突然ですが、この写真のチップ状物質、何だと思いますか?最近、ある超高級ワックスメーカーから「大変貴重なものなんですよ!」といって資料として送られてきたものです。一見するとお菓子の食べカス(失礼)にしか見えませんが、実はコレ、世界最高峰といわれる純度100%のカルナバロウで、ワンパッケージ100万円を超えるギネス級ワックスの原料になるものだそうです。そういわれると、急に宝石のように輝いて見えてくるから不思議です。
100%のカルナバロウはご覧の通りのチップ状物質ですから、“カルナバ100%使用”なんて謳い文句の商品などありえないということがお判りいただけたと思います。
含有される品質は商品によって異なりますが、名のあるメーカーのカルナバワックスは基本的に最高ランクの一号が使用され、ブラジル産カルナバ椰子の若葉から年間一回だけ採取できる貴重なものなのです。
しかし、純度100%のままでは塗装面に塗布する事など不可能ですので、各メーカーは、石油系溶剤や天然植物油などをブレンドすることで、作業性を高め、カルナバロウの持つしっとりとしたツヤ、保護作用を発揮できるように調整し、製品化されます。
今回は、そんなカルナバはとーってもエラいんだ!というお話です。
「カルナバ」のQ&Aをここに公開!
私は自称『カーワックス評論家』です。日本国内では、自動車洗車業者の開業資格を取得。ワックスの聖地、アメリカ・西海岸にも足しげく通い、本場の「コンクールド・エレガンス」を取材。現地の高級カーワックスメーカーから多くのレクチャーも受けました。では、日頃からカルナバワックスに対する疑問や誤解などをここに公開し、スッキリしていただきましょう!
Q、なんだかんだ言っても、最新のガラスコートなどには光沢、ツヤなんか負けるんじゃないの?所詮ヤシの油でしょう?
A、ガラス系コート剤など次々と新製品が出てきて目移りすると思います。ガラス系などケイ素を主原料とした製品は、サラッとした輝き感といったものです。カルナバワックスは深みのあるテロッとしたツヤが特徴で、カルナバにしかマネの出来ないものです。
Q、カルナバワックスを塗ると夏場には解けてフロントガラスの油膜の原因になると聞きました。
A、これは誤解です。ちなみに私は20年間カルナバワックスオンリーですが、フロントガラスに油膜が付いたなんて経験はございません。確かにカルナバロウそのものは、70℃前後が融点であるため、一部の“アンチカルナバワックス”メーカーの謳い文句として作り上げた話です。カルナバワックスを塗装面に塗布しても形成される皮膜は非常に薄いものなので、溶け出すほどの量ではありません。ご安心を。
Q、カルナバってツヤは確かに認めるけど、ホントに塗装面をしっかり保護できるの?
A、カルナバは、カルナバ椰子の葉から採取できる樹液です。カルナバは空気に触れると硬化し、薄く硬い皮膜を形成します。平均10ミクロン程度の非常に薄い皮膜ですが、これが「犠牲皮膜」となり汚染物質や降雨から塗装をガードします。(例えは悪いですが、松ヤニも樹液です。空気に触れると硬化するという点では同じ特性です。)
Q、クルマ磨きが趣味ですが、毎週塗布しても塗装を傷めませんか?また重ね塗りって効果はありますか?
A、クルマ磨きに費やす時間を“労働”ではなく“至福”と思うのでしたら、カルナバワックス以外選択はありません。基本的にカルナバ主原料のカーワックスには、研磨剤の含有は皆無ですから、思う存分塗り込んであげてください。磨きたいとおもったときに使えるのがカルナバワックスなのです。塗装、人間、環境にも優しいのは、天然素材ならではといえるでしょう。
重ね塗りは一日ほど間隔をあけて行えば効果的です。(カルナバが硬化し塗装面に定着するため。)しかし、汚染物質から保護し、「犠牲皮膜」として仕事を終えた状態の場合、重ね塗りはオススメしません。(ワックス皮膜が均等ではないため。)一度、古い皮膜を落として、再び塗布する事が理想なのです。
まだまだカルナバの疑問にお答えしたいところですが、今回はこの辺にしておきます。
どの商品を選択するのかはユーザの好みですので、“絶対これがオススメ!”なんていいませんが、私は、カルナバロウを主原料としたワックスしか使用しません。
塗装面に強力密着し、保護をするコーティング剤も多々存在しますが、仮にムラになったり、施工に失敗した場合、容易に除去できないといったものもあります。またそれだけ、塗装面に対して攻撃性が強い溶剤という事になります。その点、磨きたいときにいつでも使え、逆に除去もカンタンなカルナバは、塗装面に対する攻撃性も穏やかなのです。
環境への配慮も重要です。あまり言いますと一部のメーカーを敵に回す事になりますが、塗布した溶剤が降雨などで流れ、土壌に浸透した場合、自然分解されない製品が多々存在しています。特に環境問題を国際的に掲げるわが国の製品が、この点はとても疎かなのは紛れも無く事実なのです。天然由来のカルナバは環境にも安心といえます。
いかがでした?少しはカルナバのエラいところをご理解していただきましたか?続編でもカルナバの魅力を書きたいと思いますので、お楽しみに。
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written by 外川 信太郎
職業:自動車ライター&カーグッズライター
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