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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.26 [2004年9月10日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

事故を起こしても半数以上の男性は「反省なし」
〜アナタは安全装備や自分の運転技術を過信していませんか?〜
   9月21日(火)から30日(木)まで、毎年恒例「秋の全国交通安全運動」が実施されます。今年も3つの重点目標(@高齢者の事故防止、A夕暮れ時と夜間の事故防止、Bシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底)のもと、全国的な事故 防止運動が展開されます。
 この3つの重点目標の中で、今回、我々が注目したのはシートベルト。なぜ毎年毎年、交通安全運動のたびに繰り返し言われるのか?まだまだシートベルト着用の普及が甘いのか?シートベルトに関するデータを中心に、我々ドライバーの心に潜む「交通安全」に対する意識を調査してみました。
  目次
  全国交通安全運動、アナタは今年のスローガンを知っていますか?
セーフティー・ドライブの基本/シートベルトに対する意識調査
  〜座る場所で意識が変わる!?〜

実例検証 : 後席シートベルトは自分を守るだけでなく、前席乗員を守る意味もある!!
男性は車の運転に対して過信する傾向アリ?
  −事故を起こしても半数の男性は反省の色なし−

付録 /タイプ別お薦めセーフティーカー特集 : 売れてるミニバン、安全性で選ぶならナンだ???
全国交通安全運動、アナタは今年のスローガンを知っていますか?
 
■今年の交通安全運動のテーマを知っている人はたったの7%
 今年の「秋の全国交通安全運動」の重点目標は右の3点。毎年春と秋の2回、しかも全国的に実施されている施策でありながら、その内容までをキチンと理解されているかを聞いてみました。
 結果はご覧のとおり、「知っている」と答えた方がたったの7%強。残念ながら、ほとんどの方が今年秋の交通安全運動の内容を知らないというデータを得ました。
 
※平成16年秋の交通安全運動−重点目標−
■高齢者の交通事故防止!!
■夕暮れ時と夜間の交通事故防止対策の推進!!
■シートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底!!
※あなたは、今年の「秋の全国交通安全運動」のテーマを知っていますか?
※あなたは、今年の「秋の全国交通安全運動」のテーマを知っていますか?
 
■同乗者でシートベルト非着用の死亡者が6割以上を占める。
 その重点目標の中でも、我々車に関わる企業としては、「シートベルトの着用」という極めて基本的な交通安全行為の徹底は急務だと考えます。
 ちなみに警察庁交通局が発表している平成16年上半期の交通事故状況の調査(右グラフ参照)によると、平成13年以降の「シートベルト着用有無別死者数」の推移は運転者に限ってみれば年々非着用者の構成比率が減少しています。
 一方の同乗者をみると、昨年まで非着用者の構成比率が何と70%以上を推移していました。今年に入って10%以上の向上を果たしたとはいえ、それでも60%以上。つまり運転する者のシートベルトに対する意識は上がっているものの、同乗者のシートベルトに対する意識はそれほど高くないことが明らかです。
 欧米では既に前後席ともにシートベルトを着用することが法律でキチンと義務付けられているにもかかわらず、日本では未だに前席のみが罰則の対象です。このあたりの差が同乗者のシートベルトに対する意識の差であり、非着用者の死亡者数が一向に減少しない要因となっていると考えます。そこで我々はシートベルトに対する意識調査を「座る場所別」に実施してみました。
  平成13年 平成14年 平成15年 平成16年
死者数 構成率 死者数 構成率 死者数 構成率 死者数 構成率
運転者 着用 45 40.9% 44 47.3% 39 50.6% 37 53.6%
非着用 56 50.9% 43 46.2% 35 45.6% 27 39.1%
不明など 9 8.2% 6 6.5% 3 3.9% 5 7.2%
小計 110 100.0% 93 100.0% 77 100.0% 69 100.0%
同乗者 着用 10 18.2% 8 20.5% 11 25.0% 19 30.6%
非着用 40 72.7% 28 71.8% 32 72.7% 38 61.3%
不明など 5 9.1% 3 7.7% 1 2.3% 5 8.1%
小計 55 100.0% 39 100.0% 44 100.0% 62 100.0%
合計 着用 55 33.3% 52 39.4% 50 41.3% 56 42.7%
非着用 96 58.2% 71 58.2% 67 55.4% 65 49.6%
不明など 14 8.5% 9 8.5% 4 3.3% 10 7.6%
小計 165 100.0% 132 100.0% 121 100.0% 131 100.0%
セーフティー・ドライブの基本/シートベルトに対する意識調査
〜座る場所で意識が変わる!?〜
 
