) ×
 支払い金額は車種によって細かく違うため、その目安に関しては2ページ下段を参考にして下さい。エアバッグ及びエアコンの数、シュレッダーダストの発生量によって自動車メーカーや輸入業者が細かく設定しています。
 なお、このリサイクル料金は、自動車の販売価格に含まれるわけではなく、「リサイクル券」が発行されます。 
 
 
「引き渡し/支払いの仕組みを知っている」という方へ。
その仕組みで知っていることをご自由にお答え下さい。
買ったディーラーに持って行き、所定の金額を支払う。(会社員/53歳) ×
1台に払ったり売ったりしても、廃車にする時まで引き継がれる(23歳/フリーター) ▲
中古の場合は次期保険料支払い時に払う。売る場合は、買い手にその義務が発生する。(22歳/学生) ▲
新車購入時、または車検時や廃車時に支払う。「リサイクル券」を次の所有者に引き継がせる。(29歳/自衛官) ◎
全ての引き渡し過程において電子マニフェストにより追跡される。消費者が費用を負担。そのプールされた基金より処理費が捻出される。(42歳/行政書士) ◎
 支払いに関するシステムを理解することが「自動車リサイクル法」の最も難しい点ですが、簡潔に述べると、(1)新車は購入時、(2)現在の所有車は最初の車検時、もしくは廃車時に所定の費用を支払う、というのがポイントです。
 ただし「買い手に支払い義務が発生する」というのはもちろん正しく、そのリサイクル料金が自動車メーカーや輸入業者のリサイクル資金となります。 
【認知度比較】《家電リサイクル法》を知らなかった人はほぼゼロだが、理解は薄い。
 
「家電リサイクル法」について、あなたが知っていたことを次の中からお選びください。 (複数回答可)
「家電リサイクル法」について、あなたが知っていたこと
 自動車と比較してみると、こちらは3年以上も前に施行された法律だけあって、「対象製品」「負担金額」「施行開始時期」の順に認知度はどれも高い数値を示しています。 ただし、肝心な仕組み自体を理解している方は、全有効回答数の中の「14%」。 メーカーがリサイクルをすることや、消費者が費用を負担しなければならないことは自動車と一緒ですが、収集・運搬費用も併せて支払わなければいけない点や、対象品目を廃棄する者が払う「後払い方式」を採用している点では異なっていることをキチンと理解しなければいけませんね。
【情報源マーケティング】
法律施行などの普及活動に、ラジオは響きにくい。
 
「自動車リサイクル法」に関する情報を主にどこから入手しましたか?
(「施行されることを知らなかった」以外の方へ)
「自動車リサイクル法」に関する情報を主にどこから入手しましたか?
 次に、自動車リサイクル法の施行開始を知っていた方にその情報源をお聞きしたところ、「テレビ」という意見が大勢を占めました。これは、理解普及活動の一環として展開している「テレビCM」が大きな効果を挙げていることの表れでしょう。
 一方、マーケティング的な観点から自動車関係には必須と言われる「ラジオCM」が異様に少ないのも明白。ラジオではテレビより10日も早くCM展開を開始させているにもかかわらず「たった4%」というのは、こうした新しい法律の普及にラジオ媒体が不向きだという仮説も立てられます。
【情報源-2】ほぼ半数が、「リサイクル法は必要に迫られたら誰かに聞く」という声
 
「自動車リサイクル法」に関するより詳しい情報を、あなたはいつ、どのように得たいと思いますか?(あなたの考えに最も近いものを1つだけお選びください)
「自動車リサイクル法」に関するより詳しい情報を、あなたはいつ、どのように得たいと思いますか? 結果は、「必要に迫られた時に誰かに教えてもらう」派と「施行直前にチェックする」派の大きく2つに分かれました。ただ、どちらにも言えることは、「直前までは気にしない」という感覚でしょう。家電リサイクル法をみれば分かるように、この手の法律は自分に関係する時期になって初めて情報を探し始める人が多いということです。
自動車リサイクル法促進センターにインタビュー
自動車リサイクル促進センター 齊藤和紀 事務局長
自動車リサイクル促進センター 
齊藤和紀 事務局長
年末年始に広報活動を強化。中古車業界も協力を

