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ガリバー自動車流通研究所レポート

Vol.23 [2004年6月20日発行]

Gulliver 自動車流通研究所

−2004年8月13日、アテネオリンピック開幕−
クラウンが金メダル確定!?
オリンピック・イヤーに売れるクルマには、法則があった
  オリンピックが自動車業界にもたらす影響はあるのでしょうか?
この疑問に基づいて、オリンピック開催年をめぐる自動車業界の傾向を探ります。また、自動車流通研究所が独自に予想するアテネ・オリンピック・イヤー注目の車を金・銀・銅の3台ピックアップしました。
  目次
  オリンピックがもたらす消費動向への影響
自動車業界にも「オリンピック特需」はあるか?
「クラウンの法則」〜オリンピックに強い車〜
’04アテネ・オリンピック・イヤーに「復権」をかける
アテネ・オリンピック・イヤーの注目の車、金/銀/銅はこれだ!!
【考察】 「世代交代」と「ウーマンズ・パワー」
オリンピックがもたらす消費動向への影響
 
2004年の今年は、2カ月後に「アテネ・オリンピック」が開催されます。世界ナンバー1を決めるスポーツの祭典・オリンピック。ビッグイベントだけあって、開催年における経済効果は絶大(参考1)です。例えば家電商品のオリンピック商戦は、国内の経済動向にも影響すると言われています。
それでは、オリンピックが自動車業界にもたらす影響はあるのでしょうか?
この疑問に基づいてオリンピック開催年をめぐる自動車業界の傾向を探り、ガリバー自動車流通研究所が独自に予想する、アテネ・オリンピック・イヤー注目の車を「金」「銀」「銅」と3台ピックアップしてみました。
参考1:世界の実質GDP成長率
オリンピック開催年の平均 4.3%
オリンピック開催年以外の平均 3.4%
ワールドカップ開催年(過去7回)の平均 3.1%
(住友生命総合研究所調べ)
自動車業界にも「オリンピック特需」はあるか?
 
■ターニングポイントとなるオリンピック開催年
   日本経済に多大な影響を与える『オリンピック特需』。今年はプラズマテレビやDVDレコーダーなど、家電業界が盛り上がっているようですが、車業界もその恩恵を授かっているのでしょうか?
 年別で形式別登録台数の推移(図1)によると、確かに近年のオリンピック開催年は、車業界を多少なりとも盛り上げた傾向にあるようです。
 唯一、バブル崩壊直後の’92年バルセロナ・オリンピック・イヤーは小型車の減少期に当たっていますが、普通車の上昇とは反比例しています。これは“シーマ現象”とまで言われた3ナンバー車ブームを象徴した流れと言えるでしょう。逆に’96年アトランタ・オリンピック・イヤーは、その下降を一時的に食い止め、逆に上昇しています。
 こうして見ると、車業界にとってオリンピック・イヤーはひとつのターニング・ポイントになる年とも言えそうです。それでは、どんな車種がオリンピックに強いのでしょうか?
 
図1:新車販売台数の推移とオリンピック
図1:新車販売台数の推移とオリンピック
「クラウンの法則」〜オリンピック・イヤーに強い車〜
 
■オリンピックが開催される年、常にランクを上げてきた「トヨタ・クラウン」(1980〜1996)
   1979年以降の年ごとの『車名別登録台数ランキング』を分析した結果、特に注目したのが「トヨタ・クラウン」の動向でした。下のグラフをご覧頂くと、クラウンは’80年のモスクワ・オリンピック・イヤー以降、オリンピックの前年から開催年に向けて、まるで計ったように順位を上げてきます。(図2)
 
図2:車名別登録台数ベスト10におけるトヨタ・クラウンの順位変動(1979〜2002)
図2:車名別登録台数ベスト10におけるトヨタ・クラウンの順位変動(1979〜2002)
 