「アナタが自家用車でシートベルトをするのは、どのような時ですか?」
― 運転する時 ―   ― 助手席に乗る時 ―   ― 後部座席に乗る時 ―
   
ほぼ全員が「運転する時には装着」するものの、その理由は対称的   運転席に比べ若干落ちる装着率。その要因はエアバックへの過信?   高速での死亡事故の後部座席乗車の約5割が車外に放り出されている
 「運転する時はシートベルトを着用する」というのは、ほぼ完全に根付いているのが分かります。
 ただ、「あたりまえ」「もう、習慣になってます」「安全のため」「自分を守ってくれる道具だから」という前向きな声はあるものの、やはり「反則金を払いたくないから」「違反切符を切られるのが嫌だから」というような仕方なくシートベルトを装着するというような意見もあるのは確か。「エアバッグがあるから安心」という誤解をしている方もいるようです。
   助手席でのシートベルト装着も法律で義務付けられているものの、その装着率は若干落ちるようです。
 近年では助手席にもエアバックが装備されている車種が増えていますが、この装備に対する過信が大きな事故を招いていることも問題でしょう。
 エアバッグは基本的に前面衝突に対するモノ。全ての安全の基本はシートベルトです。「ドライバーが違反になると困るから」という声もありますが、助手席も「自分の身を守るため」という意識で装着したいものです。
   残念ながらたったの「10%」という数字が表面化してしまったのが後部座席に乗車する時。
 全国の高速道路における死亡事故を分析した結果、後部座席に乗車中の約5割の方がシートベルトを締めていなかったことで車外に放り出されて死亡しているというデータもあります(日本道路公団調べ)。
 後部座席でのシートベルト着用は義務化されていないものの、危険性はいずれの座席も変わらないということを理解していただきたいものです。
※シートベルト豆データ:オーストラリアやカナダでは前後席全てを含めたシートベルトの装着率で80%を超えています。
実例検証:後席シートベルトは自分を守るだけでなく、前席乗員を守る意味もある!!
 
■後席のシートベルト非着用が前席乗員に与える影響の大きさは?
 私たちはシートベルトというものが自分の身を守るためだけにあると思いがちですが、後席に限って言うとそれは大きな間違いだということが交通事故総合分析センターの調査によって明らかになっています。
 というのは、表1をご覧いただくと分かるように後席の乗員がシートベルト非着用だった場合、着用だった場合と比較すると死亡重傷率が格段に上がっています。コレを前面衝突の事故に限って抽出したのが表2ですが、前後席とも着用していれば1.48で済むのが後席非着用だと3.02に跳ね上がります。ドライバーが非着用だと数値はサイアクの状況(8.24⇒12.72)です。
表1/後席乗員のシートベルト着用有無と、ドライバーの傷害の関連性データ
  事故
台数
運転者 死亡
重傷率
死亡 重傷 軽傷
前面衝突 運転者着用 後席着用 4797 3 68 2336 1.48%
後席非着用 18610 69 493 8347 3.02%
運転者非着用 後席着用 85 2 5 53 8.24%
後席非着用 2587 65 264 1596 12.72%
側面衝突 運転者着用 後席着用 2138 2 23 1074 1.17%
後席非着用 8977 28 180 3981 2.32%
運転者非着用 後席着用 25 0 1 16 4.00%
後席非着用 1018 30 82 585 11.00%
後面衝突 運転者着用 後席着用 8223 1 44 5921 0.55%
後席非着用 25181 5 163 17433 0.67%
運転者非着用 後席着用 68 0 0 59 0.00%
後席非着用 2184 6 23 1734 1.33%
表2/後席乗員が同乗していた場合の運転者の死亡上昇率比較(前面衝突の場合)
表2/後席乗員が同乗していた場合の運転者の死亡上昇率比較(前面衝突の場合)
■事故の衝撃で「後席乗員」が凶器となる!?
 なぜこのようなことが起こるかというと、後席乗員が衝突の瞬間に前席のシートバックにぶつかることで前席乗員がエアバックとの間に挟まれ、前席乗員の胸部、腹部、大腿部を損傷(イラスト参照)。最悪では2人とも死亡というケースもあります。その衝撃の凄まじさは左の写真からも見て取れます。コレを見ても、アナタは後席でシートベルトを着用しませんか?
参考イラスト   参考写真
参考イラスト ←→後席乗員のシートベルト非着用により、前席のシートバックを押す形になる。コレがさらにエアバッグに押された前席乗員を挟む凶器になるのだ!! 参考写真
イラストおよびデータは全て(財)交通事故総合分析センター発行「イタルダ・インフォメーション No.27」より引用−
男性は車の運転に対して過信する傾向アリ?
−事故を起こしても半数の男性は反省なし−
 