 私達は自動車リサイクル法の理解促進のためにTV、ラジオ、新聞、雑誌のマス媒体を中心に、ポスターなど各種PR活動用の制作やシンポジウムの開催等、これまで幅広い活動を行なってきました。
 今後は来年1月1日の施行開始に向け、TVでは全国で第2弾〜第3弾CMを続々と放映し、12月20日には全国46の新聞紙上で15段記事を掲載します。
 自動車業界全体では、特に中古車業者さんの認知度がまだ低いようなので、ガリバーさんを中心にもっとリサイクル法に関する広報活動をやっていただけると盛り上がりますね。
【消費者の意見】過半数以上が「高い」と思いつつ、37%が「良いことだ」と肯定的
 
「自動車リサイクル法」に関するより詳しい情報を、あなたはいつ、どのように得たいと思いますか?(あなたの考えに最も近いものを1つだけお選びください)
■45%が肯定的なのは、環境問題への関心が高まったから
予想通りというか、消費者にとっては新たに課される料金だけに、過半数以上の人が「高い」と答えるのは仕方のないところ。ただ、「妥当だと思う」「安いと思う」を合わせると45%になるので、肯定と否定の意見はほぼ半々と考えられます。
 もちろん、普通に考えれば1万円〜1万5000円は我々庶民にとっては大金。それでも肯定的意見が約半数に至った理由としては、(1)所有権が移る(廃車にしない)限りは手元に戻ってくる、(2)多くの人が環境問題に関心を持ち、当然課せられるべき料金と考えている人がいる、という2点が批判をかわしているポイントと考えられます。
自動車リサイクル制度におけるリサイクル料金の水準を見て、あなたはどう思いますか?
自動車リサイクル制度におけるリサイクル料金の水準を見て、あなたはどう思いますか?  新たに消費者の負担が増えるということから、金額に関してはやはり「高い」と感じる人が過半数を超えています。ただ、同時に40%以上の方が「妥当」とも答えています。
【総括】
 
自動車リサイクル制度においてリサイクル費用の負担が自動車所有者に義務付けられることについて、あなたはどう思いますか?
(あなたの考えにもっとも近いものを1つだけお選びください。)
自動車リサイクル制度においてリサイクル費用の負担が自動車所有者に義務付けられることについて、あなたをどう思いますか?
賛成意見が一番だが、以下は否定意見…
 「自動車リサイクル法」に対して、消費者の反応は肯定的な意見と否定的な意見がほぼ半々であることが分かりました。決して安いとは言えない課金料金が45%もの人々に受け入れられたあたりの真意を探るため、最後に消費者の自動車リサイクル法に対する感想/意見を聞いてみました。
 最も多かった回答が「不法投棄を防止するためには良いこと」という肯定的な意見(37%)。つまり、今後の地球環境のことを思うと「このままではいけない」と考えていた方が最も多い結果になりました。
 ただし、その後に続くのが「負担が増えるので賛成できない」(25%)、「廃棄する人が払えばいい」(21.7%)などといった、否定的な意見ばかりというのは残念な結果でした。
自動車リサイクル法の大義を分かりやすく伝えるべき
 「自動車リサイクル法」が家電と違って優れていると感じるのは、やはり「前払い方式」を採用する点。これによって不法投棄が大幅に解消されるというのは、リサイクル法を法制化する大いなる意義があるということです。こうした重大なポイントを理解してもらうことや、廃車にしない限りはお金が戻ってくる点、プールされたお金がメーカーらに渡ってキチンとリサイクルに活用される点などを、業界全体としてもっと積極的に消費者の方々にお伝えしなければいけないと感じています。特に中古車業界は全体的にまだまだ理解が浅いということなので、ガリバーとしてもより真剣に取り組むべき法律であるという思いを新たにしました。  ガリバー自動車流通研究所 佐藤 誠
ガリバー自動車流通研究所
佐藤 誠
 
■ 資料提供・取材協力/財団法人 自動車リサイクル促進センター
■ 調査協力:インフォプラント
・自動車を保有している20歳以上のインターネットユーザーに調査(有効回答数:300人)

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