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新車試乗レポート

【フィアット500(チンクエチェント)試乗記】待ちか即買いか? 新生フィアット500の○と×。

(2008.03.30)
フィアット500

達人「国沢光宏」が斬る!

フィアット500 評価

国沢光宏

職業:自動車評論家
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

スタイル、インテリアは余裕の合格点!

モチーフとなった旧フィアット500

 結論から書くと「もしスタイルだけで100%満足出来るというなら迷うことなく買っていい。ただ走りも期待している人はジックリ考えること」。以下、話題の輸入車、フィアット500を紹介しよう。

 超魅力的なスタイルについちゃ説明するまでもない。見た通りの可愛さ、であります。フィアット500と同じ「レトロ」をテーマにしたニュービートルやミニより、オリジナルモデルの味をキッチリ出せていると思う。ちなみにベースはパンダ。

 インテリアも質感こそ高くはないが、日本車ではあまり使われないホワイトを使い、ボディと同色のプラスチック板でダッシュボードをドレスアップするなど随所に「遊び心」を感じさせる。絶対的な室内空間だって十分。日帰りのドライブくらいなら大人でも不満なく乗れるリアシートを確保してます。

フィアット500 フロント
フロントマスクは旧フィアット500そのものと言えるくらいソックリ
フィアット500 リアビュー
小ささを生かし、オシャレなシティコミューターとして使うのもいいだろう
フィアット500 インテリア
随所に明るさを感じるインテリア、インテリアだけでも買う理由になりそう
フィアット500 フロントシート
ボディサイズの割にはシート自体が大きく、非常に快適なフロントシート
フィアット500 リアシート
スタイル重視なことを考えればリアシートも十分以上に広い
フィアット500 ラゲッジスペース
ラゲッジスペースの容量は185リットル、5:5の分割可倒も備える

乗って感じる個性や楽しさはちょっと期待外れ?

基本的なメカニズムはオーソドックスだ

 乗るとどうか? スタイルで深い満足感を得られていれば全く問題なかろう。1,2リッターエンジンながら絶対的な動力性能は必要にして十分。ハンドリング、乗り心地といった機能だって文句なし。毎日の相棒として付き合えることだろう。

 続いて「クルマはデザインだけじゃない」と考える人を基準に評価してみたい。フィアット500のハンドル握り、まず違和感あるのが「デュアロジック」と呼ばれるラテンの小排気量車に多いロボタイズドATかと。

 この変速機、普通のマニュアルマニュアルを油圧で制御するというシステム。変速するのに一呼吸掛かってしまうという決定的な弱点を持つ。結果、この手のミッションは変速のリズムに問題を抱えているものが多く、日本ではあまり評判が良くない。

 フィアット500もベースになったパンダより改善されているものの、オーソドックスなトルコンATやフォルクスワーゲンのDSGに代表される新世代のツインクラッチを使った2ペダルミッションに比べるとかなり異質なフィーリング。アクセル踏んでいるのに加速しなかったりする時間が長く、クルマ好きには厳しい。

フィアット500 デュアロジック
購入を考えているなら、試乗でデュアロジックのフィーリングが自分に合うか入念にチェックするべき
フィアット500 エンジンルーム
最高出力は69馬力と平凡ながら、数値以上にパワフルに感じる1.2リッターエンジン
フィアット500 アルミホール
日本仕様第一便となる「ラウンジ」にはアルミホイール(185/55R15)が標準装備される

 もう1つ大きな減点材料は、乗ると日本車みたいだということ。ニュービートルやミニのハンドルを握ると、明らかに日本車と違う走りの味を持っており楽しくなってくる。なのにフィアット500って、エンジンもハンドリングも趣味性を考えていない日本のコンパクトカーみたいなのだ。

 スタイルが気に入って買うなら関係ないとしても、ラテンのコンパクトカーらしい楽しさを期待しているユーザーだと「うーん」と感じるんじゃなかろうか。マニュアルミッション仕様でも入れてくれればイメージも変わると思うのだけれど……。

フィアット500 走り
フィアット500 走り
フィアット500 走り

ドイツのライバルと比べると価格も厳しい

フィアット500 エンブレム

 三つ目が価格。現在ラインナップされている「ラウンジ」、225万円というおネダン。姿勢制御装置ESPやサイド&カーテンエアバッグといった安全装備まで標準装備されるものの、ミニOne(1.4リッターで6速マニュアル/218万円、6速AT/231万円)やニュービートルEZ(1.6リッターの6速ATで236万円)は手強いライバルだ。

 そんなこんなで「スタイルとインテリアを気に入ったなら迷わずどうぞ」のフィアット500なのだが、今すぐ欲しいというのでなければ、近々追加される「ポップ」というベースグレード(190万円の予定)や1.4リッターエンジンを積むスポーツグレードを見てからでも遅くないと思う。ちなみにマニュアル車の導入は残念ながら今のところ期待薄のようです。

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「フィアット 500」について

カタログ情報 : フィアット / 500
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