■7割が反省する女性、半数以上が意識を変えない男性−。
 では、一体どれくらいの人が過去に交通事故を経験し、その事故を通してどのように安全に対する意識が変わるのだろうか?
 まずは、過去の事故経験の割合ですが、実に「半数以上の方が車を運転もしくは同乗していて事故に遭った経験のある」という数字が出ています。
 この結果を受け、事故経験後の意識の違いを男女別に聞いてみました。すると、女性の7割近くが「事故後に交通安全に対する意識が変わった」と答えているのに対し、男性は5割以上が「事故後も交通安全に対する意識は変わらなかった」という驚くべき結果が出ています。
※あなたは、過去に自家用車を運転あるいは同乗していて、交通事故に遭った経験がありますか?
あなたは、過去に自家用車を運転あるいは同乗していて、交通事故に遭った経験がありますか?
※事故に遭った経験がある方へ、その事故以降、交通安全に対する意識は変わりましたか?
 事故後に女性の安全に対する意識が変わる要因として、@女性の方が子供を載せる機会が多い、A軽自動車やリッターカーなど小型車が多いので、比較的危険度が高いなどが挙げられる。
男性 女性
男性 女性
■失敗から学習するから人間なのである −自己への過信、安全装備に対する過信−
 このデータが示しているように「自分は絶対に事故を起こさない」と過信している男性が、実際に事故を起こしていても多いというのが分かります。この根拠のない「過信」こそがシートベルトの着用率を下げていると考えられます。例え自分が事故を起こさなくても、どんなに車の運転が巧くても、飛び込んでくる「もらい事故」には対応しようがありません。
 また、「エアバックがあるから大丈夫」という過信の声もあります。しかし基本的にエアバックは衝突時のみに有効です。衝突後の挙動変化における車外放出に対応できる安全対策はシートベルトですから、まず車に乗り込んだら最初にシートベルトを装着し、自分のカラダは自分で守ることを確認しましょう。
付録/タイプ別お薦めセーフティーカー特集:死傷者上昇中の女性向けと、売れてるミニバンのお薦めは?
 
年々増加する女性ドライバーに人気のコンパクトカーは?
年\区分 女性
免許保有者数(人)
女性
運転中死傷者数(人)
免許保有者10万人
当たり死傷者数(人)
平成6年 26,412,320 165,704 627.4
平成7年 27,157,654 177,162 652.3
平成8年 27,901,542 183,385 657.3
平成9年 28,692,881 183,385 639.1
平成10年 29,510,325 202,738 687.0
平成11年 30,191,551 215,012 712.2
平成12年 30,820,852 238,748 774.6
平成13年 31,407,452 246,949 786.3
平成14年 32,044,482 248,301 774.9
平成15年 32,681,581 257,222 787.1
※女性の免許保有者数と運転中死傷者数の推移(データ提供:交通事故総合分析センター)
女性の免許保有者数は10年前の1.25倍だが、運転中の死傷者数は1.52倍にUP!!
 女性の社会進出が叫ばれる中、かつては特定の人しか運転しなかったのが今や普通に街中を乗り回すような時代。ただし、運転技術には?が付き、免許保有者10万人あたりの死傷者は15年で「787.1人」。保有者が1200万人多い男性で「1015.0人」ということは、ペーパードライバーを差し引いたらかなりの確率となる…。
CUTEなルックスの割にはシッカリとした安全対策とボディー剛性を兼ね備える
 ミニと言えばその愛らしいスタイリングが男女分け隔てなく支持されているが、衝突実験や対横転には頑なまでに対応しているのが欧州車らしい。そのボディー剛性は高級車レベルというから、女性でも安心して乗れるコンパクトカーのNo.1。特にどんな急カーブでも車体の走行安定性を維持してくれるCBCが秀逸の装備。
BMW MINI
売れてるミニバンだけど、肝心の安全性能は?
大勢乗れて便利なミニバンだが、その反面、安全面で見落とされがちな盲点が・・・
 ミニバンについては「人が後席に乗車する機会が多い」のと「車高が高いので横転しやすい」という両面で、便利だが危険性も高いと言われています。JAFの意見でも「ガラス面が多く、車外放出の可能性は他の車種に比べて断然高い」と言われています。このあたりを考えると、より慎重な運転と正確なシートベルト着用が望まれる。
3列シートまであるミニバンで車高が低めに抑えられているモデルと言ったら?
 横転の危険性を抑えるためには足回りをイジるなど方法はあるが、てっとり早いのは車高が低い車種を選ぶこと。そうなると1550mmというオデッセイが断然有利。立体駐車場に入れることができて、重心が低いのでハンドリングも◎。しかもサイドエアバッグが大きいので3列目シートまでカバーしてくれるのがポイント高し!!
HONDA ODESSEY
 
国産メーカーで最新の安全装備を持つ究極のクルマは?
※「安全性が高い車」と聞いて、あなたがイメージする車種は何ですか?
1位 クラウン/マジェスタ
2位 セルシオ
3位 プリウス
4位 オデッセイ
ランドクルーザー
6位 アコード
アリスト
ウィッシュ
ヴィッツ
カローラ
マーク2
TOYOTAの、いや日本の安全装置の粋を集めたKING of safty Carは TOYOTA MAJESTA
「安全性が高い」というイメージを持たれている車種No.1はクラウン/マジェスタですが、実際凄い!! 例えば、これまでの安全装備というと車輌の限界値を超えてから挙動制御が始まるのに対し、今年7月に発売された新型マジェスタが備える「VDIM」は限界に達する前にステアリングやブレーキ、エンジンなどを統合制御することで非常に高い予防安全性を持っています。その他にも「レーン・キーピング・アシスト」など安全技術の最先端を満載!! でも、これだけの装備を持っていてもシートベルトをしないと意味がありませんよね?
ガリバー自動車流通研究所
佐藤 誠 研究員
ガリバー自動車流通研究所 佐藤 誠 研究員
 
■資料/情報協力:財団法人交通事故総合分析センター
■調査協力:インフォプラント
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