■’00年にランクを下げた背景
 唯一の例外が前回のシドニー・オリンピックです。これは順位を落とした(4位⇒6位)といっても、登録台数は飛躍的な伸び(87,253台⇒101,000台)を見せています。『ミニバン』や『コンパクトカー』など新たな勢力の台頭(※巻末【考察】ページ参照)という状況下では、むしろ従来以上に健闘していると言って良いでしょう。やはりクラウンはオリンピック・イヤーに強いようです。
 
■トヨタの戦略か、否か…。
 この「クラウンの法則」には、当然、理由があります。というのは、トヨタの戦略か否か、クラウンは必ずオリンピックの前年にフルモデル・チェンジを行なっているのです。結果、必然的にオリンピック・イヤーは販売台数を上げてきます。この法則が継続されていることは、昨年の新型投入を見ても証明されています。
この疑問に・・・直撃
「確かにクラウンはキッチリとモデル・チェンジの周期が4年ですが、特に当社が車の販売や開発に関してオリンピックを意識したことはありませんね。
(トヨタ自動車広報部 談)」
’04アテネ・オリンピック・イヤーに復活!「クラウンの法則」
 
■ゼロから再スタートした効果大
  台数は伸ばしたものの、ランク的には順位を落としたシドニー・オリンピック・イヤーのクラウン。今回のアテネ・オリンピック・イヤーでは“ゼロからの出発”をコンセプトに’03年12月末、「ZERO CROWN」を投入しました。デビュー早々に順調な売れ行きを示しています(図3)。ミニバンやコンパクトの強敵たちを抑え、再び大活躍を見せてくれるのが今年のアテネ・オリンピック・イヤーといえそうです。
 
図3:新型登場後のトヨタクラウン 販売台数と順位
図3:新型登場後のトヨタクラウン 販売台数と順位
■新型 “ZERO CROWN ” の復権策
先代クラウン
先代クラウン
新型“ZERO”クラウン
新型“ZERO”クラウン
長年使用されてきた直列6気筒エンジンが、より小型な新設計V6タイプのエンジンに切り替わったのに合わせ、エンジン配置等の車台パッケージングを一新。よりスポーティで先進的なレイアウトとなった。また車体デザインもスポーティなテイストを加え、一気に若返りが図られた。
アテネ・オリンピック・イヤーの注目の車
 
 これまでの自動車業界とオリンピックの関係を踏まえて、アテネ・オリンピックの今年注目の3車をメダル形式でピックアップしました。
メーカーさんは否定されていますが、オリンピックの年に「王冠」(クラウン)という名の車が上位入りという事実。これには、なにか因縁めいたものを感じずにはいられないですね。
ガリバー自動車流通研究所 徳田 透
ガリバー自動車流通研究所
徳田 透
  ガリバー自動車流通研究所 大予想!【 ’04年 金メダルカー 】
 
金
「クラウンの法則」そのままに、’03年末登場以来順調に売れ行きを伸ばしている新型クラウン。’04年上半期の実績に加え、今夏にはシリーズ最上級の「マジェスタ」シリーズも加わる予定。人気もより磐石なものとなるでしょう。
 
トヨタ クラウン
新車販売価格:
293.5〜499.0万円
トヨタ クラウン
購買対象年齢層の引き下げに成功。発売1カ月後の受注台数が目標の4倍以上の2万2000台に達した。
ホンダ オデッセイ 他に例を見ない独創的な低床パッケージングが好評の3代目オデッセイ。ライバル不在な独り勝ち状態は、今後しばらく続くものと思われます。
ホンダ オデッセイ
新車販売価格:220.0〜297.0万円
日産キューブ&キューブ キュービック 個性的なキューブのスタイルはそのままに、いざとなれば+2名乗車可という見事なパッケージングが新鮮なキュービック。2車の棲み分けも見事です。
日産キューブ&キューブ キュービック
新車販売価格:119.8〜164.0万円
【考察】「世代交代」と「ウーマンズ・パワー」
 
◇【考察1:『セダン』の衰退と『ミニバン』の台頭】・・・トップ10圏内に『ミニバン』登場
 
◎ 『セダン』の衰退
  80年代後半から90年代にかけて隆盛を誇ったのが「トヨタ・マークII」。特に’87年〜’94年の8年間は「トヨタ・カローラ」に次ぐ2位をキープするほどの人気モデルでした。’95年にいったん5位に落ちると、翌’96年のアトランタ・オリンピック・イヤーにフルモデル・チェンジ。さらに’97年にはワゴンモデルの「クオリス」投入で復活をかけました。しかし人気の凋落に歯止めがかかることはなく、’99年以降トップ10からも消滅しました。
 
◎世代交代の波 ・・・『ミニバン』台頭
 当時、人気セダンクラスの一角を担っていたのが「トヨタ・マークU」。’90年代前半までは「トヨタ・カリーナ」「トヨタ・コロナ」「日産・サニー」「日産・ブルーバード」ら他セダン勢と共に、トップ10圏内の大部分を占めていました。ところが’92年のバルセロナ・オリンピック・イヤーを区切りに、その天下はほぼ終焉を迎えます。翌’93年から8位に飛び込んできた「トヨタ・エスティマ」に始まる『ミニバン』勢の攻勢と、それに押されていく『セダン』勢が(図4)でお分かり頂けるかと思います。なお、この新旧世代交代の変動で「トヨタ・クラウン」もこの2年間(2002〜2003)はベスト10圏外となっています。
 
図4:登録台数ベスト10におけるタイプ別占有率の推移
図4:登録台数ベスト10におけるタイプ別占有率の推移
 
◇【考察2:コンパクトカーの台頭】・・・背景に女性ユーザーの増加
 新カテゴリー『ミニバン』が台頭する一方で『コンパクトカー』もまた新たな勢いを生み出しました。その先駆者的存在が「日産・マーチ」。女性ユーザーの増加傾向がその勢いに加勢したのは間違いないところでしょう。さらにその後登場した「トヨタ・ヴィッツ」は、’99年から’01年までの3年間も2位をキープする大健闘ぶり。さらに’01年には新星「ホンダ・フィット」も誕生。’02年には、販売登録台数ランキングで過去33年間守られてきた「トヨタ・カローラ」の首位の座を奪取する、という歴史的快挙を成し遂げました。「コンパクトカーがセダンを完全に凌駕!」、という衝撃的な年でもあったのです。(図5)
 
ホンダフィット
ホンダフィット
2001年6月デビュー。同年カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。翌年には25万台を売り上げた。’04年はマイナーチェンジを控えており、さらなる拡販が予想される。
 
図5:車名別登録台数ベスト10における、コンパクト・クラス3台の順位変動(1993〜2003年)
図5:車名別登録台数ベスト10における、コンパクト・クラス3台の順位変動(1993〜2003年)
 
■有森裕子さん、YAWARAちゃん、Qちゃん・・・
−女性が主役になった'90年代後半〜'00年代−
「女性の力が強くなった」と叫ばれて久しい'90年代後半。その頃オリンピックの話題をさらったのも女性でした。
一方、乗用車ユーザーの男女比率を見るとコレが一目瞭然。'89年⇒'99年で女性ユーザーが12%増加の33%。その後も'03年の調査まで着実に増加を続けています。
(日本自動車工業会調べ)
シドニー(2000年):男子5個/女子13個
柔道・女子 48kg 級の田村亮子さんが「最高で金。最低でも金」の公約を実現。
アトランタ(1996年):男子7個/女子7個
女子マラソンの有森裕子さんが銅メダルを獲得。「自分で自分をほめてあげたい」が流行語に。
バルセロナ(1992年):男子13個/女子9個
岩崎恭子さんが女子水泳200m平泳ぎで金メダル。「今まで生きてきた中で一番シアワセ」の名セリフ 。
 
■レポート内使用データ:
四輪車の新車登録台数の推移
乗用車の車名別登録台数順位 (自動車販売連盟調べ)
もっと車が楽しくなるグループサイト
Gulliver
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